言葉のサラダ
黄と藍



 美術

想像するなら
もっとはっきりと
輪郭も
色も
背景も

紙の大きさは決まってるのか?
白も白とわからないのに
どうして明るいと言い切れる?

削ってない鉛筆
まだ下書きもない
きみに必要なのは絵の具じゃなくて
ナイフじゃない?

2004年02月29日(日)



 思い込み

携帯のメモリや
先のスケジュール
答案の赤丸
受信メール
本棚の本
参考書の数
居眠りしなかった回数
引き出しの多さ
ペットを飼った経験
早起きした朝
誉められた数が
多ければ正しいだとか
素晴らしいなんて誰も言ってない
思い込んで、感動してるのは自分
思い込んで、美しくなった気でいる

2004年02月28日(土)



 クローゼット

隙間が怖くて眠れない
あたしは
大声を出して立ち上がる
真っ暗なあたしの部屋で
両手を前に突き出して
ドアに向かって突進して
不必要な大音立てて
思いっきり恐怖を閉めた

2004年02月27日(金)



 てをのばせばすぐにきみにとどく

気持ちがぐちゃぐちゃなときの
あたしの部屋は
紫のカーペットも見えないほど
ぐちゃぐちゃになっているから
ひとりも入れない
あたしのココロも

2004年02月26日(木)



 シュークリーム

伸びをした朝
関節が鳴る
気持ちいいから
もっと伸びる

つらい朝
目が腫れる
気持ち悪いから
ガッコウ休む

2004年02月25日(水)



 夜更かし

懐かしい感覚
暫く舌が忘れていた
こんな密かな楽しみを
やり方さえ
空気さえ感じずに過ごしていた
何をも抜く快感
ま当分続きそうだ

2004年02月24日(火)



 乱反射

ナイフを自分に向ける
躊躇うことなく何度も刺す
深く深く刃跡を刻む
無限に鳴る鐘に脅えてるから
衝撃よりも衝動
目の前のえさより
後ろから飛ぶ弾丸
死んで楽になりたい
死ぬもんか 決して
合うことのない歯車が苦痛の声を荒げる
そろそろ限界かも知れない

自分のことも解らない

2004年02月23日(月)



 歩競争

噴火した火山に手を付けられない
溢れ出すマグマに飲まれるだけだ
全身に染み渡る怒りでもうすでに
破壊衝動を止めることは不可能だ
押さえつけてくれるものは何だ?
掛ける足はもう出せなくなった?
知らない恐怖よりも
知ってしまった後悔
無知の国は天の国だ
賢者の住むは地の国

逃避は飛ぶより他にないのか

2004年02月22日(日)



 駅前のイザカヤ

おサケを飲んで悪口を言う
ひどいオトナだと思った
シんでもいいと思った

ごはんをごちそうされて悪口を言う
ひどいオンナだと思った
シんでもいいと思った

2004年02月21日(土)



 上一段活用


季節の風も
見つけられない君


枝垂桜が
見たいとせがむ私


気持ちなんて
見つかること
ないね

2004年02月20日(金)



 病室

読み辛い筆跡は
逝った君へ送る

ドライフラワー
よく似合った君

みっともない鼻
殴ったら折れた

枯れない花
消える君
窓から見える向日葵

2004年02月19日(木)



 炭酸ソーダが


すこしふんわり
ねむいからだに
すこしぴりっと
ひんやりひえる
あさのキッチン

2004年02月18日(水)



 マキロンの味

やあ久しぶり
もう12時を過ぎてしまった
最近眠くて凄くよろしい
間食多くて困ってますが
夕飯一時間前にラーメン食べたし
夕飯30分前はサブレとクッキーと焼き菓子食べたし
夕飯一時間半前には乾燥マンゴー食べてた
夕飯食べてからチョコレートが欲しくなったけど我慢我慢

まだノドが痛い
割れそうだ
鼻から空気吸おうが
口から吸おうが
粘膜に風が抜けていくのがわかる
ぱりぱりっすよ

気持ちにハリがない
嘘を吐きすぎている
自分にも 他人にも
肩が凝ってるのもそのせいな気がしてきた
小指に塗ったマニキュアも
胸に出来た掻き傷も
甘えすぎだからだと思う

お隣りさんの人工二重は嫌い
一重のほうが可愛いよ
なんでそうやってつくるのかなぁ

引用した言葉より
内から湧き出る言葉って響く

授業中はむしろ寝かせて
終わったらノート貸しくれればいいです

2004年02月17日(火)



 圏外

あっさりと約束を破って
もう他人のうちに上がって
お菓子を貰って帰ろうとする
あたしが嫌だ
そんな人じゃない
望んでるのは
正反対の自分

2004年02月16日(月)



 人魚

会いたくない
いま一番
会いたくない

大切に使えないから
もういらない
見たくもない

早く死にたい
足と声を交換しよう?

2004年02月15日(日)



 矛盾

立ち入り禁止の札は
あの人には容易に退けてやる
それは時に重いが
あの人のためなら軽い

立ち入り禁止の札は
わたしだけの空間
それはとても頑丈で
誰のためにも開かない

2004年02月14日(土)



 災難

目が痛くて
いたくていたくていたくて

割けたコンタクトで傷付く
目蓋がまだ痛む
ぱちり ぱちり
瞬きしてないで寝よーっと

2004年02月13日(金)



 今日は手袋が破れた日

のどが裂けるように痛い
しゃべるな、ってことかもしれない
声を出すなって神さまからの指令だったり

遠くで目覚し時計が鳴る
マクラに突っ伏して起きたくない
やっとあったかくなった足先が嬉しくてさ
湯たんぽなんてすっかり冷たい

続けられない
その理由を合理的に処理出来る
入院患者は退屈な窓を見続けるのだろうか

あっためると溶けて
冷やすと固まって
人の感情もそんなもんだよね
誰か体温計下さい
あの人の体温測りますから

2004年02月12日(木)



 激痛

痛むのは膝上
痛むのは右胸
痛むのは左手首
痛むのは首筋
痛むのはのど

一番痛いのは。

2004年02月11日(水)



 バレタ?

チョコレートは別れの挨拶
最後にもらえた別れのお菓子
高いのは気持ち
つらいのは別れ
知っていたからそうしたんだ
解っていたからそうしたんだ
半月前のせんべいが食べれない
だってチョコレートはもうない

2004年02月10日(火)



 面談

決意を固める
絶対にやる
必ず行くんだ
何があっても

明日の
それくらいで
崩れる決意じゃない
大丈夫
絶対平気
負けないから
逃げもしないし

2004年02月09日(月)



 混乱の雨

止まない雨なんてない
きっと今もそう
この混乱がいつまでも続くはずない

2004年02月08日(日)



 

季節はずれのカットソーなんてもういらない
暖炉の前にいっぱい集めた服を
太い大きな薪と燃やす
めらめらぱりぱり服は燃えていく
寂しさに火を付けたからもうすぐあの人が来てくれる

絞めた首の周りの赤い手の跡
嬉しくないことばかりの最近
風呂場で顔を沈めて少し死んでみた
鏡が醜くて
割ったら破片で汚して
その傷口をもっともっと破片で傷つけて
血だらけの足元でもう細かい破片は見えなくなった

2004年02月07日(土)



 逃避

おやすみ
しばらく
おやすみ
よくねて
よくねて
ばいばい
さよなら
もう
あわない
きみとは
あわない

2004年02月06日(金)



 オンプ

なんでか
元気で
エレクトーンも
いまは弾けてる
次弾く曲も
なんだか
楽しみ
ばいばい
ばいばい
悪い子
ばいばい

2004年02月05日(木)



 論外

知らんぷり
ぷりぷり歩く
黄色いゾウも
ぷりぷり歩く
五歳のこの子も
ぷりぷり歩く
みんな知らない
ぷりぷり世界
君も知らずに
ぷりぷり歩く

2004年02月04日(水)



 交差

眠れない、と
君が言ふので
僕は枕を贈る
色濃い目の下
暗い小さな唇

微笑んで、と
君の御強請り
目を細めた顔
寄せ上げた肩
上下に揺れる

構って、と君
手紙を寄越す
浮かぶ短い文
寒い風吹く昼
教室にため息

2004年02月03日(火)



 ネズミ穴

抜け穴
穴抜け
隙間を通る
気付いた
君は
結構
すごい
穴抜け
底抜け
私が通る
見付けた
隙間は
結構
ひろい

2004年02月02日(月)



 うさぎさん

さんきゅーばいなら
うちゅーへトンでけ
靴ひもほどいた赤い靴
ばい菌乗せて月の裏まで

2004年02月01日(日)
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