『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年12月26日(火) 銀の雨、ふれふれ

さみしいを

どこかで買い込んでおうちにかえり

ただいまとて靴ぬいでみたところで

ぼんやりと気がつくのです

ここをとりまく糸くものよな、はりめぐらされたさみしいや

鞄のなかにびっしりと詰め込まれてた、かたちのないさみしいに

追い出せないさみしいに

さみしいとごはんをたくさん食べました

さみしいさみしいとたくさん笑って笑いました

それからうたも歌ったし

おふとんにくるまりほこほこともし

しかし
でも

こんなにしずかなさみしいは、どこまでわたしをはなさない

とうとう空は割れました

朝の気配、闇の雨、みんなみんな

あたしのさみしいの扉をがたがたと叩く

きみがいても止まないふるえ、

むやみにひろい水たまりを蹴って

はねちらかして


止まない止まないさみしいと

手をつないでみているこの景色



2006年12月17日(日) this is not a dream

どうせならもう

ぜんぶなかったことにしてほしいと おもう

なかったこと
なかったこと
なかったこと

・・・・・・それができないから

みんな、みんな、

くるしむかしれない


・・・・・・・・・・


受話器をみみにあててもなんの音もきこえない

これがただしいのだ、といいきかせながら

なみだは、とてもとても、ずるいと思った



2006年12月12日(火) 窓のない潜水艇

たぶん、わたしはいま

なにもしたくないしどこにもゆきたくないのだとおもう

ぴかっとあたりがひかってわらうようなかがやかしくこわれたときと

じべたにおちてなにもみつけられずそらをまさぐり

かすれたおとだけもれだすくちびるで

むなしいやとなげやる、さぐってもなにもないわたしのなかみ

……そのふたつがあらしのように、交互にやってきては去るから

そうして、ふとわれにかえれば、あとの時はずっとながくふかく

だから

おそらく……

「なにもきかず、なにもしゃべらず、ただ、やみのなかをみつめて」

・・・・・・・・・・

それでも一瞬のヒカリのほうに
しがみついていたいのだろうか
この腕は
今日も、つぶれたいとねがいながら
けれどしかし、ものを食べ雨を浴び
ささやかな仕事をまっとうしようと
ひたすら、数式と図形にとりくんだ
この腕と
このくちびると
からだと

・・・・・・・・・・

なぜ
わらいのあとにうすらさむい闇がくるんだろう

なぜ
なにかをしたいのだと思い込みたがるのだろう

時間はあんまりにながくて
わたしはときどき、しばしば
ぜんぶ、やめてしまいたくなる
わたしにまつわるわたしのぜんぶを

そうしてまた
嵐のように
わらう

すこし、疲れたね

できるなら

ゆっくり、ふかくねむれたら

いいね


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

My追加