短いのはお好き? 
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2004年10月16日(土) marquee moon





夕焼け空に
きみの笑顔を思い浮かべてみたよ
真っ直ぐ伸びてゆく
飛行機雲みたいに
ぼくらの想いは儚いものかもしれないけれど


あまりにも
夕焼け空が綺麗だから
きみのこと考えたよ
きみもどこかで
この燃える夕焼け空をきっと見ている
そう思った


泣いたり
怒ったり
その一喜一憂をくまなく
ぼくは知っているさ
きみはひとりぼっちなんかじゃない



過去には二度と戻れないけれども
だからこそ
ぼくらは前進してゆけるんだし
行く手になにが待ち構えていようとも
ぼくらは突き進んでいく
それで砕け散っても
いいさ



きみも確かに知っているよね
人生は美しいこと
ほんとうのきみは眩いばかりに
輝いている
だからその光りを
閉ざさないで








2004年10月12日(火) 映画日記☆彼岸花





しっとりと落ち着いた雰囲気のホームドラマと思いきや、実は羊の皮を被った狼みたいな
化け物作品。


先ず、冒頭の東京駅駅舎のカット。これはまぁ、無難なと思えるものの、よく見てみると斜めに傾いでいるのである。そして、次のカットは、その駅舎を裏から撮ったカット。これもまたヘンテコリン。


映像で何かを言わんとしているとしか思えないショットなわけで、単に美しく撮るのならばいくらでも構図を考えて撮るのだろうけれど、そんなことには頓着なくモンタージュ的なことをやっているようだ。


途中インサートされるビルの狭間のカットなども、絶対使わないようなカットであるけれども
これ以外は、映像的には過激な点は見られない。


相変わらず会話の部分は見交わされることのない視線で、淡々とショットが重ねられてゆくが、そもそもいくら父親が反対していようが、娘の結婚というおめでたい主題の映画であるはずなのに、タイトルが「彼岸花」とはいったいどういうことなのか、などと多少憤慨しながら見終わったわけなのですが、実は、娘の結婚はテーマでもなんでもなかったようです。



母親である田中絹代が、平山に明日はお弔いがあるけれども、やっぱりモーニングを着てゆくのかと問う場面があり、平山が、いや、明日はいいだろう、と答えると、「そうですね、お祝いの次にお弔いなんて、モーニングも戸惑ってしまうわね」みたいな感じで、田中絹代が言うのですが、「彼岸花」では、お弔いにはぴったりのタイトルではあるものの、祝言ではどうも縁起が悪いななんて思ったのですが、これまた実に的を得たタイトルであって、というのも手の届かぬ彼方に嫁いでいってしまう娘のことを彼岸に咲く花に喩えているわけで、娘を手放した父親の感情を的確に表している題名なのでした。





冒頭の駅員の会話等から、波瀾が起こることを示唆していましたが、それに次いで友人の娘の結婚披露のシーンとなり、平山が祝辞を述べるくだりとなるのですが、いよいよ自分の愛娘が嫁ぐときになっても、肝心の結婚披露のシーンはワンカットも差し挟まれないというのは、いったいどういうことでしょうか。



娘の結婚に反対であった平山は宴席でニコリともしなかったらしいですが、平山自身がたとえ気の進まない結婚であろうとも、物語の流れとしても娘の結婚披露を描くことが必然とも言いい得る箇所であるにもかかわらず、披露宴の代わりのようにして親父どもの旧制中学の同窓会をえんえんと撮っています。





その同窓会の翌日に竹島へと架かる橋の上で、海風を受け陽光を浴びながら、三上と平山が語るシーンは記憶に残る美しい場面でありますが、こんな美しいカットに最も相応しいはずの? 若い恋人たちの姿は一切出てきません。





ということで、いくら鈍い私であろうともここら辺でどうもおかしいと気付きはじめたわけです。この映画はホームドラマ仕立てとなってはいるけれども、主人公は、節子でも平山家という家族でもない。娘の結婚もエピソードとして描かれているのみで、刺身のツマ程度の問題であって、家族の在り方とか、年頃の娘を持つ親の苦悩や悲哀を描いているわけでもないようです。




ただただ世間の親父の代表として平山という父親が描かれているわけで、父親であるからその家族がたまたま出てくるだけであって、娘の幸せとか家族の在り方とかを描いたごく普通の所謂ホームドラマなどでは決してないのです。





とりあえず映画は、最後に父親と娘夫婦との和解を予想させて終わりますが、面白いのは、そのための伏線として関西の連中が来るからという理由で同窓会を愛知の蒲郡に設定してあることで、相当和解にこだわっていたように思われます。



平山は同窓会が終わると、その足で京都の祇園にある親戚に立ち寄り、そこで山本富士子演ずるところの幸子の口車に乗せられ、娘夫婦の住む広島へと向かうわけですが、頑固親父がそう簡単に広島に出向くわけがないということで、愛知→京都→広島と話しの運びに不自然さがないよう伏線を張っていたわけです。




また、その幸子という綺麗な娘は、母親譲りで口が達者なのですが、それだけでなくとても利発な娘であって、実のところ節子の結婚も彼女の機転の利いた言動があったればこそ可能となったのであって、それは裏を返せば、平山が結婚に反対するのは明確な根拠があってのことではないということが、自明となるわけです。






では、地位も名誉もある強い父親、平山が主人公であるこの映画が語りたかったものは、なんでしょうか。私には、そういった強い父親のエゴを描いてあるのではないかと思えてなりません。



幸子が平山に語ったトリックという言葉がありますが、この映画はしっとりと落ち着いた雰囲気のホームドラマと思いきや、実は羊の皮を被った狼みたいな化け物作品と、この拙文の冒頭で述べたように我々は、まんまと小津のトリックに騙されたようです。




映像的には、ほとんど過激なものはみられないものの、娘の結婚を題材に採りながら親のエゴを描くという、エグさによって小津は本編でも化け物ぶりをいかんなく発揮しているのです。




ということで、映画の冒頭の立派な駅舎は、平山であり、その裏側、つまり心のなかを描くとfilmは、語っているようなのです。











2004年10月02日(土) have a lunch









今度来た新しい上司がさ、いやな女でさ。


いろいろ難くせつけるから、言ってやったのよ。


「じゃ、あたしたちのやってる仕事出来るんですか」って。


そしたら、いけしゃあしゃあとさ


「いいえ。そんなの出来ません」だって。


「上のひとにやらなくてもいいからっていわれてますから」


じゃ、いちいちやいのやいの言うなっていうのよね、まったく。


一日中、ただ座って私たちがなまけないかどうか見張ってるのよ。


見張るってことが、管理だと思ってるただの馬鹿女。
まったくムカツクのよね、あの女。


少しばかり綺麗だと思ってお高くとまっちゃてさ。
ああいう手合いこそ、Hが好きで好きでたまらないって口なのよ。


普段はさ、虫も殺さないてな顔しちゃってさ
絶対そうよ。


朝からさ、やたらご機嫌斜めなときってあるじゃない。
きのうもそうだったけれどさ


ああいうときって、きっと男がしてくれなかったのよ。
そんなんでヒステリックに怒り散らされてもねぇ


まったくこっちはいい迷惑だわ
どうにかして、あの鼻っ柱をへし折ってやれないものかしら。


ずっと黙って麻理の話を聞いていた、映子は、煙草にまた火を点けていった。
「ない事もないわよ」


「え、なによなによ」
「あたしの友達に、というか元彼なんだけれどさ、ナンパ師なんだこれが。あいつに頼んであの女輪姦させちゃおうか」


「ええ! だって、そんなことしたら犯罪じゃん」

「ちゃうちゃう。れっきとした自由恋愛よ。力ずくでやられるわけじゃないもの。強姦じゃなくって和姦だからね」


「そんなにうまくいくの?」


「それは、だいじょうぶ。あいつにかかったらどんな女もイチコロなのよ」


「そんなにカッコいいわけ、ヨンさまみたく?」


「あのね、そういうんじゃないんだなぁ。もうさ、自分から抱いてって言いたくなっちゃうのよ」


「男の色気?」


「そうかもね。そういうのが得意分野なやつもいるのよ、世の中広いんだから」


「そう。面白いことになりそうね。なんかわくわくしちゃう」


「でもさ、あの女がさ、ヒーヒーよがってんの間近でみれたらなぁ、最高なんだけど…」


「そうね、それがだめなら、ビデオに撮っておくって手もあるけど、なんとか見れるように頼んでみるわ」


それから一ヵ月後ほど経たある日。


「麻理、セッティング完了。今夜、決行よ」


遅刻寸前で駆け込んで来た麻理に、映子がウインクしながら、そう告げた。


どういう風の吹き回しか、上機嫌な女上司を見て同僚たちは驚いていたが、そのわけを知っているふたりは頷きあってほくそえんだ。


定時に会社が退けると、映子は麻理を連れて地下鉄に乗り込んだ。


「で、どこに行くの?」と映子。


「以前ね、あたし達がよく利用してたラブホがあるんだけれど、そこって彼の友達が経営してるとこでさ、隠し部屋みたいなのがあるのよ。全面マジックミラーでね、ぜ〜んぶ丸見えなの。よくさ、ラブホにはマジックミラーでお風呂が丸見えになるって仕掛けあんじゃない、あれといっしょ。お客さんに見つかったら捕まるけどさ」



「やだ、じゃ映子たちは見られてんの知っててやってたわけ?」


「んな、アホな。それが設置してあるのはね、一部屋だけなの」


「なるほど。じゃあ、これからその部屋に行くってことね」


「そういうこと」


そのラブホは、渋谷の大きなライブハウスの裏手にあった。


映子は、受付のおばちゃんに挨拶して、鍵を貰い映子と共に部屋に入った。
なかを覗いたとたん麻理は、素っ頓狂な声をあげる。




「すご〜い」




そこはまるで遊園地みたいに楽しい部屋で、プールみたいに大きなジャグジーがあって、それを見下ろしながら、橋を、そう部屋のなかに橋がかかっていて、それを渡ってベッドに行くのだった。ジャクジーには、橋から階段で降りてゆくのではなくジグザグに走る人独りがやっと通れるほどの幅のキャットウォークを使うか、消防所にあるようなポールに掴まって一気に滑り落ちるかするようになっていた。




ベッドは、ドアの位置からは、見上げるほどの高い位置にあって、天蓋付きで全体に白いレースがかかっていて、まるで王宮みたいな優雅さだった。



あそこで、あの女が犯されるのだ。麻理はあの女には勿体ないとさえ思った。
あんな女は、場末の木賃宿みたいなところで充分で、私こそあんなところで愛されたいと思うのだった。



映子に促され、橋を渡ってベッドを覗いてみた。レースをかいくぐって中に入ると、それは、ウォーターベッドのようで、その弾力に満ちた柔らかななんとも言わ
れない有機的な感触に、麻理はうっとりしてしまうのだった。



マジでヤバイ。ここで愛されたい、などと映子は妄想を膨らませる。


すると、映子がしきりに時間を気にし始めた。
「おかしいはね。もう来てもいい筈なのに…」


麻理は、Hな妄想から我に帰って映子に訊ねる。
「何時くらいにくるのかしらね」
すると、映子のケータイに電話がかかってきた。


「うんうん。え! そうなの? わかった」
映子は、困ったような顔をしてケータイを切った。


「ごめん、急に用事ができちゃった」


「ええ? そうなの」


「すぐ戻ってくるからさ、ちょっと待ってて」


「うんいいけど。どうしてたらいいの? あたし」


「あ、ここをね、ほら押すと中に入れるからさ」


そういって、ベッドの頭の方に全面張りとなっているミラーを押した。


それは、ミラーの左端だけを強く押すと少しだけ後ろに後退するのだということだった。


すると、大人ひとりがやっと通れるくらいの隙間があいた。


「また、中から押せば戻るからさ」


「わかった」



映子が出ていってしまったら、麻理はなんか気が抜けてしまった。


いったいひとりで何してんだろうと思った。


ベッドに横になったら、昨夜の夜更かしが祟ったのか急に身体の力が抜けて眠くなってきた。









それから、1時間たっても、2時間たっても、誰も現われなかった。











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