言葉のサラダ
黄と藍



 不眠症の見上げた月


ふと運転中
見上げた夜空に浮かぶもの
気球じゃなくて三日月

忘れてた存在
ずっと見えなかったわけじゃないのにね

三日月は
右へ行ったり
左へ行ったり

余所見運転絶好調
もうじき事故死?

2006年10月26日(木)



 めがね

だんだん
きみが
いとおしく
おもえるように
どりょく
するよ

2006年10月25日(水)



 乱雑置き場


男に跨って
何を誇っているの

+++++

部屋のカギを共有し
君と僕の世界の出来上がり

+++++

祈って
あたしが死なないように
ツクバから祈りつづけてよ

+++++

初めてが好きな君は
また初めてを探してる

+++++

秒針に神経を乗せて
遠く君の住むイギリスまで連れて行っておくれ

+++++

混乱を喜びと呼び
凶器を褒美ど受け取る

+++++

消えていった本は
本当は自分で葬っていたんじゃなくて?

2006年10月24日(火)



 大切なもの


大切なものを忘れても
忘れたということしか
思い出せない

大切なものを失っても
失ったということしか
認識できない

こんなんで生きてて
誰が許してくれるんだろう

こんなんで生きてても
誰も干渉してこないのかな

2006年10月20日(金)



 好物


ジャックが消えたら
あたしのハロウィンもおしまい

2006年10月16日(月)



 ねーねー耳をかして


危うさから守るため
彼はあたしと付き合って
その刺激が途切れたら
あたしたちっておしまい?

ちょっと刺激が欲しくって
彼のバイクに跨って
その安全を確信したら
あたしたちっておしまい?

2006年10月13日(金)



 ぽつり

一人孤独に慣れた頃
夕日は一層明るくて
その下を歩くあたしのブーツは
音を立てながら光を吸い込むのです

2006年10月12日(木)



 底辺


破りちぎった唇の皮は
鉄の味というか
生臭い魚のにおいというか
なんとも言えず不快

目を瞑れば暗闇と言ったのは誰だったか
まぶたが光ってれば闇などない

零れきった涙は乾いて
皮膚を痺れさせ床を汚す

底辺に達した感情は
上昇を望んでいます

2006年10月11日(水)



 

穴が
ひとつ
ふたつ
みっつ
よっつ

どんどん増えて
塞がらない

ひとつめは
悲しみ

ふたつめは
苦しみ

みっつめは
嘆き

よっつめは
憎しみ

穴が
増えていく

塞がらない穴が


2006年10月09日(月)



 罰の快楽


血の匂いを嗅ぐだけで
あたしは罰を受けてる気がする


2006年10月08日(日)



 消したつもり

たとえ今
目の前に散らばる髪を払っても
決してなくなったことにはならない


2006年10月06日(金)



 戒めの傷あと


戒めの傷あと
喋ってしまったことを後悔して

戒めの傷あと
そっとナイフでなぞるだけ

戒めの傷あと
だれにもばれぬよう願う矛盾

2006年10月05日(木)



 物忘れ


記憶が定着しない
どこに置いてきたんだか

言われて
知っていると思い出す

考え過ぎなんだって
深呼吸しよー

なんだかんだで
だるだるです

2006年10月04日(水)
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