『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年10月30日(月) 真夜中ビスケット


どうしてこの時間帯がいつもいつも
こんなふうに苦手なんだろうかなあ



ふるえながらきちんと覚醒する午前2時よ

あたたかいスープや
地球の気配や
触れてくる刺激からもっとも遠くもっとも安全で
もっとも危険な場所へ

ぽん、とほうり出された
このかたちをみつける

お守りのことごとくを試したけど
どれも、うまくいかなかった、薬も
あったかいお風呂もなにも

次はどうしようどうにかしよう


手焼きのビスケットが粉になってくだけた
それをひろってくっつけて
気がつくと夜はもっともっとふかく
マザーグースの詩みたいに
くるくるまわる、楽しい楽しいダンスの瀬戸際。


4:44
まいにちのように見る時計の数字。
少し飽きたね、と
声に出して言ってみましょう
それから聖歌のCDをかけて
闇を音楽で満たしましょう……



2006年10月24日(火) ちびなしあわせのmaximum

今年はじめての木枯らしみたいな
つめたくて強い風、を
生徒ちゃんたちと寒い寒いと嬌声をあげて出迎えて
風邪ひかないでね気をつけてね、

自転車の背中に手を振って

歩いて帰る子と信号待ちする。

それが楽しい
それがシアワセ
たった数分のために誰かを待ってて
寒い寒いと騒ぎながら歩いて
懐かしい懐かしい、現実でした

だから寒風でネツが出ても
ふらふらで、頓服が要っても
今日のあたしは
ちょっとしあわせで
大丈夫なのです、きっと、きっと。



神無月、月曜日



2006年10月22日(日) もうこれ以上すすめなくても探し続けるあいの



笑うのに、疲れました

イメージ、あかい川
暗闇、
ふらりと出てっちゃう
神隠しには大きくなりすぎた?

台所で頭をかかえる
背後に包丁をしたがえて
両手にとる理由もとらない理由も
ないのよ


ただ、笑うのに疲れました。




「何いってるの?」

「朝はくるのよ」


それが現実というもんだよ
がんばれ
もう少し



神無月、二十一



2006年10月03日(火) みどりのもりに

今日、も
また日が暮れた。

もう、眠ってもいいですか
安堵してもよいですか
小さな四角いあたしの寝床にもぐりこみ

だれかのがなり立てる声聞かないで
はりついた笑いで
それに相槌うたないで
もう、なにも食べなくてよく
何も、ねじこまれないでよく

あなたがいない横たわる大きな時間をどう過ごせばよいのか
途方に暮れずとも、よく
甘えたり泣いたり拗ねたり傷つけたり
手を尽くしての駆け引きもおわり

さむい指と
さむい足とを
あたためて気を失ってゆく
ゆっくりとゆっくりと
眠ることのなかにあたしを預け

もうなにも萎縮すること、ない
ただ、
なにもない暗い森へ出かけて
恐怖も不安も遠ざけられて

安堵しても
よいですか


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真火 [MAIL]

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