言葉のサラダ
黄と藍



 手を引く

あなたの手を引き歩きたい
あなたの手を握って

いっしょに歩き続けたい
あなたの歩幅に合わせて

握る手は一番の信頼で繋がり
離したくない
離さない
私たちはずっといっしょ

あなたの手を引き
あなたといっしょに
あなたとずっと
手を繋ぎたい

時に私が引き
時にあなたも引く

2010年02月05日(金)



 わたしのキス

あたたかいその唇
やわらかくキスを

滑らかな肌に
舐めるようなキスを

あなたからの目覚めのキス
わたしからの祝福のキス

2010年02月04日(木)



 まさか貴女は

おお
貴女は
まさか
貴女は
大嫌いな私ではありませんか?

そうです、あの時の
やる気も根性もすべて病気のせいにしていた、最低の
貴女ですよね、間違いありません

あれから、どうでしたか?
お変わりなく過ごされていたのでしょうか

実は自分暦を書いていましてね
ふふっ
それで貴女のことを思い出したのです
貴女を探して、見つけられて、
なんだか私も照れくさくなってしまいます
青臭いですよね、あんなにいっしょにいたのに
ずっとたぶん歌を歌ったりしたとき心の片隅に、確か、
貴女はいつも佇んでいました、とても静かに

なぜだったのでしょうね
居たのに、見えなかった、おそらくそうなのでしょう
見えないものは見ないようにしているもの
そんな話を聞いたことがあります
貴女を忘れていたい気持ちもどこかあったかもしれません
ごめんなさい、貴女はずっと夢の中で忘れないでと訴えかけていたのに
耳を貸す余裕がなかったんでしょうね

でも、今は
今は違います、違いますよ、変わりましたよ
私は貴女を見つけました、確かに居た、私の心の中の貴女を
なんだか、初めてお話する気がします
私もどこかちゃんと目を見ていなかったのでしょう
そして貴女も顔を上げようとしていなかったか、私の目は見ていなかったでしょう

貴女が私の目を見て、私もその視線に応えられる
これは、なんてすばらしいことなのでしょう
美しいです
私達は、美しいです、美しくなったのです
繋がった、貴女と私が初めて相互に、向き合えて過ごせることが
こんな日が来ることを願っていました

貴女はきっと想像もしていなかったでしょうね
私は貴女を見ようとしていなかった
貴女も顔を上げず、臥せって自分の世界に浸っていた
深く……とても深すぎる穴の中で眠っていたのかもしれませんね

私も外の世界にいるという実感があまりなく、
或いは裸で外に出ていたような、現実にはいなかった、そんな妙な感覚が続いていました
貴女は中に閉じこもり、私は外に開いていると誤解し、まだ貴女と心は同じだったのです
やはり妙な感覚に気付いてしまったときから、私は貴女のことを考えなくてはならないのだろうと
そうするべきなのだろうと思っていました
しかし、遠くに佇んでいる貴女を見えなかったことにし続けてきました

貴女は私です。貴女は私の大嫌いだった、私です。
そして今も貴女は私です。
私が貴女になったのだから、貴女も私になったのです。

お話できてよかったです。嬉しかったです。
なんだかじ〜んとしちゃいました。

私はいつか貴女をその深すぎる穴の中から救い出そうと思っていたのですよ
貴女は私以外の、例えば父や母や、祖母や……誰か身近な人を待っていたでしょう
分かります。貴女は私を知らなかった。
貴女は私がどれほど成長できるか、知らなかったのです。

そして今、貴女の手を握って、貴女の世界は私の仲間たちが解体していっています。
ちょっと大掛かりな作業になってびっくりさせたかもしれませんが

明るいでしょう?
貴女は暗い穴の底だった
光は見えなかったことでしょう

大丈夫です。
貴女は今現実に居ます
いつまでも夢で訴えかけなくても、私も貴女が分かります

では、そろそろ次の用事を見つけたので行きます
大丈夫です、貴女もいっしょです
貴女もいっしょに私についてきてください
貴女を私の仲間たちに紹介するのですよ
貴女の世界を解体した、私の、そして貴女の仲間たちです
たくさんいるでしょう?
大丈夫、皆、優しい方たちですから
貴女を傷つけようとする輩は一人もいません

ほら、泣かないで
私の手を取って一歩ずつ歩いてイキマショウ

2010年02月02日(火)
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