言葉のサラダ
黄と藍



 殺意をおぼえて

だんだん きたなく なってゆく
あたしを 殺して 下さいな

舐めまわしたいほど 美しいと いう
きみの 手で 殺して 下さいな

朝が まぶしい なんて 感じたくない
終わりを さみしく 思いたくない

忘れていい あたしのことなど
殺していい 君の恋慕など



2007年01月30日(火)



 ぶつかり愛


いっしょにいて
ものすごく楽しかったり
ただひたすら寂しくなったり
辛くなって泣いたり
くすぐたくてって笑ったり

こんな気持ちになるのは
お互いが真剣だからで
決してアイショウが悪いわけじゃないんだってば





2007年01月27日(土)



 前髪


何も見えなくていい
誰の目線とも合わせたくない
前髪で視界を遮断して
この世界からの孤立を目指す



2007年01月26日(金)



 あの音

カギが好きだった
束がぶつかり合う
チャラチャラとした金属音が
たまらなく好きだった

その音を立てる父が好きだった
母に殴られ詰られ飯を奪われ
それを救ってくれるのは
父の足音と鍵の音だった

あの時は知らなかった
あんな父でも大好きだった
あんなことをされても好きだった
でも今は

カギが好きだった
束のぶつかり合う
ちゃらちゃらとした金属音が
あたしを救ってくれると思い込んでいた

2007年01月25日(木)



 固まる空


人差し指いっぽんで壊せる世界
ゆがんだ空間と星々

やわらかく揺れる君は
永遠に壊れないのかもしれない

2007年01月22日(月)



 嘔吐


眠れない
夜は
君のことを
想って

死ねない
朝は
僕のことを
想って




2007年01月15日(月)



 僕の存在位置


僕というものは
僕というものだけで存在できない

おっきな塊の中の
真ん中にある臓器みたいなのが僕で
そこには僕自身でさえ到達できない

筋肉や骨がたくさんそれを囲んでいて
ばらすと僕は死んでしまう

僕というものは
僕というものだけでは存在できない

2007年01月14日(日)



 アモバン

三週間が経とうとして
やっと水も飲めるようになったのに
君とのキスがこんなにも辛いなんて

医者は残酷だ
なんて言えばいいんだよ


2007年01月08日(月)



 生きるってまるで絞首刑って


息をして
やっぱりやめよう

歩きながら
やっぱりやめよう

上りながら
やっぱりやめよう

泣いていた
途方もなく
歩いて
死刑の階段を
一段一段
上って

抵抗を諦めて?
呼吸を止めて?
反省を始めて?

笑っていた
涙が口へ流れ込む
上って
僕がいくら上りたくなくても
足は上って

涙を舐めて?
頭を撫でて?
僕を殺して?

上りつくした先 に
夢 なんか ない
ただ 寂しいだけで
希望 なんて 見えない

自然に出来た はず なんだ
今までなら 確かに
お願い だから

2007年01月03日(水)



 鋭い爪は隠して

いつから
君になりたいと思っていたか
なんて話
もうどうでもいいよね

鋭い爪を持っていた君に
切り裂かれたかった

2007年01月02日(火)
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