OH GREAT RABI RABI

ブルー・ステンド
2003年03月31日(月)






はじけてゆく泡の色


指のあいだを埋める


サイダー・ピジョン、


耳をつぶすほどの鳴き声で

いつまでも はじけだす






+++++





ぼくは地図のよみかたを知らない。



空中によんのじを、限りなく描く。





+++++





とても透明で、


ぼくのめだまはなくなってしまったのかと思うよ。


さかなまで


透けてゆくんだ、


この位置では。








プライヴェート・スカイ
2003年03月30日(日)





かくざとうのそらに



さざなみはしろくうちよせる



そのばしょにのこるあしあとを




ぼくはひとつずつふみつぶしてゆく




+++++





犬はもう笑わなくなった。


横たわる頭、よだれが地面に地図を描いている。




しかし




(ステイ)




それよりも



(ステイ)




死んだ犬の声ばかりが響いているのだ。




響いている?




ちがう、ひびいっている。




+++++




この空はぼくだけのものだから、


リュックのなかにしまっておいてもいいんだ。








プラスティック・ゴールド
2003年03月29日(土)





犬は音をたてずにチューイン・ガムを噛みながら

ぐるりとわたしを見渡した。



「ちくしょう」

と犬は思った。



「ふすまの味しかしねえ」



わたしはおそるおそる床下の生き物のことを尋ねる。



犬はとつぜん唸りだす。



「あれは俺のもんだ」



わたしは後ずさる。



「もとは俺の埋めた骨だ。手を出すんじゃねえ」





+++++






つくりものの輝き、



ジャンプを続けていれば



いつか空にも触れよう





+++++




父親参観の日、



ずらりと並んだチューイン・ガムの彫刻を見て



あのひとは泣いた。









クレヴァー・ミント
2003年03月28日(金)




ニュース・ペーパー

で つくった

家。


庭で吠える

イトムカデ、


床下で 誰か 縛られているよ、


わたしは屋根裏の彼から物語を聞く。



+++++



グルーヴ、の ヴ、の発音が好き。

ヴ ではなく ヴ。ではなく

ヴ、



+++++


十字架の角度が少し歪んでる、

彼はその隙間に棲んでるんだ、って。



+++++



とても賢いあなたはにこやかな顔で手品のように縄を取りだす。

そしてもう一度念入りにチョコレイト・ムースを縛りなおす。

わたしたちは震えながらその様子を見ている。

彼はやがてその茶色い物体を床下に埋めに行く、

冷たい夜気が入ってくる。

ムースの重心からミントの茎は脱出する、

闇のなかを心許なく、街道を飛んでゆく。


+++++



「ムースを解放するためのヒントはブルドッグだ」と彼は云う。

それよりも、わたし、庭への行きかたがわからない。





くろーばー
2003年03月27日(木)





つくしの花束で告白された



ぼくはふかくふかくふかくちゃいろのフードをかぶって

脱げなくなった





ぼくを摘むな!

ぼくを食べるな!




+++++



でっかい蛇口がぼくを監視している

定期的になめつける


+++++



はしめてふれたては

とてもやわらかなよんほんゆびで

のはらにさいていたら

いちばんにつんであげよう

とちかった







ぼくはとんだりしないのさ!
2003年03月26日(水)



って、屋根から転がりながらいうなよ






って、泣きながら、わたし、






笑ってた。











+++++






かびんがしずかにふたつにわれていくんだよ。



あなたはそのあいだに



いっしょうけんめいはさまろうとしてる。



まにあわない、よ



あなたのて、



そんなにのびないもの。



せめて、はげしくうちあわせて、



かわりにおとをだしてあげて。





+++++



とてもきれいなはなだね。



さくらっていうの。




+++++





もやすと、とてもいいかおりだよ。





+++++





やきいもやさんが ぼくをうらぎらないように、



ぼくは やたいをすなばにうめた。



+++++








ぼく、われたかった。



われたかったんだ。










うみ + home
previous + index + next



My追加