『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2016年07月01日(金) なつ、スモッグ。

最近あんまりきちんとわらっていない。

あなたがこちらを見てわらっているのもみていない。

ことさらに不幸ではないけれど
しあわせだろうか、
これは。

七月、文月朔日、
ああなつがきたのだな、と思うのは
晴れてむっとする空気がたちのぼってゆくのと
そらがしろくすすけていることだった。

自分で買ったあかいきものに麻の帯をしめて
いっしょに出かけたときがものすごく前のようです。
なんだかもう、
別の人間になってしまったような気がするくらい
遠いようです、3年前のことなのに。

きっと今年もあついんだろうな
そのあつさをおして
笑ってもらえるんだろうか
まだ
うれしく思ってもらえるんだろうか


・・・・・・・・・・


お洋服よりも
さらさらしたゆかたばかり見たいから
そこは夏なんだなと思い
まだ、あきらめなくていいとおもう。
毎年たのしみにしていること。
買わなくても、ながめるのがすき。

最後に買った浴衣は雨が降っている浅草でみつけた
こまかい小紋みたいな綿麻のです。
ひとえ着物だよといっても通じるくらいのものがよくて
ひるまに浴衣をきて歩くのがはずかしい気がするから。


・・・・・・・・・・


ひさしぶりに行けた病院の待合室で「うきわねこ」を読んだ。
ひみつをくれたおじいちゃんは
わたしにもいたよって
でも、
ひみつをあげる誰かは、あらわれそうにない。

血のつながったという意味で言えば
もうその可能性はかぎりなくゼロになっていて
そのことに小さく小さく傷ついているじぶんを
今年はよくみつけてしまう。

とくに、悲しむことなくしたと思っていた選択は
たぶん、自分にも外にも先手を打っただけで
そっとのぞいてみれば、じぶんでは片づけられなかった「しかたない」が
思いのほかたくさん
陰にかくれていて、少し悲しい。



文月、
あなたにてがみを書きたいです。
暑さの増してゆく折

おげんきですか。



真火


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