刑法奇行
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2003年10月24日(金) 那覇那覇那覇

 犯罪社会学会が沖縄国際大学で開催され、3泊4日で首里にある日航那覇グランドキャッスルホテルを拠点として、学会兼観光を敢行した。

 とにかく暑かったのである。27度から30度である。8月だったらどういうことになるのか。

 沖縄料理は2日間毎晩食べて満喫した。国際通りの「ふーたん」というお店である。首里城の中に、歴代の琉球王の肖像画があり、N村先生そのものの顔があったのには驚いた。

 ひめゆり平和祈念館は運悪く休みだったが、祈念公園の海岸沿いに修学旅行の女子高生の集団がいて、そりゃまー大騒ぎ状態である。N村先生が、「この人早稲田の先生だよ」と言ったら、「広末の代わりに入れて下さい」ときたのである。ついでに、我々の写真を撮ってもらったのだが、あんな超ミニスカートでいいのだろうか。平和であることの意識すらないことこそ平和なのであろうか。
 ひめゆりの塔は沈黙を強いられる。証言を読んで泣いている女子学生もいた。歴史の重みがドッと押し寄せてきて、言葉にならない。当事者にしか分からないかもしれない。しかし、その当事者から発信し、それを普遍化することが必要だろう。
 岩波新書の新刊『当事者主権』を早速読んでいる。社会変革ができるのは当事者である。机上の空論にうつつを抜かし、手を汚さない我々の存在に何か意味あんのかいな。強烈なSelbstkritikが必要かもね。

 まあ、いろいろあったけど、例によって、N村・H井両先生と私のお笑い3人組に加えて、Y野さん、S谷君との楽しい旅、否、学会であった。

ジャーニー to また行こう
 


2003年10月15日(水) 宣伝マンと電線マン

日本学術振興会科学研究費補助金:学術公開研究会
「修復的司法を考える:調査・実践を通して見えてきたもの」

はじめに:修復的司法が日本で話題になるようになって漸く10年経つ。しかし,地に着いた,十分な議論はなされておらず,実践例も少ない。本イベントの基礎となる研究は,日本におけるこの方面での研究に関する初めての実証的成果である。今回,実践家,犯罪被害者,研究者が参集し,修復的司法の的確な理解を求めて,慎重かつ大胆に議論を深めてゆきたいと願っている

第1日 平成15年11月8日(土) 13:00〜17:30
場所:東洋大学白山校舎1号館2階1204番教室
1.修復的司法についての考え方について,日本とオーストラリアの市民を対象として行なった質問紙調査の結果についての比較分析を行なう
  オーストラリアから P. グラボスキー博士、及びH. ストラング博士が,日本側は辰野文理氏,津富宏氏などが参加します。
2.日本の受刑者及び司法実務家の調査結果についての報告を行なう

第2日 平成15年11月9日(日) 13:00〜18:30 (終了後,懇親会を予定しています)
場所:東洋大学白山校舎2号館16階スカイホール
1. 講演: 「償いか,それとも復讐か(仮題)」 修復的司法の実験的プロジェクトの結果概説,および被害者支援と修復的司法との関連などについて
  講演者;へザー・ストラング博士(Dr. Heather Strang オーストラリア国立大学における修復的司法の研究者であり,それ以前は被害者支援運動に従事)    ※通訳付き
2. パネル・ディスカッション:修復的営みの萌芽
司会: 辰野文理氏(国士舘大学),樫村志郎氏(神戸大学)
オリエンテーション: 高橋則夫氏(早稲田大学)
通訳コミュニケート団: 宮澤節生氏(大宮法科大学院),坂上香(映像作家)山本英政氏(獨協大学)
第1部 被害者・加害者の対話の実践と課題
話題提供者:井垣康弘氏(家庭裁判所)、小長井賀與氏(保護観察所)、
山田由紀子氏(弁護士),片山徒有氏
第2部  矯正における被害者の視点
話題提供者:指宿照久氏(少年院)、浜井浩一氏(龍谷大)、飯島京子氏
※ 参加費無料。第1日、第2日ともどなたでも参加いただけます。
主催:【新しい紛争処理形態についての実証的研究】研究会
※本研究は,平成12年度〜15年度 科学研究費補助金(代表:細井洋子)による
※報告の一部には平成12年度〜14年度の科学研究費補助金(代表:西村春夫)による「被害者・家族等の参加による少年の再非行防止に関する実証的研究」の結果が使われています。
お問い合わせ:東京都文京区白山5−28−20 東洋大学社会学部
Tel & Fax 03−3945−7439(社会学部事務室),03−3945−7455(細井研究室)
交通:JR水道橋あるいは巣鴨から,地下鉄都営三田線白山下車,徒歩5分
   JR四谷あるいは駒込から,地下鉄南北線本駒込下車,徒歩5分


2003年10月07日(火) モラとリアム

 法研M入試験には参った。刑法は結局ゼロである。LSの効果が出たのであろうか。そもそも、研究者養成と法曹養成と2分化したことの問題性もある。当時の私のように、何となく学派、とりあえず学派の学生はどうすればいいのだろうか。所詮、目的的行為論は駄目なのである。あるいは、モラトリアムの学生がいなくなったのであろうか(小此木さんも亡くなったし・・・)。あるいは、とりあえず、ロースクールということか。

 まあ、いずれにせよ、改革しなければと思うのだが、法研はやはり、とりあえず学派で良いと思う。そこから誰が出てくるか分からないのが、興味津々である。

 柴田翔の「人生に執行猶予はない」という虚しい叫びを思い出すが、一生執行猶予でいるのが人間ではなかろうか、と思うのである。

 2万5千円もする『吉本隆明全詩集』を衝動的に、激情的に、情動的に買ってしまった。さっそく、「とほくまでいくんだ」という箇所を探して、ニヤッと微笑んだ。高校時代のH川君が好きだった詩である。彼が見せてくれた詩に「我々は遠くから来て、遠くまで行くんだ」というのがあったが、あれは吉本だったのか、あるいは、別の人だったのか、ずーと気になって今日に至っている。彼はクラス会にも来ないし・・・、高校の先生になっているのだが、生徒に吉本を教えているのであろうか。おそらく、そうではないだろう。きっと、悔しい思いをしているのだろう。

ジャーニー to 思えば遠くに来たもんだ

 


norio

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