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JIROの独断的日記
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2002年08月31日(土) 確率

イギリスBBCのサイトを見ていたら、ある女子高生が隕石のかけらとぶつかった。というニュースが載っていた。隕石のかけらといっても本当に小さい、せいぜいピンポン玉ぐらいのもので、質量も大した事はなかったので、女の子に大した怪我はなかった。そのかけらを手にして、ニコニコしている写真を見て、こちらがびっくりしてしまった。確率で言うと、何十億分の1だそうだ。宝くじどころではない。
 しかし、考えてみると私たち一人一人は、それぐらいの確率に当って、この世に生を受けているのだ。私たちはもともと、父親の精子だった。一回の射精で何億個という精子が放出され、その中のただひとつだけが、卵子と合体する、つまり受精するチャンスにありつけるわけだ。しかし、勿論ただの一度で妊娠する可能性は低い。実際に母親の卵が受精するまでには、何十億個の精子が死んでいるわけである。だから、今、この世に生きている人たちは、その恐るべき運のよさで、受精に成功し、胎児へと成長し、やがて母親の胎外に出てきたのだ。
 そう考えると、今生きていられるということは、物凄い運のよさがもたらした結果なのだ。ところが、皮肉な事に、そのようにしてこの世に生れたからといって、いいことばかりが待っているわけではない。娑婆には良い事は少ない。いやな事ばかりだ。
 うーん。果たして私たちは本当に運が良かったのかな・・・。


2002年08月29日(木) 児童虐待対策の緊急性

 誠に嘆かわしい世の中である。親が子を虐待して死に至らしめた、というニュースが毎日のように報ぜられる。 しかし、マスコミも政府ものんびりと構えているように思われて、私は大変歯がゆい。子供とはいえ、人一人の生命が奪われるという事は言うまでもなく大罪である。しかも、状況は極めて深刻なのである。今も、日本のどこかでは虐待に怯えながら生きているいたいけな子供が何十万人もいるのである。

 もし、今ここで、1件の営利誘拐事件が起きたと仮定しよう。警察もマスコミも血眼になることは目に見えている。それは、言うまでもなく、人質となった子供の生命が危険に晒され、一刻も早く助け出さなければならないからである。
 振り返って考えると、子供を虐待する親が存在するという事は、子供の生命がかかっているという点において、営利誘拐事件が一度に何十万件も発生しているのと同じことなのである。なのに、警察も、マスコミもこどもが殺されるまで、あるいは大怪我を負わされてから初めて騒ぎ出す。 これはおかしい。滑稽である。
 どうしてそういうことになるのかは、おおよそ見当がつく。警察官にとって誘拐事件を解決する事は大きな「手柄」となり、操作に当った警察官をはじめ、キャリア組である各県警本部長の出世にも大きく貢献する。しかるに、虐待されていた児童を保護したところで大した「手柄」にはならないのである。言うのも嫌な事だが、潜在的にこのような心理が警察官の意識にあることは想像に難くない。
 マスコミもまた然りである。誘拐事件報道は各社のスクープ争いの格好の舞台となる。社会部の記者たちはさぞ燃えるであろう。しかし、虐待されていた児童が児童相談所に保護されたというニュースを社会面に載せたところで、社長賞は狙えないのだろう。
 だが、最も問題なのは政府の対応である。票がとれる経済・行政改革についてはこれでもか、とプロパガンダをぶち上げる。お金の問題は国民誰しも関心のあることであるから、この分野で功績を残す事が自分の政治生命を大きく左右する。だから優先する。
 
 こんなことでいいのか!
 生命は尊貴である。役人、ブンヤ、政治家の出世など、これに比べれば殆ど無価値である。繰り返すが、今の日本では、多くの子供の生命が危機に晒されているという点において、何十万件もの営利誘拐事件が起きているのと同様の緊急事態が発生しているのである。
 
 政治や報道に関わる人間にはこういう想像力が不足している。嘆かわしい。


2002年08月28日(水) 精神疾患への理解

 今日はたまたま、精神医療に関係するニュースや話題が目に付いた。
 1番目はNHKニュースで、うつ病などの「心の病」のために一ヶ月以上休職している社員がいる企業が全体の6割以上にもなるということ。これは民間の調査機関によるデータだそうだが、事実を隠している企業が必ずあるであろうから、実際の割合はもっと高いはずである。うつ病にかかるということは何も特別な事ではないという事に、着目してもらいたい。そのような状況を生む社会構造に対する再考が必要であることはいうまでもない。
 2番目。精神・神経医学学会で、従来「精神分裂病」と呼ばれていた精神疾患を「統合失調症」と呼称変更する事が正式に決定された、とのこと。従来の病名は、いかにも、人格の荒廃、異常者、不治の病、という偏見を抱かせるものだった。「ビューティフルマインド」という映画が評判になったのは比較的最近の出来事だったと思うが、あれは、実在の人物をモデルにした作品である。主人公は統合失調症により、数度にわたる入院生活を余儀なくされながらも、経済学の研究に取り組み、ついに、ノーベル経済学賞を手にした。病気を持っているからといって、ノーベル賞の授与をためらわなかった選考委員会も立派だと思う。しかし、本当は当然の事である。統合失調症の発症率は約0.8%。つまり100人に1人弱の割合で患者さんが存在する。社員5000人の会社なら、50人の患者がいてもおかしくない。決して珍しい病気ではないのである。しかも、治療法は進歩しており、決して不治の病ではなくなっている。映画を見て感動しているだけではなく、このたびの呼称変更を機に、広く世間がこの疾患に対する知識を得ることを望む。
 3番目。ニュースではないが、NHKが今晩11時から放送する「私はあきらめない」という番組で、女優の田中美里氏が、一時期、パニック障害に悩まされていた体験を話す。とのことである。このように、精神医療の恩恵を受け、病気を克服した人物が、その体験を率直に話すという事はとてもよいことである。精神科の世話になる可能性はどんな人間にもある。けっして世間に恥じるようなことではない、という認識が世の中に形成される事が大切だ。


2002年08月09日(金) 長崎市長は偉い。

今日は、長崎で原爆犠牲者の慰霊祭がおこなわれた。
その席上、長崎市長は最近の米国の核先制攻撃をほのめかすような一連の言動を独断的で到底許す事が出来ない、と言い切った。核に関しては日本ほど強く反対を訴える事が出来る国はないのである。が、この国の総理大臣は米国の顔色を窺って、無難な言葉を羅列するのみだ。情けない。ブッシュは昨年のテロ以降、自分の言動に酔っているふしがある。あいつは頭が悪い。誰かがガツンと言ってやらないと、自分の行為の独善性が分からないのだ。言っても分からないかもしれないがね。


2002年08月07日(水) 錯覚

こういうのも、「錯覚」というのだろうか。
テレビドラマで憎まれ役を演じている役者は、街を歩いているとしばしば、本気で罵倒される事があるのだそうだ。虚構と現実の区別が出来ないわけである。私にはにわかに信じがたいのだが・・・。


2002年08月06日(火) アングロサクソンのずるさ

今日は言うまでも無く、広島に原爆が投下された日である。
主だったアメリカの新聞の社説をざっと点検したが、このことに触れているものはなかった。私はイギリスに駐在していた事があるから、余計にわかるのだが、アングロサクソン民族にはこういうふうに、言いたい放題相手に要求するが、自分に都合の悪い事はケロリと忘れたフリをするところがある。戦争中、日本人の捕虜になった連合軍の兵士が50年も経ってから、日本に補償を求めてくる。日本人は人が良すぎる。それなら、日本は毎年、この日にアメリカに賠償請求すればよいのである。


2002年08月05日(月) 気分変調症

うつ病ほどの憂鬱感はないが、何年にも亘って気分がすっきりと晴れず、抑うつ感や不安感が続く、気分障害の一つである。以前は抑うつ神経症と云っていた。今まではこのタイプの抑うつ状態にはカウンセリングが有効で薬はあまり効かないといわれていたが、最近、色々な研究によって必ずしもそうともいえないことがわかってきた。つまり、薬によってすっかりよくなった例もあるという。気分変調症の人は、殆どは生まれつきの性格のために憂鬱なのであって、どうしようもないと諦めている人が多いが、そんなことを言わないで、一度、専門家の診断と治療を受けてみた方が良い。はじめに行った医者と相性が悪いと思ったら、他を探せばよいのである。


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