あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年08月26日(金) 陽の出前




朝がすこしずつつもってゆくのが見えた。
青い屋根のうえに、きずみたいな薄さで、はらはらと。


もうどこにもいない人なのがわかった。
それはもう、既にきのうの夜の電光掲示板のオレンジ色にさとってしまった現実でも、陽だまりのようにおだやかにわたしは泣いた。


せつないのは難しい。
恋でも、映画でも、色でも、生き様でも。


進化しないものに心を向けても、意味なんかないのだと思った。
自分の中の目盛りがすこしずつ減っていくのを、悟ってしまったサンタクロースの不在みたいに、悲しみはしない。


融通の利かない心に業を煮やして意に沿わぬことをしようとする。
よく、わからないテンションの流れに流されようとするのに、沿わぬ心がぎくしゃくする。とても、ぎくしゃくする。


ゆめみている。
そのことだけはもう誰にも語らない。


かさぶたの下に新しい皮膚なんて無い。
それだからわたしは、結局は何度も裂けてひきつれていく醜い傷痕にわざわざ爪を立てて掘り返しはしない。


とても濃い闇だった。
あのひとをここへ、ひきずりおろすのをわたしがおなじように堕ちてしまうのを逡巡はとても、長かった。ふゆのひだった


左手の、薬指のさかむけが気になる。
強く引きちぎりたいのをこらえている。


結局ここには、さびしいといわないひとばかり









そういうこと。





↑あこがれのように

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2005年08月21日(日) まっくろ な





だめだとことんローテンションだ。
こんなことなら献血でもしてくるんだった。
世のため人のために何の役にも立ってない、って人間じゃない僕は。と思ってる僕はね。(だってそういうとこで卑下したって意味無いしさ
でも今日一本でもイイから煙草吸うんだった。とか、
考えてる。
真っ黒だな僕。

なんで、
こんなにしあわせじゃないんだろう。
なんでちょっとしたことでこんなにブルーなんだろう。
(たとえば煙草入れを家に置き忘れたこととか図書館で思うように話せなかったこととか傘がないこととかヨーヨーがうまくできないこととか明日から雨が続くってこととか電話が通じないこととか会えないこととかくるしい、
くるしい恋のこととか。
全部ちょっとしたことだ。

あー、でもなんか書いたらちょっとすっきりした。
明日サボタージュしてやろうかな。
うにゃ。
だめだ、こういう時まっすぐなのは視線だけでいいんだ。
なのになんでこういう気持ちはすぐ涙腺に直結なんだろう。
目ェ痛ー。







↑明日のこととか。それくらいの未来

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2005年08月20日(土) ふたたびの夏




やっぱり
だめだなぁ、夏は。
欲望がきつくなって、何かが心臓を圧迫する。


―――馬鹿げている。
なんて、
正直に言えるはずもなくて。
だけど心の中でずっと、安らがない祈りのように
叫んでいる。


息を、
できなくて
どこまで行ってもここは暗くて。
あのひとがいないのはわかっていても何度も何度もあのひとを探す、
なんで



夢を見たんだって素直に思えない














↑欲しいのはそういうのじゃなくて、

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2005年08月19日(金) そういうときだけ売り物になる僕の性別





それは夢を見るまでが長かったからか。
悲しませたくない、って思うのは簡単なのに、結局僕のモラルが僕を裏切る。
したたかさは
わかってる僕の敵だ。
深く、酔ってしまって戯言みたいにキスを求めた。
合意の上なら
何をシタってかまわないでしょう?













↑自業自得、ってそういうこと

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2005年08月13日(土) だいじょうぶ




・・・うん、大丈夫。
PCの横に置いた水をひとくち、口に含んで思う。
音楽ってなんだかダイレクトだ。
いろんなことがうわーって来る。
少しレトロな歌い方のCDをふにゃーって聞いて。
ちょっと、元気に。
なったとか。
ふふ。


あ、しまったおとつい買ってきたチーズ食べるの忘れた。
アルコホルはたまにならイイ。
ビールは苦手だけど。あのチーズには合いそう。
最近ワインが苦手になりつつあります。
こないだ飲んだキール・ロワイヤルが美味しかった。


そして水を、ひとくち。
(いやホントに水やし。いいかげんぬるい。)
そろそろ眠らなきゃ。
人のことを話して頬を染めるなんて何年ぶりだろうって思った。
そんな午後。
今日もいい日だったよ。うん。
あぁなんか、そうやって誤魔化して誤魔化して、生きていってもイイと思う







↑でも要らなかった。

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いや、今日は楽しかったんですよホントに。
ちゃんとね。



2005年08月12日(金) この世界1枚分の





さようなら、

言うのを少しだけ遅らせようと思った。
とりあえず目を瞑って膝をかかえた。
額がずんと重く、痛んで、
明日になれば少しは生きていられるのかと思った。
考えるのは明日、明日、明日のことだけ。
それでも今日がここにあって僕は明日の夢を見てほろ苦く笑う。

さようなら、

後回しにした言葉と未来が重い、
どこまでも根気よく、この絡まった祈りをほぐしていけるんだろうかと僕は、
のろりと濁った目を虚空に向ける











↑明日は、この世界1枚分の遠く。

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2005年08月08日(月) 初に言があった



おはよう、
目を覚ましたとき日曜日なんだと思った。
あんまり朝日が眩しくて部屋がキラキラしてたから。
間違えた、と思ってもう一度、少しだけうとうとした。
何が「間違えた」なんだか。
夏休み取ろうかな、と一瞬思う。
ホントに少しだけ(だから許して)画策する。
だけど異国に行きたい僕は今は我慢しよう、と思って
一日くらいなら何とかなるかな、と考えるくらいにする。

頑張る、のはつらい。
素敵な人間を気取るのも。
「つらい」とかじゃなくて「疲れる」だけなのかもしれない。
でもどきどきするのが収まらない。
あの人のそばに行きたい。
そういうの、考えていいのかがわからなくていっそうクラクラする。
これが恋でもいいと思う。
同時に実らなくてもいいと思う。
ヒトを愛しいと思うのはつらい。
だから絶対に言葉にしない。行動にもしない。
現にここに書いてるだけでも相当ヤバイ、と思ってる。
言葉にするそのときから、
僕の心は形になる。
言葉のとおりに。
「最初に言葉があった」





↑これが、間違いというもの

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「万物のうち、言葉によらず成ったものは何ひとつ無かった」



2005年08月05日(金) だから僕は嵐と呼んで




いつの間にか夏が来ていた。
肌を焼く強い光。気管の内側まで火照らせてゆく熱い空気。
時計がまだ少し前を指しているような朝。

クーラーが冷たくて、丸くなって膝を抱いた。
明日がもう少し遠かったらいいのに
笑わない。
どこか遠くで打ち上げ花火の音。
独りでは結局何ひとつ満足にやらない欠陥人間の僕は、同じように壊れた人を愛しました。
けれど。

夕立の音。遠雷。
鮮明なのはあの日の痛みだけ。
空に、手を伸ばして笑う僕と目を見交わすことのないヒトの背中。
何がこんなに、重いんだろ。
 アイシテル愛してるアイシテイル
目を瞑るたび自分の声が響く。
欲しいものなんて結局は、その場しのぎの戯れのような願い事。
心の底から欲しいものはひとつだけ。
そういう、絶望。
あんまりたくさんありすぎて、笑うよりももう、目を伏せて食い止めるだけ。
本当はそういうの、バカバカシイって言うんでしょ?



ここにいてよ、ねぇ。
死ぬまでずっと。
僕のためだけにここにいて。
ここから離れないで、僕がいなくなっても、僕が遠くへ行っても、ここにずっといて。
そういう従順さだったらアイせるから。
ね。
アイシテル。







↑うろたえない

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