言葉のサラダ
黄と藍



 温暖

キャベツが寂しい顔をするまで蓋を閉めておこう


大きな鍋
アカイ汁
擂ったゴマ
薄い豚肉
・・・

文字の羅列は薫らない
偽りの物語たち
空色の箸が語る
無駄口が矢鱈多い

2003年11月30日(日)



 列車

氷(アイス)を砕こう
バラバラになれば溶けるのが早い
ゆっくり溶かすのはもう出来ない
我慢はもう出来ない
だから急いで溶かそう
急いで砕こう
急いで空気に変われ!!

2003年11月29日(土)



 否定形複数

嗅覚の記憶は凄いらしい
だってまだ覚えてるから
時々ふっと香る
通り過ぎてもわからない
思い出して少し考えた
なんのにおい?

ふっと香って
ふっと蘇る
切り捨てた思い出か

2003年11月28日(金)



 延べ棒

愕然とした
ホームに突き落とされた

とか
それくらいショッキングな出来事
手に触って確認
座って確認
動作も確認
間違いなくそこにはそれがあって
間違いなくあたしは驚かされていて
呆れた口→Д
になって
呆けた目→゜゜
になって
赤らめた頬→*
になっていただろう
つまり(*゚Д゚)


みんなしんじゃえ

ぐらい
じゃない凹み
えぐられた希望
もう望まないことにした

2003年11月27日(木)



 毎日


見上げた空がとても暗かった
潜めた息が細長く白かった
佇んでいる駐車場は冷蔵庫みたい



人間て疲れる
なにもかもをお互いのものにして
名前をつけていく
みっともないなぁ
できるなら
草や土
風や水
太陽とか月とか
そんなのになりたい
きっと気が楽になる

2003年11月26日(水)



 再認

調べれば調べるほど
知れば知るほど
見れば見るほど
明らかになる事実
浮き出る悪夢
確信的な犯罪



起伏のない感情と
平坦な表情と
親切な声
疑いもない真実

2003年11月25日(火)



 防御

気付かなければ良かった
見回すとそんなものばっかが世の中に溢れている
無知は神だ
無意識は奇跡だ
その状態が続くのが望ましかった
気付いたときから世界は黒い
誰かが謝って解決すればそれがいい
忘れられるなら忘れたい
記憶を記憶が上書き
それでデータが飛ぶなら嬉しいね



壁に張り付いた虫が醜い
僕の頭を掠った奴だった

2003年11月24日(月)



 自己嫌悪

オーディエンスが煩い
何度も何度も思い出させる
何度も何度も野次を飛ばす
何人も何人もが討論を始め
あたしがしていることにまでケチをつける

煩いって言っても何も変わらない
周囲が病的な人物として扱うだけ
もう終わっているのかもしれない
こんなのに惑わされて
混乱したり悩んだり
笑い出したり
怒り出したり
泣き出したり
こんな奴等に感情を左右される
記憶を左右される

可笑しい
可笑しい
気持ち悪い
不快だ

2003年11月23日(日)



 汽笛

背中を押されたとき
前に虫がいないか探そう
間違えて踏み出した足で
つぶしてしまうかもしれないから


渡る前に叩こう
ひびが入っているかも知れないから
叩いて壊れたら
泳いで渡ってもいい

食べる前に薬子を呼ぼう
それが吐き出したら
私は触れない


頬を何かが伝ったとき
泪と決めつけてはいけない
もしかしたら雨かも知れないから


さようならの前に空を見上げよう
まだ別れるには早いかも知れないから

2003年11月22日(土)



 ファイル

あたしが何かした

君が好きになる
前向きで
無責任で
自分勝手で
偽善者で
何もかもを認めてて

あたしはない
あたしには何もない
好きなものも
やりたいことも
探す努力も

酷く我侭なのは知ってる
目的を作れるのも知ってる
自分の行動でどれだけの人が傷つくのかも知ってる

だから
あたしは部屋を散らかして
誰とも口を聞かずに
夜中まで外を出歩いて
死ぬことばかり考えているんだ

君は何もしないから

2003年11月21日(金)



 弱火

辛い食べ物が好きだ
びりびり舌が痺れ続けるところがいい
そうしないと
今自分がどこにいるのかわからないくなる


すっぱい食べ物が好きだ
耳の下がつるような痛みがたまらない
そうすることで
これから自分が何をしようかわかる

2003年11月20日(木)



 

君は懐かしい
だからすぐに消える
危ないコンクリの坂道と
そこを下った自転車と


君に夢中だよ
血だらけのバットを振り回してる
嘘だらけでなにもない

空のデパートが涼しい
黙してる時は美しい

明るいのは道だけで
どこにも影を落としていない

2003年11月19日(水)



 Q

約束はしたが
熟考すれば
範囲が大きいから
あたしには果たせない
君にも果たせない
誰にも守れないぞ

2003年11月18日(火)



 網膜

最期が見れたからもういいや
これ以上の続きは期待しない

せいぜい
水に溺れたアリのように
無様にひたすらもがいてろ
殺虫剤掛けたあとのゴキブリみたく
いつまでものた打ち回ってろ
食われてくカマキリのオスのように
乱暴に両手を振り回してろ

知らない知らない
どうなっても放置
見捨てちゃう
構わない
消えちゃえ

2003年11月17日(月)



 はいざら


もう少し常温に居たら
溶けていたんだろう

希望を確信した



否定していたものを
肯定的に受け入れた

それが酷く後ろめたかったのだが
もの凄く前向きに感じられた

新たな角度が表れた
逃げ道じゃなくて
進むべき道として

2003年11月16日(日)



 障害

努めて明るく
消えない内に


自分を無視する
感情を
感興を


自分を無視する
感覚を
感想を

冷たい冷たい
怖い怖い

煩い位の声
真っ暗な床
目の天井
線の壁
赤い窓

全てが鬱陶しい
酔って吐き出す

2003年11月15日(土)



 転倒

あのコの名前はなんだっけ?
誰にもきっと解らないね。


古い人形は嫌だ
あの、
白い髪の
赤い服の
女の子
ただ座っているだけの

触りたくないし
近づきたくも無い
視界に入れないでって
頼んだのにまだ置いてる

気持ち悪い
不気味だ
ただじっとしているだけなのに
なんとも後ろめたい気持ちにさせる

2003年11月14日(金)



 

退屈なblankの讌飲
怠慢なbrassを厭悪
君の存在だけが僕を自由にしてくれる



寝起きに何度も欠伸をする
温い室内の上方の空気が不味い

好い具合の空色
明るい携帯の画面
未受信のメール群
気味の悪い着信音

嘘を真実とおもう演技
音を幻聴とする
見るもの全てが疑わしい
殴り殺したくなったのは自分
誰がこの拳を舐めてくれよう

2003年11月13日(木)



 船窓

2度目の誕生日に会おう
ドリンクバーで語ろう
深く深く帽子を被って
長く長く時を過ごそう




誰も観ていない
目なんか持ってない

2003年11月12日(水)



 trail

約束が果たせない
期限を守れない
規則に従えない
ルールを学べない



全部人のせい
全部人が悪い

2003年11月11日(火)



 包囲

何度も逃してきた
何時も気付かなかった

だから手で覆って
もう逃がさないんだから


前は虫めがねを使ってた
そうしないと見つからないから
でも目線の高さを合わせたらさ
結構使わなくても平気じゃない?




やっぱり嘘吐きは嘘吐き
何年経っても変わらない
待ってて損したよ
大損だよ

2003年11月10日(月)



 ライト

君はアイスクリーム
僕に食べられる
マイナス5℃のちょっととろけ気味

君はアイスクリーム
たくさん味が混ざってる
マーブル色で時々危険

君はアイスクリーム
冬にはぞっとするほど寒い
暖かい部屋でスポーツ番組を観ながら食べるのさ



君はアイスクリーム
もうすぐなくなる
こんな「ややこしさ」も
一緒に食道を滑り落ちる
スルスル
すトん

2003年11月09日(日)



 ビッグデパート

事実が沢山有り過ぎて
どれを真実にしようか迷う
とてもじゃないけど選べないんです
それは両手に抱えるどころか
散乱した部屋みたく
酷く多く溢れかえっているんです

誰かに助けを求めても
どれも嘘にしか聞こえない
とてもじゃないけど信じられないんです
めいっぱい頷くどころか
うんともすんとも
声が詰ったように出ないんです

沢山あって選ぶのが好きだなんて言ってごめんなさい
選びきれないほど沢山が理想だなんて言ってごめんなさい
あたしには見切れません
あたしには廻りきれません

あたしはまだ
はっきり出来ない真実より
あやふやな境界に浸って居たいんです
漂って居たいんです
一人で
邪魔者も
仲間も
何も無いところで。



お買い忘れは御座いませんか?


2003年11月08日(土)



 卵皿

人の人間らしさに触れたとき
どうしても悲しくなって・・・

責めたかった言葉が言えず
そう思った自分を代わりに責める
仕方ないなんて言いたくない
仕方なかったなんて・・・

鏡に映るこの顔がどうしても憎くて
この鏡は幾つ目・・・

相手の意見聞き入れるから
自分の意見を受け入れられない
あたしの気持ちはどこへ・・・

そんなに器は大きくない
沢山入らないから・・・



原因なんて無い
要因なんて無い
あたしは瞬間しか生きられない

2003年11月07日(金)



 外れ時計

感心する
驚いた
目を疑った
でも
見えてるこれが真実


諦めが悪いらしい
約束が守れない
二方向から自分を責める
悲しい
けど
それがあたしだったし



否定したい過去も
証拠がない
形がない
言葉がない

2003年11月06日(木)



 深呼吸をして

深く深く。
そいでもって、
口に一杯息吸って、
潜るの。
暗い暗い底を目指して。
昔あたしの居た場所に。



海底までイキマショウ

2003年11月05日(水)



 メルマガ

寂しいから止めない
拒むのが面倒という建前と
理由なく動くのが嫌という本音

消すのが楽しいという動機と
表れる数字の大きさを気に病む動悸

引っ掻き傷より重く
リスカより軽く

深い刃物より
軽い爪先が好み

過剰な心配なんて無用
何も事態に変化は無い



用が無いなら消えろ
目の前に現れるな

2003年11月04日(火)



 二者択一の手前

隠しているのか
見せていないだけなのか
隠れてしまったのか
見えていないだけなのか

問質すことで解る絶対的真実
問質さずとも解る絶対的真実

結論が出てることに展開はない
結論を出すに至るミチが重要だ

中立な立場はない
中立な立場ではない
迷っている状態なのか
迷う状態なのか
そこがもうオワリで
そこがまだハジメで
誰にもわからないし
誰にも知りえない
だから自分は想像するより他にない



それで迷っているつもり?

2003年11月03日(月)



 返還

気付いて欲しいけど
指摘されたくないことがある
口には出さないで
伝えたいことがある
形にしないで
確認したいことがある

テレパシーなんていらない
データになんて変換しない
嘘を吐きつづけたら
どれが本当なんだかわからなくなる
本当だと信じ続けても
何処からか其れが蝕まれて行く

ほら矛盾だらけ
結局は自我の塊
解決へ結び付かない
メビウスの輪



演技がちょっと下手だよね

2003年11月02日(日)



 不調和音

絶対に醜い
不快
深い
吐き気がする

他人を嫌悪し
そう感じる自己を嫌悪し
他人を認めて
自己を否定し
いつも
いつもいつもいつも
咲って演じる

普段を変と言われ変えた先は常識
常識にない個の意志に嫌悪
枠から飛ぶ自己へ軽蔑

肯定していると否定してくる
否定していると肯定してくる
ひとつのことも決められない
他人に任せることで生まれる責任転換



不快を感じるのはあなただけじゃない?

2003年11月01日(土)
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