2003年04月20日(日) ■

大平原のど真ん中で

昨日は雪が降ってた。 北の大地は春をようやく目前にしてぐずぐずしている。 桜はまだ咲いていない。 今日は４月の２０日だというのに。 そんな引き締まるようなぴーっんと張り詰める空気と裏腹に 農協の職員さんたちは温かい。 この前、焼肉おごってもらった。 うは。 初めて農協を訪れた１週間前、 いきなり怒られた。 挨拶しに行った管理部長から、 「君たちは何をしにここへ来たんだ？ 目的がないなら無駄な日々を過ごすだけだ。 熱意が伝わらないよ。全然。 仕事は自分で探せよ。 何かあったら辞めてもらうよ。」 幕開けから険悪なムードだった。 畜産課の職員さんに連れられて十勝の家畜市場のセリを つなぎを着て手伝った。 １頭３００ｋｇする子牛を２０００頭１日で売り買いするのだ。 次から次へと目が回るほどの１頭２０秒ペースで セリは進んでいく。 すんげぇ〜迫力！ 牛が暴れるのを無理やり引っ張って、 右から左へ運んでいくのだ。 まるで闘牛でもしてるかのよう。 身体がつ〜んとする家畜のニオイになって臭かった。 生産者と消費者の距離感を感じた。 消費者が本当の意味で「お肉の味」を味覚できない限り、 その距離は埋まらない。 生産者が必死においしい肉を創造しても、 それがわからなければ何も変わらない。 十勝産かアメリカ産かニュージーランド産か、 そんな視覚的なことじゃなくて。 確かに今まではそういう生産者の見えるシステムがあまり発達していなかった。 だから、というのはある。 でも、と生産現場の人は言う。 「牛肉偽装なんて、よくある話だ。 でも確かに雪印食品はタチが悪すぎた。 味も分からないくせに、消費者はウダウダ言う。」 生産者だってふてくされるだろう。 オレらは「食」をどう創造しているのだろう。 言えることはほとんど創造力を失ってしまった。 自分の力で胃袋を満たそうとしているのか。 「お金」があれば何でも「食」が手に入る。 そんな時代になった。 そんな時代だから、狂ってしまった。 今、オレが関わっている仕事は、 充実感や成功や自分の力を試すややりがいやそんな職業観を 超えている。 もっと違った次元で違った根底が渦巻いている。 そういうところをこれから感じていこうと思うのです。

2003年04月12日(土) ■

ただ今研修中

ユウマ、この春社会人になりました。 ４月１日に入社式を迎え、 日々研修に励んでいるところであります。 骨の芯から社会人になるにはまだまだ先になりそうで、 悪戦苦闘の毎日でござる。 来客応対や電話応対、ビジネス文書の書き方、 仕事の進め方、コミュニケーション実習、 セクハラ防止、安全衛生についてなど、 社会人としての常識から、 会社が所有している関連施設や工場などを視察する 研修旅行まで忙しく動き回りました。 あさってからは４５日間休みなしの研修になりやす。 実習配属先は青森県とほぼ同じ面積を誇る 広大な十勝平野の真ん中、士幌町で働きやす。 大地に足をつけて土でどろんこになりながら、 畑を耕し、牛の世話をすることになります。 ショックなことがありました。 研修中相部屋だった、A君が会社を辞めました。 部屋で一緒にいろんな話をしただけに、 突然のことにびっくりで呆然としました。 事業所研修の前日に倒れて、 オレが病院までついていきました。 風邪と疲れが重なった結果だっただけなのに、 親父さんが名古屋から駆けつけそのままいなくなってしまった。 人事部の課長から、 「A君のお父さんがお礼を君に言っておいてと頼まれたよ、 特に君にはショックだろうけど、がんばれ」 と個別に呼ばれて言われました。 彼の分まで背負ってオレは頑張ろうと思いました。 なかなか社会ってやつは甘くないことを知りました。 まだまだこの環境には馴染めへんけど、 弱音を吐いてるわけにはいきやせん。 やるしかない。 そう思うわけです。