活字中毒のワタシの日記

2007年01月28日(日) 山本 ふみこ『台所で元気になる―したかったのは、「少し」の生活』★★★☆☆

台所で元気になる―したかったのは、「少し」の生活
台所で元気になる―したかったのは、「少し」の生活
山本 ふみこ
大和書房

三十代の初めに二人の子どもを抱えて、母子家庭へ。
勤めていた会社もやめて、フリーに。

新しい人生を始めるにあたり、たちまち貧乏になった著者が決意したこと。

「貧乏になったのなら仕方がない。貧乏を楽しもうじゃないの、と。」(p1)

これは赤毛のアンに出てくるアンの友人、フィリパ・ゴードンの台詞だそうです。

この思いを胸に、著者を鍛えてくれた日々。
著者が学んだこと。

「少ない材料で美味しいものをこしらえること、衣服を直したりリフォームすること、そしてものは少しだけ持ち、それを大事にすること。」(p2)

その「さかさに振っても何も落ちてこない財布」の日々が、彼女がほんとうにしたかった「少し」の暮しに導いてくれた。

そんな「少し」の幸せな暮しをかいま見せてくれる一冊でした。

心に残ったところ。

「なんでもない日々の、ほんとうはなんでもなくない幸せに、おめでとうを言おう。」(p25)

ちょっとした日常のよかったことを、嬉しがり、「おめでとうごはん」をこしらえる。
庭の花が咲いた。
試験が無事終った。
友だちから朗報が届いた。

そんな一つひとつをお祝いする習慣をつけたいな、と思いました。

時間の使い方について悩むというか、うまく使いたいと思っている私へ、参考になるパラグラフがp82-83の「家の仕事は朝のうちに」。
著者はたいてい5時台、遅く手も6時前には起床して早朝のうちに家事を終えてしまうとのこと。
テキパキこなしている人にどうも共通するらしき、この早寝早起きと早朝家事。

「でも、それは慣れだ。昼間は仕事をしなければならないから、家の仕事の五分の四くらいは朝のうちに片づけてしまいたい。そういうと、勤勉風だが、夜は九時以降、家事も仕事もしないで『くつろぎたーい』というのがいちばんの理由かもしれない。」(p83)

あああっ、私も言えるようになりたい。
なります。がんばるぞぅ。
だって、くつろぎたいもの。図書館から借りてきた本に手を伸ばしソファにごろんと横になる。そんな習慣をつけたい。

各家庭の洗濯物の干し方をチェックしてあれこれ想像しては楽しむ、という著者の洗濯物の干し方へのこだわり。私もそれ、わかります。
色とか、下着は内側とか、乾きやすいように、とか全体のバランスとか、考えながら干すのって楽しい。
任せる前に、家族への「干し方検定」を受けてもらうつもりだという著者。

「些細なことだといえば、それにちがいはないが、その些細がいかに暮しを語っていることか。」(p87)

一事が万事。
こういうこともおろそかにしないことが自然、になっていきたい。

片づけと掃除の相違にも言及。

「乱暴な話だが、『掃除』と『片づけ』を土俵に上げて闘わせたら、それは『片づけ』に軍配が上がる。たとえ掃除が行き届かなくても、片づいていた方が家はきれいに見える。」(p100)

なるほど。
確かに。
うちはその昔を思えば、これでもずいぶん片づきました。
だから安心しちゃって何もしない→掃除しないので埃がたまる→片づけたのになぜ?

そっか!
掃除の習慣がついてないから私のうちはスッキリしても(私基準)気持ちよくならないのね。
埃まみれだから。
掃除しないから。

やっと片づけの大切さに気づいて、やっと片づけを実行し始め、掃除の大切さにも気づいてやってみた、ところまでは到達できたようです、私。

あとはそれを維持すること。
(維持の前にまだ片づける場所やら最初の埃の塊をなんとかしなくちゃなところやら、あるのですけれども。)

日々続いていくものだから。
日々、ちょっとの掃除を。

次。洗濯機を持たない友人の話から。

「『みんなもっているから』という考え方、無意識のうちに物を必要だと思うクセこそ、手放さなければいけないのではないかしらね。もしかしたら、それがあるために使っているだけで、なくてもすむ、ない方がいいという物もあるのかもしれない。」(p138)

うちにも、まだまだない方がいいものがいっぱいあります。
そして欲しいなと思っているものの中にも、ない方がいいものもきっと。

著者は免許証も切れたままにし、車を運転する暮しと決別したそうです。

「手放したもの、それは移動の速度が遅くなったことで失った時間。
得たもの、それは速度がゆるやかになったことで、自分の目で見つけたもの。」(p153)

欲張りな私はほんと『モモ』の時間泥棒に時間を搾取されてる人間のように日々暮らしてます。
そうでないとやっていけない部分と、そうではなくてもいい、そうじゃなくてもいい部分を見極めて、自分を豊かにすることにもっと心を砕きたいとこの頃思うようになりました。

ゆったり、のんびり。
少しでも幸せ。
少しだから幸せ。

そんな日々に私もたどりつけますように。

台所で元気になる―したかったのは、「少し」の生活
山本 ふみこ



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2007年01月12日(金) スーザン オニール『居心地のいい簡単生活〈2〉』★★★☆☆

居心地のいい簡単生活〈2〉
居心地のいい簡単生活〈2〉
スーザン オニール Susan O’Neill 大江 康子
文香社

確実に、この本は既読。

なのに、今回もまたふせんをはさみまくり。

なんなんでしょう、この「してやられた感」。
なんなんでしょう、この「目からウロコが!とかさんざん言っておきながら、全然学びも変化も実はなかった自分との対峙による惨敗感」。

というわけで、居心地のいい簡単生活を目指しつつけている、私による、現在心に残ったところ。
(前回よりは減っていると思いたいけど、どうだったかなぁ…)

「人生とは、小さな毎日の積み重ね。だからこそ一日一日を気持ちよく穏やかに過ごすことが、何より大切な生き方だと思うのです。」(p2)

慌ただしい日々の中で、そうした時間を手に入れるための手段として、著者が提唱するのが「簡単生活」。
シンプルな目で物を見て、シンプルな生活をすることで、心地よく暮らす。
心がけるのは、「簡単」を選ぶこと。

「掃除というのは、家の中をもとの状態に戻すこと、それ以上、それ以下でもありません。磨き上げようとか、美しく仕上げようとか気負いすぎると、掃除がとてつもなく手間のかかる労働に思えてくるわけです。」(p60)

簡単にきれいをキープするコツとして、「拭けるものをすぐそばに用意しておく」「汚れたらすぐきれいにする」「物の場所を決めて使ったらそこに戻す」「トイレ掃除はエチケットとして汚したらキレイにするを習慣づける(家族に)」などなど、多数の本を読んできた今となっては、お約束事が紹介されています。

著者の家を訪ねた友人が口にする「ここにくると、ホッとできるわ」「くつろげる家ね」。

う、うらやましい。
なりたいなりたい、そんなおうちに。

して、そのコツは?

「心がけているのは、不必要なものと好きでもないものは置かない、ただそれだけです。」(p69)

「今の生活に本当に必要かどうかを基準にして見てみると、家のあちこちに不必要なものが数えきれないほど潜んでいることがわかったのです。」(p70)

必要なものと好きなものだけ置くことにした著者の家は、見違えるほどすっきりと片づき、掃除もラクになり、好きなものだけに囲まれているからとても落ち着くようになった、と。

ああそうなりたい。
なりつつある途中だと思いたいけれど、道は遠い。
でもあきらめないでいつか、くつろげるおうちで、くつろぐのだ。

物理的な状況だけではなく、時間に追われて落ち着かない、という人へのアドバイス。

「忙しいと思い込んでいる人は、心のゆとりをとり戻すことがまず先決です。時間を無駄に使っている人ならその原因を探り、改善していくことです。」(p81)

「(もしも自分の住まいが一枚の絵になったとしたら、どんなタイトルをつけるだろうか?)」(p104)

それだけは勘弁して下さい、と言いたくなってしまう状態。
まあつけるなら「カオス」とか「雑多」とか。

つけたいタイトルを考えて、それに近づけていく、というのがいいのかもしれない。
さしずめ私なら、何にするだろう。
「ゆっくり読書をしたくなる」「日だまりでお昼寝」「リフレッシュ」そんなところ?

「『もう一度訪ねてみたい』と思われる家に」(p161)

私は友だち付き合いがそんなに得意じゃないのでお友達を呼んでわいわい、でもないのですが、自分自身がそう思える家にしていきたいと思います。
ここに住みたい。
ここが落ち着く。

小さなこどもが「ママがいい!」というように。

自分を見つめ直すためにいい方法として紹介されているのが、「私は〜です」「私は〜が好きです」「私は〜をほしいと思っています」と「私」を主語にした単文を思いつくまま書き出していくというもの。
ひたすら書き続けていくうちに、世間体とか上辺だけの物欲を脱ぎ捨てた「自分らしい自分」に出会えるそうです。

一度やってみようかな。

自分らしい自分に出会わなければ、ほんとうに願っているもの、願っている暮し、欲しいモノもわからないままになってしまうなら、出会わねば。

他にもヒントはいろいろとあり、心理的な側面からのアプローチが興味深い一冊でした。
居心地のいい簡単な生活へのノウハウというより、それにほんとうに向き合いたい人の心得集。

今回こそ頭に、心に焼きつけ、変わりたい。

居心地のいい簡単生活〈2〉



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2007年01月11日(木) 三神 彩子『シンプルに心地よく エコで素敵に暮らす45のストーリー』★★☆☆☆


シンプルに心地よく エコで素敵に暮らす45のストーリー
三神 彩子
近代映画社

内容(「MARC」データベースより)
エコスタイルコーディネーターの著者が企画・運営をするHPは、年間120万ビューを誇る人気サイト。スッキリ暮らしたい女性に支持されている。無理なく始める心地よい暮らし方へのヒントをたっぷり紹介。

とな。
サイトは東京ガス:エコスタイルかな?

自分のスタイルをきちんともちたい、というところに共感しました。

彼女ののめざすのは、こういうのらしいです。

「エコスタイルで自分を振り返り、見つめ直し、自分のなりたい姿に近づいていいくことで、素敵なオーラを身にまとえるといいなぁと思います。具体的にどんな人かと考えてみると、偏見にとらわれず、自信を持ち、見栄や表面的な格好よさではなく、自分自身の哲学やスタイルを持っている人ではないでしょうか。要するにみせかけだけではなく、自分の信念を持つ人。」(p146)

かっこいー!私もそうありたいです。

心に残ったところ。

限りある資源に思いを寄せた際に、自分自身のエネルギーの総量もそうなのではないかと思い至った著者は、次のように感じたとのこと。

「だとすると、やることが多すぎて疲れてしまうから、暮しをなんとかうまくまわすためには、やること全体の量を減らすか、やること一つひとつにかけるエネルギーを減らすかのどちらかしかない!と思ったのです。」(p45)

そこで考えついたのが、自分のエネルギーを省エネしようという考え方。

例えば、階段を使わずエレベーターを使う。電車で席が空いていたら座る。
これはエコではなくてエゴだった、思いついた頃はベクトルがずれていた、とおっしゃっています。
が、限りのある時間を有効に使って家事育児仕事やりたいことなどなどをこなしていくには、工夫やコツが必要なのも確か。

「エコとエゴは紙一重で、背中合わせ。時間がなく忙しくて、時間を大切にしたい、やりたいことがいっぱい!と思っている人こそ、エゴをエコにするともっともっと楽になるというのがエコ酢値あるなのですが。コツは、暮らしのなかで嫌だな、面倒だな、おかしいな、と思っていることから手をつけること。」(p49)

彼女のエコスタイルのキーワードは4つ。

「スマイル」「シンプル」「サティスナブル」「シークレット」

それぞれが、自分のピンとくるやり方を見つけていけばいいのだろうな、と思いました。

「さてどうしよう
困ったときは
『いま大切なこと』で考えましょう」(p111)

「過去に決めたことや根本的な考え方を持ち出しての『そもそも論』も大切ですが、答えを先送りにしている場合ではありません。いま、目の前にある問題はすみやかに片づけなければ。そこでわたしが実践しているのは、できるだけその場で答えを出すこと。あとでやろうと思ってできたことはほとんどないし、判断を遅らせれば遅らせるだけ、問題やややこしくなってしまう気がします。」(p114)

過去にとらわれすぎない、今を大切にする。
ついつい忘れがちになるそういう思いをこそ、大切にしたいです。

そのためには、

「情報の洪水に惑わされず、自分なりのものさしを持つことが必要ではないでしょうか。それが自分をしっかりと持つことになり、自分の信念(スタイル)を持つことにもつながると思うのです。そのためには自分を知ることも必要。」(p117)

といって、頑張りすぎると疲れてしまうから、休みをきちんといれたり、時にはご褒美を用意することも大切だと人参作戦を推奨。
そのご褒美も、できるだけ極上のものを。自然を感じられリラックスできるものならなおいいと。

p190のLOHAかどうかをチェックする19項目、私は12でした。10以上がLOHASな人なんだそうですが、どうなんでしょうね…意識はまだまだだと感じています。
エコよりエゴを優先させてること、多いですから。

「地球にやさしいなんてそもそも人間のエゴ」(p210)

そう、その通り。
地球に優しい車なんかあるわけないし、生きてることは汚すこと。
だから、正しく「少しでも負荷の少ないと思われる」くらいの表記にすればいいのに、と常々考えています。

気づいた人が、一人でも多く、何かを始めていけば(ちょっとの節水でも)子どもたちに残していくものが少しでも悪くないのかも、そうだといいなあ、と思います。

シンプルとエコと素敵な暮しはつながっている、と最近実感できるようになってきたこの頃。
実感から実践へとつなげていきたい。

シンプルに心地よく エコで素敵に暮らす45のストーリー



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2007年01月08日(月) 中山 庸子『なりたい自分になる100の方法―今日からできる』★★★☆☆

なりたい自分になる100の方法―今日からできる
なりたい自分になる100の方法―今日からできる
中山 庸子
幻冬舎

年頭に読むにはよい本かな、と。

なりたい自分になるために、まずは自分を知ること、そしてなりたい自分とはどんな自分なのか、クリアにすることが大事だとこの本を読み思いました。

心に残ったところ。

「『なりたい自分になる』には『自分にとって心地よいこと』を
うまく取り入れた暮らしをすることが何よりの近道。」(p75)

「買い物での出費も体験による出費も、『なりたい自分になるための必要経費である』と胸を張れるよう『しっかり活用』し、自らの熱意をどんどん高めていって下さい。」(p81)

「確かに、物と違って体験は『はっきりした形』では残らないように思います。しかし、実際にはすべての体験が『なりたい自分』をつくるために不可欠な投資であり、あなたの体や心に深くしみ込み、大切な財産となるのです。」(p92)

「先延ばしにすればするほど憂鬱が大きくなる。」(p102)

「『一日の終わりに机を整理する』ことを習慣づけるようにしたのです。
すると、『見つからないものを探す』『なくしたものの言い訳をする』という時間や人間関係のロスがなくなったせいか、とても仕事がスムーズになり、教師としての余裕や自信も出てきたのです。」(p131)

「言い訳をしない」(p143)

「『この道のプロになる』と決意する。」(p150)

「いいと思ったことは、すぐに真似をする」(p163)

「楽しくてためになる『手紙を書く日』を設けよう。」(p187)

「人を楽しませようとあれこれ企画することで、あなたもあなたの部屋も磨かれる。」(p224)

「あなたの頭も冷蔵庫の中も、役に立つ新鮮なもので充実させよう。
そのために、不要なものや賞味期限切れのものを処分しよう。」(p246)

まだまだ頭でわかっているだけで、行動に移していないことがいっぱい。
なりたい自分がどういうものかは、なんとなく見えてきたこの頃。
あとは、ひとつひとつを丁寧に、実行していくこと。

次に読み返す時は、物足りない思いになれるように。

なりたい自分になる100の方法―今日からできる



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2007年01月04日(木) 大平 一枝 森 優子 由井 卯月『家事場のバカぢから』★★★★☆

家事場のバカぢから
家事場のバカぢから
大平 一枝 森 優子 由井 卯月
メディアファクトリー

兼業主婦3人による、家事のやっつけ方、コツ、手の抜き方、考え方指南本。

女手一つで働きながら子どもを育てていた通称「馬子」(馬車馬のように働くことから)の、あまりにも効率よく完璧に家事をこなす母親界の白い虎。

例:帰宅後10分でメインディッシュ完成。夕食後娘のピアノレッスンに二時間つきあう。朝8時までに家事終了。おうちピカピカ。

彼女の出現により、彼女を含めた3人は、家事というものを徹底的に考えた。
失敗や試行錯誤を振り返り、技をあみ出し、開き直り、達観し。
そして、生まれたのがこの本。

で、読んでみまして。

ものすごい面白い!
そしてあるあるとうなづくこと多数。
そして、使える、使いたい技も多数。

私もできるかも?「馬子」さんのようになれるかも、と思えました。

心に残ったところ。

「一日の家事終了時間を決めると家事ストレスは減る。(略)朝だろうが、夜だろうが、家事の後にお茶を飲めるくらいのご褒美時間を残しておくことが肝心である。」(p26)

「ぐったりと疲れがたまりがちな夜はあえて軽い家事を、まだ元気がある朝は重めの家事をするのがミソだ。疲れている夜にわざわざめんどうなことはしない方がいい。体の声には正直になろうじゃないの。」(p26-27)

「ほこりで人は死なないとは言えども、(略)掃除は誰がなんと言おうともしなければならない家事のひとつなのだ。だったらこう考えてはどうか。掃除はデイリーな地鎮祭である、と。」(p33)

トイレに入ったらトイレの神様へご挨拶。
忙しければ、土地と直接つながっているトイレと排水溝だけでもいい、と。
神様に敬意をしめしたんだから、と全部掃除できないから自分はダメだと落ち込まなくてもいい。
この考え方に共感(というか救われる思い)です。

3人の主婦にはそれぞれの考え方があり、「モノは極力置かない。掃除はこまめに」という人もいれば、「モノで埋め尽くし、掃除はガサーッと」という人もいる。
「気がついた時にこまめに」ができればいいけど、私もそれがなかなかできない一人。
そんな私にこんな提案も。

「だったらいっそ”ちょこちょこと汚れを落として清潔感を楽しむ快楽”は捨てて、”たまった汚れを落とす快楽”の方を追求したらどうだろう。」(p41)

私は今思い切り後者を味わってる最中で、見事なBEFORE&AFTER画像を撮れたりするとすごーく嬉しくて達成感もあるのですが、でもやっぱり、前者がいいな…。

私が一番共感しちゃったのは、以下。

収納道具はなかなか置いて嬉しいものが見つからない。ホームセンターのはいまひとつ、雑貨ショップのはよくてもバカ高い。
あれこれさまよったあげく、辿り着くのが、世界に誇るブランド、そうです、あれです、あれ。

無印良品。

「ぎりぎり貧乏くさくない感じ、苦労せず統一感が得られるちょっと無機質でおしゃれな感じは唯一無二だ。あ、ちょっと考えてるな。安易にそこらへんのホームセンターの安いものだけで間に合わせていないこじゃれた人だな、という印象を与える意味では間違いのない一番打者だ。」(p72)

うちにも、じわじわと増えつつある無印良品。
そう、かなりの満足度ではあるのだけど、でもちょっと、と思ってしまうのはなんなんでしょうね。

あともう一歩な感じ。
無印良品を選んだ時点で「ちょこっとこじゃれた人」どまりな雰囲気が漂うというのか。
無印以上はこだわってない人、とそこまでどまりな感じがしてしまうというか。

著者も気に入っているといいつつ、微妙なモデルチェンジが困りもの、と注文をつけています。
やっぱりあの、「無印にやられちゃったな感」(p73)がなんとも、アレなんですよね。

なんだかんだ言っても、私も無印は好きだし、これからもちょこちょこ増えていくと思います。

子育てに関するコツでこれは使える!と思ったのが次。

「もらったその日に、内容をカレンダーと仕事の手帳に書き写し、プリントは捨てる。行事予定はもちろん、当日必要な持ち物も書き込む。(略)
『プリントは捨て去るぞ』という覚悟で読むから、抜けがないよう気合いも入る。(略)
自信を持って捨てる勇気が、忘れ物番長を生まない環境をつくる。」(p79)

冷蔵庫前面なんでも貼りまくり、から今少し改善して横に貼り、直近で必要なモノだけ前面に貼付けることにしました。
貼ってないことも多いし、貼ってある場合は明日明後日のうちにやらなきゃいけないこと!という意識を持てて忘れにくくなりました。

これをさらにすすめるとこの馬子さんのコツまで行きつけるんでしょうね。
私ももっと情報管理をスリム化していきたいです。

料理についてのコツ、吹き出しちゃいました。
「お母さん偏差値」という考え方。
かたや餃子の皮から作る(=偏差値高し)、かたやできあい餃子お買い上げ(偏差値低し)、負けた感が漂う、というあたりにどきーっとしてしまいました。
お母さん偏差値をあげるための食材(干し椎茸や昆布や大豆etc.)を取り入れ、これまた馬子さんのコツを使えばダメ主婦な私も偏差値アップが図れそう!な気になれました。

さらに偏差値をアップする裏技として紹介されている「ちょい栗原」料理。
ハーブ、オリーブオイル、クレージーソルト、バルサミコ酢という横文字関係の調味料をちょっとまぜるだけ。
この辺は私もちょこっとできてるかも?と嬉しく思いましたが「あざとい奴」と書かれちゃってました。

他に取り入れていきたいと思ったのは、「帰宅直後に即入浴のすすめ」(p121)。

この本が伝えたかった一番のメッセージはp122-123の「日々の食事作りはパチンコにたとえられるかもしれない」かな、と思いました。
なかなか入らない「理想的な手作り料理」、たまに入る「たまには外食」「たまには弁当」、一番じゃらじゃら落ちていく穴は「罪悪感を伴う外食、弁当、出前」。
理想に入らぬよう妨げているバーが、「米といでない」「解凍面倒」だとしたら、サトウのご飯でも解凍せずにぶちこむでもいいから、

自分にどって玉の出しやすい台に調整して、毎日どんじゃらいい音鳴らそうじゃないか!」(p123)

これって、自分のものさしを持ち、自分できちんと満足を得、自分で自分を幸せにする大切なコツじゃないかなと。

上を見てもきりがない、下を見てもきりがない。
他人と比べたって落ち込むだけ。他人のいいところで真似したくて真似できそうなことだけ、まずはそこから始めていけばいいのだと思います。

それを続けていけば、いつか私もカリスマ主婦に?

そんな幻想を抱きながら、キリキリイライラしながらではなく、楽しく家事と取っ組み合い寄り切りたいなという気持ちになった一冊でした。

家事場のバカぢから



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2007年01月02日(火) 松瀬 学『日本を想い、イラクを翔けた―ラガー外交官・奥克彦の生涯』★★★★☆

日本を想い、イラクを翔けた―ラガー外交官・奥克彦の生涯
日本を想い、イラクを翔けた―ラガー外交官・奥克彦の生涯
松瀬 学
新潮社

混迷を極めるイラクにて、車での移動中に銃撃を受け亡くなった外交官、奥克彦さんの評伝。

あとがきで著者は、美談にするためだけの記事にしたくなかった、しか集まったのは褒め讃える話ばかり、悪い話は出て来なかった、と書いています。

確かに美談ばかり。

これでは、ほんとうにただの故人をヨイショするだけの本になってしまうと危惧するのもわかるほど、そういったエピソードが続いています。

かなりひねくれものの私ですが、一読して、やはり奥さんの外交官としての手腕、情熱、正義感、人間としての温かさ、大きさは本物だったのだろうと思います。

ラグビーへの情熱。
外交官という目標。
そのための、それぞれの努力も尋常ではない精神力に支えられているよう。

世界のあちこちで広げたネットワークを作り上げた人間としての魅力。

外交官としてNGOをサポートし、現地の人の笑顔のために、身を粉にして働く。
テロリストの目標リストに載せられ、イラクに戻るなと言われても現場に戻ってきた彼。
「捨て石」であることをいとわず、誇りに思いつつも、国に雇われ給料をもらっているのだから当たり前だと言える謙虚さ。

この謙虚さを物語るエピソードが、川口外相の「川口賞」辞退。
死後、再び与えられたこの賞を授与され、外相が弔辞でこう言ったそうです。

「あらためて川口賞を贈ります。今回はどうか受け取ってください」(p205)

アメリカのようにチームではなく、個人を『撃墜王』にして対応する日本。
このシステムを変えていいかなければならないことにも、読むと気づきます。

彼の死を無駄にしてはならない。

心からそう思います。
日本のために、困っている人たちのために、子どもたちの笑顔のために、リスクを認識した上で踏みとどまった奥さん。

そのために平和な日本で暮らす自分は何ができるのか。

考えていかなくてはと思いました。

惜しい人をなくした、とはこういうケースを言うのだな、とも。


ご冥福をお祈りいたします。

日本を想い、イラクを翔けた―ラガー外交官・奥克彦の生涯



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