8/9(水) 嫌われるオレ・その1。
オレって基本的に誰からも嫌われない人間なのね。
ま、誰とでも適当に話が出来るし、デリカシーはある方だし、普段はいい人ぶってるし(笑)、
決して誰からも好かれるってわけじゃないけど、とりあえずは嫌われないと。
それが! ここにきてそんなオレを心底嫌う人間が現れましたですよ!
それはよりによって彼女の母ちゃんなんですな、困ったことに・・・。

彼女は片親で、父ちゃんを若いころに亡くしてんだけどさ、
付き合いだしたころから、お母さんの悪い噂はいろいろと聞かされてたのよ。
やれ自分本位で人の言葉に耳を貸さないだの、
やれ気分屋で笑ってるかと思えば次の瞬間キレ始めるだの、
やれ周りを気にせずに人前でも平気で罵倒するだの。
でもさ、父ちゃんが亡くなってから女手ひとつで娘三人を育ててんだから、
時には父ちゃん役もしなけりゃならないわけだし、
そりゃ頑固にもなるし厳しくもなるわな、なんて軽く捉えてたわけ。

で、数ヶ月前に彼女と遊んでたときのこと。
彼女がいきなり「今からお母さんに会ってみる?」なんて言ってきたのな。
そのとき髪はボサボサだったし、一週間ほど髭も伸ばし放題だったから、
また今度って提案したんだけど、彼女が「大丈夫、大丈夫」なんて言うんで、
じゃ、と夕食の支度をしてるお母さん宅におじゃましたわけ。
こっちはガチガチでさ、「は、はじめまして。お嬢さんとお付き合いを・・・」なんて
緊張しまくるオレを一瞥して母ちゃんが放った一言が凄かった。
「あ、こんにちは。今から教会行くんだけどあなたたちも来る?」
この自分本位ぶり、身勝手ぶりったらどうよ?
彼女の母ちゃんは熱心なクリスチャンで、週末は教会に行くらしいんだけど、
だからといって初対面で数秒しか経ってないオレを誘うかね、普通。
でもこのとき、オレはまだ楽観視してたのな。
一緒に教会に行くことで、一気に交流を深めようとしてんのかな、なんて。
それがさ、教会に向かう車の中で、オレを嫌うオーラをプンプン発してんの。
そりゃいきなりどこの馬の骨かもわからない男が娘の彼氏だと現れてさ、
しかも彼女とは11歳も歳が離れてるわけだしさ(彼女は25歳)、
もちろんはじめから好かれようとは思ってなかったものの、
そこまで警戒することもないじゃんねぇ。
で、教会で神父の話を聞いたり聖歌を歌わされたりして、
教会では集会の最後に、初めて来た人に名前を聞くってルールがあるらしいのよ。
「そちらの方、初めてですね。お名前は?」と神父に聞かれ、「セザキです」と答えるオレ。
すると前の席に座ってた母ちゃんが振り返り、オレに聞くのよな。
「え? 何ですって? セ、セバ・・・?」「あ、セザキです」
「何? セ、セバ? ・・・セバキ?」「いえ、セザキです」
結果、名前を何度も復唱させられたオレは恥ずかしい思いをしたんだけど、
このとき、母ちゃんはすでにオレの名前を知ってるわけ。
ということはつまり・・・・・これって俗に言う「意地悪」なんですな。
そんなことする大人っている !? 昼ドラの姑でもこんなことしねぇよ !?
この時点で「こりゃこの人おかしいぞ」と気付いてたんだけど、
この母ちゃんが本領発揮するのはまだまだこれからで。

帰宅後、「夕食食べていきなさい」なんて言われたもんだから、
さっきのはお母さんなりのジョークで、実は好意的?と無理からにポジティブに捉え、
ここからオレの話術で名誉挽回よ!と意気揚々と食事に挑んだものの、
オレの仕事、過去の経歴、将来設計なんかを根掘り葉掘り聞かれてさ、
見事なまでに全部否定! NOの嵐! もうケチョンケチョンですよ。
何度も言うけど、これ初対面よ。まだ会ってから二時間程度よ。
そりゃさ、オレには語れるような過去も未来も現在もないけども、
別に今すぐ結婚がどうこうなんて言ってるわけでもないし、
よく思わないのはいいとしても、その場は適当に相槌打ってしのいで、
後日、娘に「お母さんはあの人のことどうもねぇ」なんて言うのが普通でしょ。
それがオレの目の前で毒吐きまくりだもん、信じられねぇっつーのな。
あ、ここまで読んで肝っ玉母ちゃんを想像してる人もいるだろうけど、
イメージ的には数年前にテレビに出始めたころのデヴィ夫人ね。
あの嫌味ったらしくてみんなが不快感を抱いてたころの(笑)。

で、オレ批判も一通り終わって、母ちゃんの宗教トーク(ウザめ)が延々と続いた後。
オレってさ、面識のある人なら知ってるだろうけど、顎関節症でアゴが多少歪んでんのよな。
それをあざとく見つけた母ちゃんがトークを遮って一言。
「・・・あれ? あなた、アゴ歪んどるね?」
だ・か・ら! 初対面だっつってんだろ!
何、このデリカシーのなさは !? 大人気ないにも程があるでしょうよ!
これが顎関節症をさほど気にしてないオレだからよかったもんの、
整形しようかってほどに気にしてる人もたくさんいるわけだしさ。
その一言で傷つく人もいるって配慮が全然ねぇのな。
これでクリスチャンってんだから呆れたもんですよ、ホント。

この話、まだまだ続く。

8/10(木) 嫌われるオレ・その2。
初対面の長い一日が終わって精神的に疲労困憊のオレ。
それでもポジティブなオレはそこに一筋の希望を見いだすわけよ。
もしかすると今日一日はお母さんなりのテストだったんじゃなかろうかと。
あそこでキレずに笑顔を絶やさず堪え忍んでたオレを見て、
「なかなか骨太な男じゃないの」と高評価、みたいな。
が、結果はやっぱり予想通り。
次の日、彼女にオレのことをボロクソに言ってたようで(笑)。
「お母さんはあの人のこと生理的に受け付けない」だの、
「あんな大人がいるなんて信じられない」だの言いたい放題。
行きたくもなかった教会にまでついて行ってこの言われよう。トホホ。
とにかくオレが今までに味わったことのない壮絶な嫌われぶりなわけよ。

そもそもさ、彼女が母ちゃんに彼氏が出来たと告げたとき、
11歳も年上で、しかも在宅で自営業ごっこのようなことをやってると知り、
それって母ちゃんにしては信じられないことであってさ、
もうこの時点で嫌悪感や猜疑心でオレのイメージは固まってたと思うのね。
要は会うまでもなく、そのときにオレへの評価は決まってたわけでさ。
ま、そこでイメージを抱いちゃうのは誰だってしょうがないと思うのよ。
でも普通の人だとさ、直接会って話をして、その抱いてたイメージと違った場合、
自分の中でその人の評価やイメージを修正するでしょ、当然のことながら。
でもこの母ちゃんはそれが出来ない人なんですな、きっと。
悪い意味で自分を信じきっちゃってるかわいそうな人だから、
その自分なりの前評価や固定観念を意地でも曲げたくないわけよ。
頑固と言えばまだ聞こえがいいけど、単に意固地っつーかね。
キリストが神だと信じるように、悪魔が悪だと信じるように、
オレを最低の男だと信じたいんだろうね(笑)、おそらくは。

いや、そんな母ちゃんの分析をしてる場合じゃないわけで、
やっぱ彼女とは将来のことも考えてちゃんと付き合っていきたいからさ、
このまま母ちゃんに嫌われ続けるのもいかがなもんかって話でしょ。
だからその後、オレは少しでも良く思われようと小さな努力を重ねたのな。
といってもそれから数週間、オレとその母ちゃんが会うことはなかったから、
彼女にオレのことをよく言わせたってだけなんだけどさ(笑)。

で、ある日の夜、そのイメージ向上作戦の結果が出ることとなる。
彼女んちってのはマンションを二部屋持っててさ。
父ちゃんの死後、保険金で近くにもう一部屋マンションを買ったんで、
新しい部屋には母ちゃんが、以前の部屋には彼女姉妹が住んでんの。
だから彼女んちへは気軽に遊びに行けるんだけど、
その日、いつものようにおじゃましてると、母ちゃんから電話があったのな。
プリンターを使わせてほしいから今からそっちに行くって内容で。
紹介されるまでは、母ちゃんが部屋に来るっていうと、
母ちゃんの性格上、そこで揉めるのは明らかだから、
オレが間男よろしくあわてて逃げ出すこともあったんだけど(笑)、
もう紹介は済んでるわけだから、堂々とその場に居座ったのよ。
母ちゃんが部屋に入ってくるなり、直立不動で丁寧に挨拶するオレ。
「どうもご無沙汰してます。おじゃましてます」
「・・・・・」
わー、無言でUターンして部屋を出てった〜〜〜!!
完全無視ですよ! こんなことされたことある !?
彼女姉妹も唖然よ、そりゃ。だって人としてやっちゃいけないことでしょ、無視って!

今までの分は水に流してもいいけどさ、さすがに今回はオレもキレたね。
こりゃちょっとおかしいとかそういう類じゃなくて、もはやキチガイの域でしょ。
何がそこまでオレを憎ませてんだかわからないけど、
だからってちゃんと挨拶してる相手に向かって無視って常人じゃ出来んわな。
マナーもデリカシーも常識もない、オレのもっとも忌み嫌う人種だなと判断して、
もうこれからは「好かれよう」と思うことを止めようと。頑張るだけ無駄だなと。
かといって喧嘩するつもりはないけど、へりくだる必要もないかと。
男友達んちに遊びに行ってお母さんがお茶を持ってきてくれたとき、ぐらいの感覚で、
「あ、ども、おじゃましてますー」程度でいいだろうと思ったわけ。
むしろ、母ちゃんはオレの堅苦しい態度に辟易してて、
逆に楽に振る舞った方が好印象だったりして、なんて勝手な希望的観測も含めて。
ま、この母ちゃんにかぎって、んなことはないだろうけど(笑)。

しつこくつづく。

8/11(金) 嫌われるオレ・その3。
彼女の母ちゃんちでは犬を飼ってるんだけど、
先々週の土曜だったか、母ちゃんが夜まで留守にするからと、
彼女が犬の散歩を頼まれてましてね。
で、暇だったオレは散歩に付き合った次第で。
散歩も終わって母ちゃん宅に戻ってきて、
汗をぬぐいながらテレビを見てるとピンときた。

一ヶ月ほど前のことだったか、彼女の持ってたDVDレコーダーを
母ちゃんが欲しいってんで安価で譲ってあげたことがあったのね。
が、彼女が接続してあげたところ、テレビにBSが映らないと。
録画は出来るんだけど、テレビで直接見ることが出来ない。
要は、BSアンテナからDVDレコーダーまでの配線は出来てるものの、
そこからテレビに電波が来てないってわけ。
わざわざ接続してあげたにもかかわらず、
そこでまた「映らなきゃ困る」と過剰な文句を言われ、
気分を害したって彼女が言ってたことを思い出したのな。

これだ!とテレビの背面を見ると、単純に配線が繋がってないだけで、
余ってたアンテナケーブルを繋げると難なくテレビでBSが映ったのな。
ま、全然大したことはしてないんだけど、これでポイントアップ間違いなしでしょ。
「あらー、やっぱり男の人はこういうとき頼りになるわね」なんて。

で、その次の日。
うちで彼女とテレビを見てたら、彼女の携帯に母ちゃんから電話があったのな。
その週、夏祭りに行くからと、彼女と友達が母ちゃんに浴衣の着付けを頼んでたのよ。
てっきりそのことかと携帯に出ると、母ちゃんは驚いた様子で、
「テレビでBSが見れるようになってるんだけど・・・何かした?」と。
よし食いついた!とばかりに彼女はオレのイメージアップ作戦よ。
「それは昨日セザキくんが直してくれたんだよ!」
が、オレの名前が挙がった途端、母ちゃんは言い放ったね。
「・・・なんでそんな勝手なことするの?」
え? 怒ってる? あんたが望んでたことを良かれと思ってやったのになんで?
「テレビを付けたらいきなりBSが映ったからびっくりしたでしょ!」
びっくりした !? だから怒ってる !? うれしいサプライズもダメなの !?
・・・もうね、怒る理由が無茶苦茶なんだ、この人。
だからって、昨日オレが家に上がったことを知って、
BSを直してなかったらさ、それはそれで怒ってたはずなのよ、
「せっかく来たんなら直して行ってくれるのが普通でしょ!」なんて。
とりあえずオレの名前を聞いて不愉快になったもんだから、
難癖つけたくてしょうがないだけなのな。思考回路が子供と一緒で。
よくこんな人間性で「親」を務めてるよなあ。
親以前に人間失格だけどね、オレから見りゃ。

そんな理不尽な文句を散々聞かされ、うなだれる彼女に追撃。
「あと、浴衣の着付けの件だけど、もう無理だから。
だってあんた、今セザキさんちにいるんでしょ?
だったら今日、着付けの練習が出来ないでしょ」
着付けに練習が必要だなんて、今まで一言も言ってなかったわけ。
要は、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの論理でさ、
オレと一緒にいる彼女まで憎く感じて、
彼女に対する嫌がらせとしてこう言ってるわけ。
子供に対して嫌がらせって・・・信じられる? 大人のすることじゃないでしょ?
母ちゃんが着付けをしてくれるって言うからさ、
彼女の友達はそれを信じて、もう浴衣を新調してるわけよ。
だから友達にも迷惑をかけることになるんだけど、
母ちゃんがあまりにしつこく小言を言うから、
彼女も「だったらもういい!自分たちでどうにかする」ってキレたのな。
じゃあ今度は「それって私が悪者みたいに思われるじゃない」などと言い出す始末。
いや、どう贔屓目に見てもあんたが悪者でしょうよ。
「悪いのは私じゃなくて、今この時間に家にいないあんただ」と。
この勝手極まる言い分に、とうとう彼女も堪忍袋の緒が切れた。
もう悔しいやら腹立たしいやら情けないやら馬鹿らしいやらで、
涙をこみ上がらせながらに母ちゃんを罵倒したわけ。
「何よ、勝手なことばかり言って!
BSを修理してもらってさ、まずは『ありがとう』じゃないの !?
着付けのこともそう、練習なんて一言も言ってなかったでしょ!」
もちろん電話の向こうからは母ちゃんの反論。その反論の根拠はどこに・・・。
ただ、そこから感極まって彼女の言った言葉がマズかった。
「そもそもセザキくんのこともそうよ! 端から嫌い嫌いってさ!
セザキくんもお母さんになんかもう会いたくないって言ってるわよ!」
いや、そこでオレの名前を出すのはちょっと・・・。
その後、電話の向こうのお母さんが一言。
「セザキさんに替わってちょうだい」

もう一回つづく。

8/12(土) 嫌われるオレ・その4。
「はい、もしもし、お電話変わりました」
声は平穏を装ってるものの、手は怒り心頭でガクガクと震えとりますよ。
だってさ、目の前で彼女が理不尽な理由で泣かされてるわけだし、
オレが何をしても逆手にとって嫌悪感に変えるわけでしょ。
さすがのオレもこの母ちゃんには、はらわたが煮えくりかえるほどムカついてんのよ。
するとまずは開口一番、「あの子(彼女)はちょっとおかしいんです」と。
・・・おかしいのは1000%おまえの方だろうがよ!
そもそも自分の娘のことを赤の他人に「おかしい」なんて言う時点で、
てめぇの狂人ぶりを晒してるようなもんだと思うがいかがなもんか。
「あの子は事実を歪曲して伝えるところがあって・・・」
一瞬何を言ってるんだかわからなかったが、
要は、自分は何もおかしいことなど言っていないと。
その事実を曲げて伝える彼女のせいで、オレは母ちゃんを誤解していると。
・・・いやいや、電話口からあんたの罵詈雑言ははっきりと聞こえてましたよ!
自分の娘を虚言癖扱いにまでして自分を正当化しようとするあんたは間違いなく狂人ですよ!
なんでそう思えるのか常人には理解出来ないんだけど、
こんな人間性で、自分が嫌われるタイプの人間だとは思えないようなのな。
だから嫌いなオレにまで、わざわざ自分を弁解したくて電話を替わってくれと言ったわけ。
ちなみにさ、ここまでの数分間の会話でさえ、
母ちゃんが一方的にまくしたてるだけで、
オレが少しでも「ええ、でもそれは・・・」なんて口を挟もうとすると、
「うるさいわね!黙って聞きなさい!」なんて言う身勝手極まりない人だよ。
それでどうして自分が好かれる側の人間だと思えるのか逆にお聞きしたい。

その後もさ、BSの件をネチネチと話すのな。
「それはあなたたちが勝手にやったことで、
ありがとう、と感じるかどうかはこっちの問題」だってさ。
そりゃそうだろうけど、それでも困ってたのは事実だろ?
だったらまずは常識として「ありがとう」でしょうよ。
その後、「でも直したんなら直したって言ってよね」ならまだ話はわかる。
それがどうして「ありがとう、と言ってもらえると思うのは
あなたたちの思い上がり」になっちゃうのかわからんですよ。
だったら今後、あんたに感謝されるようなことは誰も一切しないでOKってこと?
誕生日に娘たちが祝ってくれないってだけで激昂するあんたが言えた義理?
要は、話に整合性なんてこれっぽっちもなくてさ、
その場の気分だけで感情的になる浅はかな人間なのよね、わかってたけど。

で、一番驚いたのは、母ちゃんがこんなことを言い出したとき。
「あなたとは直接お話したことがないからわからないでしょうけど・・・」
・・・え? 話したことがない? アルツハイマー発病 !?
「いえいえ、以前に教会に連れて行っていただいて、
その後、家でお食事もごちそうになりましたよ」とあわてて訂正するオレ。
「はぁ(溜め息)、・・・あなたバカね。メンタルな部分で話をしてないってことよ」
ハァ〜? ここにきていきなり宗教人ライクな電波発言?
つーか、人の親とそんなコアな話って出来んの?
特にオレと「彼女の親」って立ち位置のあんたとは百年経っても無理だろうし、
そもそも人の話を一切聞かないあんたと普通の話すら出来ないんだけど?
ましてや自分の言葉の足りなさには一切非を認めず、
その難解(というか電波系)な意を汲み取れない相手をバカ呼ばわりするあんたとは。

でさ、そんな言われたい放題の一方的な会話が十分以上も続いて、
最後に「あなたたちは常識がない」ときたもんだ。
・・・もうホトホト呆れてね。
こんな母ちゃんに好かれたかねぇやと思った瞬間、
とうとうオレも最後の一歩を踏み越えちゃったね。
「・・・いや、常識がないのはお母さんの方ですよ」
今まではさ、「メンタルな部分で話が云々」なんて言っておいて、
結局は「娘の彼氏」で、オレの立場が弱いことをわかってて、
上から見下す視点で言いたい放題暴言吐いてたわけでしょ。
それがいきなり抗戦の構えを見せたもんだから、母ちゃんは驚いて絶句よ。
「・・・・・何ですって !?」
「だから、お母さんの方が常識のない人だと言ってるんですよ」
「あなた・・・卑しくもそれが彼女のお母さんに対して言う言葉 !?」
だったら今まであんたが言ってきたことも「娘の彼氏」に対して使う言葉かっての(笑)。
今まで好き勝手に暴言吐いといて、ちょっと言い返されたらこれですよ。

結局はね、偉そうに「メンタルな部分で話が云々」なんて言って、
今まで都合のいい解釈だけ受けて生きてきた人なんだろうなと。
みんなさ、彼女の元カレや家に遊びに来たことのある友達は、
「おまえの母さん、かなりキツいよな」なんて言ってるわけ。
そりゃそうだ、少し接すればわかるもんね。
でも人の親にそんなこと直接言わないでしょ、普通。
それどころか、多少はヨイショすらするでしょ。
オレだって、こんなくそみそに扱われさえしなければ、
表面上はずっとイエスマンを演じきってただろうし。
娘たちも、母ちゃんの機嫌の悪いときの極端な言動を知ってるから、
家では基本的に母ちゃんの機嫌を損ねないよう接してるわけで。
それは母ちゃんからすれば「メンタルな部分で交流出来てる」と。
でも、母ちゃんの気分が乗らない相手(オレ)とは「メンタルな部分で交流出来てない」と。
要は自分の心が開いてるかどうか、気分がいいかどうかだけで、
こっちの感情なんて全然お構いなしなのな。常軌を逸した身勝手ぶりですよ。

最後は「とにかくあなたと話が出来て良かったわ」とあからさまな嫌みで言われ、
「ええ、こちらこそ」と嫌みで応戦して十数分に及んだ電話は終了。
後日、予想通り彼女にはオレのことを今まで以上にボロクソに貶してた模様(笑)。
これで母ちゃんとは完全に訣別しちゃったなあ。ま、構わないけど。
この母ちゃんが自分に対して客観性を持てる日はいつか来るんだろうか。
この歳でこれならもう無理なんだろうなあ・・・。


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written by オレ 

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