太陽の国(墺西) |
「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・・・・なんやねん!来て早々不機嫌な顔すんなやー」 「・・・別に、不機嫌な訳では・・」 そう言いながらもふぅ、と息を吐く。額から汗が流れて頬を伝っていくのがとても不快だった。 外よりはマシだけれど家の中までもやはりスペインは暑かった。慣れない気候にオーストリアは少しぐったりしてしまう。 ソファに凭れかかり目を閉じていると左側が沈む気配がして視線を軽く向けるとスペインが座って口を尖らせていた。 「わざわざ人んちに来てだらけるなやー」 「あなたの家が暑すぎるのが悪いんでしょう」 そう言うとスペインからは「えー」と抗議の声が上がるが、無視してオーストリアはだらけることを止めない。 と、急に左側の気配が動いたのでオーストリアは目を見張って立ち上がったスペインを見上げる。 「ほなめーっちゃ美味い紅茶淹れたるから!そしたらしゃんとしてやー。なっ?」 満面の笑みでそう言われては、頷くしかないじゃないか。オーストリアは苦笑を浮かべる。 「美味しくないと許しませんよ」 「任せときぃー」 パタパタとスペインはキッチンの方へ走って行く。
美味しくなかったとしても、好意に免じて美味しいと言ってあげようか。と考えてオーストリアは少し微笑む。
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2008年04月27日(日)
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