『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2008年01月29日(火) ざわざわと鳴るは。

一年も前に持ち歩けるオンガクをもらって
だけどわたしはそれを扱えなくて
仕舞ったままでいた、キカイ。

ひとつきまえ。
同居人がととのえた手順で
そのなかに、息が吹き込まれたから
かばんの中身が、ひとつ、ふえて

出先で
ざわざわと血が引いていくのを
歯を食いしばるよに耐えながら
音をきく…
からだの痛みじゃないものに、寄り添うように
耳をかたむける

……そういうことも必要にちがいないよね

ことばを持てなくて、声なくて
怒りのかたまりになって、泣いた
叩きつける腕なんかじゃ喋れないのに
それしか、なかった

そんなふうな日のなかにすべりこませる
荒々しくてやさしい音。

はじめて触れた気がして
ばかなあたしを思って
あのときの、尖りきったあなたを思って
今ならいいのに
あいせるかも知れないのに

からだの痛みが燃えている
くるくると舞うキノウの幻

切り離して、耳をすませるよ



2008年01月12日(土) 脱線列車。

きれいに、あこがれる。
その空を、乞う。

ほんとうはね、
なんて、そんなもの奪われた言葉。
叱られないために身体は縮んで嘘を作っていく

膨らませて膨らませて
口を塞いだ、いつか思い出せない前に。
ほんとうのことは深いみなそこにしずめられた
鎖で縛られた箱のなか、「あたしはしらない」。

ずっと、しらないで
いのちがおわるまで
いけたらよかった。


細いやいばが思い出せとさけぶ。
わたしはそれでも耳をふさぐ。
空だけ乞いながら
耳をふさぐ。



2008年01月08日(火) 子守唄。

寝付けない夜、が少しだけふえてゆき
日常が、戻ってくる。
ざわざわと、掻き回す影を声を姿を音を

……ごめんなさい、きっとあたしはどこかでつよく拒んでいる
憎む、の、
ひとつ手前くらいの場所で
はがれおちない仮面を被って

剥がして、かなぐり捨てられない顔は笑みをたたえてる

うそつき。

音をきいています。
好きな音、声、
くりかえされる、ひとりの籠のなかにあたしを
そっと掬い入れる音……
なにもない。
ばらけてゆく。

いろいろに想起される想い出です。
……おねえちゃん、
なんにもしなかったあたしを、でも
真火ちゃんと呼んでくれて、ありがとう
おねえちゃんでいてくれて、ありがとう

かみさまが、いたらよかったです。
向こう岸が、もっと、
近かったらよかったです。

会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会えない。



悲鳴あげて起きても現実は醒めないよ
もう知っている、わかったから



せめて、いきているあなたと
手をつなぎたいよ


……じぶんばかりだ。


きみに、会いたい。



睦月八日、早朝 …真火


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