言葉のサラダ
黄と藍



 小指を切った


たまねぎと一緒にちょっと削いだ小指
ムキにならなければよかったと後悔
その傷をバンソウコウで覆い過ごす一日
結局邪魔で剥がしたけど
望みどおりには行かなかった

この傷を見ながら思い出す友達のクセ
あたしもそのクセを共有するのだろうか

小指が邪魔だ
こんな、おまけみたいなちっぽけな存在はいらない
満足に仕事をこなせない情けない指
曾祖母から遺伝してしまった曲がった指


この傷を見ながら怖い事を考えた
でもその怖い事は実行したくない
想像するだけで十分だから
だれにも教えないつもり

トイレに座って
小指の傷を見ながら思うこと多々
でも治るまで見ない事にした

2004年11月30日(火)



 シロ


君を夜中に思い出した
それで
会いたくなったんだ


君を忘れてしまいそうだ
普通と違う君


もっと思い出そうとした
だけど
何かが邪魔をする


君に触れたい
ネットでふと見かけたから
探してもいいだろうか

2004年11月29日(月)



 言葉がうまくしゃべれない


言葉がうまくしゃべれない
出てこようとする言葉を
誰かが喉元で止めるんだ

言葉がうまくしゃべれない
これは私自身の意思じゃない
喉元へ流れる言葉を何かが掴んで止めるんだ

言葉がうまくしゃべれない
だけど結構気付かれない
喉が締め付けられて痛い

言葉がうまくしゃべれない
代わりに文字を打とう
そうして気持ちを残そう

2004年11月28日(日)



 前髪を切らない


前髪を切りたくないのは
あなたの顔を見たくないから

だから根暗に見えようが構わない
足元さえ見えればいい

2004年11月27日(土)



 逃走

逃げなくちゃ
立ち向かっちゃいけない

逃げなくちゃ
対面したらやられる

逃げなくちゃ
あたしは追われる人だから



2004年11月26日(金)



 目の責任


不調を起こすのはいつも右目から
でも右目が悪いわけじゃない

そして右目の代わりに働く左目
でも左目が偉いわけじゃない

放って置くといつのまにか
両目がおかしくなっている

そして闇の中を当惑する私
でも私が何も出来ないわけじゃない

2004年11月25日(木)



 サービスです


サービスです
こちらを差し上げます

サービスです
先に待っていましょう

サービスです
どこまでもついて行きます

サービスです
お荷物をお持ちしましょう

サービスです
すぐさま対応させて頂きます

サービスです
お話なら際限なく聞かせて頂きます

サービスです
貴方様が眠りにつくまでお傍に居ましょう

サービスです
なにもかも貴方様の為に

2004年11月24日(水)



 道がふたつ


ひとつ花咲く野道
しゃがんで花の冠
撫でる子犬の背中

ひとつ砂利蹴る道
転んで擦り傷一丁
乾いた子犬の死体

どちらへ進む
どちらを望む


目先の道ふたつ
道の先は知れず
選択者は己のみ

擦り寄る子犬がいるなら
ただ黙って撫でればいい


2004年11月23日(火)



 あたしもだめなのに


あたしもだめなのに
頼ってきたってどうしろっていうんだか

あたしはだめだから
何もしてあげられない
うっかり傷つけちゃうと思う

いらいらしてる
こんなとき普通は距離を置くんだけど
頼ってくる人をどうやって跳ね除けるんだろう

2004年11月22日(月)



 あたしは…


何をやっていいのかわからない。
投げやりだなぁと思ってたら、
むしろ自暴自棄が適語な気がしてきた。
下る下る自転車で。
坂道をハイスピードで、荷物ガタガタ。
横から飛び出すトラックや、
前を歩くおじいさん、
走り回るガキンチョ。
知らない知らない轢いてしまえ。
ああ駄目だなぁ。
正確に自分自身を分析しないと。
このまま流れに任せてちゃいけない。
模試だって、三十分も寝るなんてなめてる。
死んでしまえって聞こえてくる。
無視無視。

ものまねをしてはいけないって誰が決めた?
良心が止めるのか?
真似される側が不快になるだけ?

ねぇいいよね。
あたしがしたいように生きても。

2004年11月21日(日)



 激痛


信頼って向かい矢印
信じるってのは方っぽしか向いてない

だとしたら
愛ってのは向かい矢印で
恋は方っぽしか向いてないはず


物事は全て
信じるってことで始まる
どんな人だってなにかを信じてる
そして、信じてたものが矢印を反してくれると
やっと向かい矢印になるから信頼に変わる

だからさ
まずは信じなくちゃいけないと思う
信じないと信じてもらえないと思う
甘いかな

結局人は信じたいものを信じ
信じたくないものを信じない
信じてるものは信じたいもの
信じたくないから、信じないのだ



2004年11月20日(土)



 だめだと思う。


今の状態はまずいよ。
楽しければいいなんてはずがない。
早く止まらないかな。

決めなくちゃいけない。
決めなくちゃいけない。

あたしがこうして迷ったり
困ったりして見せるのは
だめだと思う。

2004年11月19日(金)



 摸倣犯


あの詩人が見上げた空が
こんな曇ってるはずなんてない

あんな純粋な人が感じたことを
同じように感じようなんて死ねばいい

人柄が違いすぎる
みんなだまされすぎだって

生きるのが苦しいとか
死ぬのが恐ろしいとか
考えなくっていいのに

どうして、どうして

じゃああたしは明かりを消そう

2004年11月18日(木)



 クリップ


クリップをたくさん買った
いろいろ留められるこいつはすごい

課題が五個も溜っちゃった
パチリ

あいつは今頃だれかに夢中なのだろうか
パチリ

お菓子が食べたい
パチリ

なんだっけ、このにおい
パチリ

こうしてたくさん留める
落っこちたり
勝手にバラけたりしないように

パチリ
 パチリ

2004年11月17日(水)



 ケチャップにトマトを混ぜる


ケチャップにトマトを混ぜる
ぐるぐる混ぜる
とりあえず混ぜる

でも混ぜる人も知っている
絶対に混ざらない
そこまでバカじゃない

でも混ぜる
舐めたって味も変わらない
でも混ぜる
色も変わらない
でも混ぜる

気持ち悪くなってくる
でも

そうしているうちに何か大切な事を忘れていける気がした

2004年11月16日(火)



 下らない


数学IAの問題集を買った。
今日は二時間ほど解いてた。
明日は数学の授業がある。
宿題は学校のロッカーの中だから出来ず。
処々後悔した一日だった。

思うようなメールが出来なくて後悔。
話が逸れて楽しくなくなってた。
底に溜まった「層」のあるボトルを
振り回してはまた「層」が出来るのを見てた。
それくらい退屈だった…?
本を読んでた。
三冊読み終える事が出来た。
その本は返却日を三日過ぎてた。

やめようと思うことがいっぱいある。
やりたいこともある。
とりあえず本を読んだ。
本を読めばやめることが出来る気がした。
三冊も読めたんだから、
やれることまで増えた気がした。
本をいっぱい読もうと思う。

「寂しい」と呟いてみた。
同時に頭の中で
「楽しい」と反復された。
寂しいと楽しいは似てないものだ。
だけどいまは同じものなのかもしれない。
下らない考えだ。

友達の夢を否定した、友達の両親の考えも同じだと思った。
同じように、下らないと思った。
結局親は子を所有物だと思ってるのかもしれない。
だから思い通りに行かないと殴るのだ、と。
夢を託すのは間違ってる。
期待するのは、やっぱり下らないんじゃないだろうか。

2004年11月15日(月)



 優柔不断に


退屈なとき
楽しい事は待ってたらいけない
自分で作ればいい

凹んだとき
元気にするのは自分の力
アクション起こせばいいじゃない

そうだから、

迷ったときは動く
後悔しても
何かしないで後悔するのと
何かして後悔するのじゃ違う

終わった事を悔やむとき
「やっとけばよかった」なんてのは嫌だ
「やらなければよかった」の方がましだ
動けば絶対何か変わる
自分で選んで変えられる
動かなければ変わるのを待つ
せっかちなあたしには無理だ

動け動けと命令される
でも動いてすごく疲れる
失敗したとき、すごく凹む

迷ったときは動く
その方がきっといい

2004年11月13日(土)



 行動


そうか、と分かった事がある
暇だを口癖にする人と
忙しいを口癖にする人
両者の違いは激しい

そうか、意識してやっているんだ、と理解
それともあれが自然なのだろうか、と迷う
何も考えない、考えない
でも自分で分かってるならいい
分かってないのよりはいい

絶対に信用出来ない
例え繰り返されても


2004年11月12日(金)



 いいんだ


いいんだ
自分の出来る範囲のことで
人それぞれ得意不得意があるから

目標は自分のレベルに合わせて
平均値は関係ないんだ
下に人がいようとも、
上に人がいようとも、
関係ない
必要なのは現在地を理解すること
もっと広い場所にいることを理解すること

あたしがいるのは狭いはしごの途中じゃない
あたしがいるのは広い地上
手の届く範囲は人それぞれ
出来る出来ないじゃなくて
やろうとするか、しないかだと思う

2004年11月11日(木)



 ついでに寄りかかってるイメエジ


包まれてるって思わせてるみたいだけど
包んでるつもりはあまりない
普通に接しているのだけれど

言われてから思い返して
甘えさせてるような自分が見えた
だから包んでるように思われたのかもれない

依存って風な言い方もあるんだけれど
あたしも依存してるようなもんだ
依存されやすい人が寄って
ついでに寄りかかってるイメエジ

だからとりあえず突き放す事はしないし出来ない
お互いにそういった意味では共感してしまう


2004年11月10日(水)



 嘔吐


繰り返し嘔吐する僕に後ろから母が言った。
「だからあんたには友達がいないのよ」
目の前にはザァザァと滝のように水を吐く息子が居るのに母は至って普通で、その声は電化製品に不調を訴えるときみたいだった。
口を拭いながら、僕は母の煮立てた豆腐みたいな顔を睨みつづけた。

2004年11月07日(日)



 理想の否定


理想なんてないほうがいい
あって、それにピッタリのものが見付かったとき
惑わされて怪我をするから

だから理想なんていらない
想像しちゃあ駄目だ



2004年11月06日(土)



 花さく


花がさいた
 目玉の中に

これがなかなか
 邪魔で取れない


お母さんに話した
 無視された


お父さんは
 お出かけ中


泣かないで泣かないで
 すくすく花が育ちます


誰も見てくれない
誰にも会いたくない


目玉に咲いた花は
 涙がなくなったのでかれました

2004年11月05日(金)



 あいつにはナイショ


逃げるが勝ち

2004年11月04日(木)



 窓のそと



目の前が一瞬で夜になった
こんなにきくとはおもわなかった

2004年11月03日(水)



 なかでもそとでも


外に出ると
ひがいもうそうが
ひどくて
辛くなります


中にいると
なかからの声が
ひどくて
辛くなります


泣いても泣いても泣いても泣いても
笑い声が頭に響いて、それから耳鳴りもします


苦しくても諦めるしかありません.....

2004年11月02日(火)



 転校手続き


学校を休んだ。
胸痛がひどい。











疲れてる。
バカにしてやがる。

2004年11月01日(月)
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