『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年01月29日(日) 夜→朝

くるしかった
くるしい
くるしいです
くるしいよ

だれを揺り起こすわけでもなくて
そんなことできなくて

お医者さんに言われたとおりオクスリをのんだ
15分の安息、それからまた

もう、いや


どれくらい叫んだら
間に合うの
痛みよりほかにわたしを抱きしめて
やさしくしてくれるもの



2006年01月18日(水)

おまえなんかいらない

まつわりついて離れなかった。

母のしまい忘れた包丁をめをそむけながら定位置にしまう。
見えないように。


「あたしなんかいらない」


……もう、眠ろう眠ってしまおう。
あたしの毒が流れ出さないうちに
しずかに、しずかに。



2006年01月15日(日) ひとりでたたかう


雨が降っている

雨が降っている

雨が降っている

あたしはそのなかに
こぶしを握って
立っている

立つことをしている寸断なく雨にうたれて

ふりかえらない
うしろは見ない
差し伸べられる腕のことは
考えないただ

びしゃばしゃと無数にできて消える波紋をみつめながら
これ以上膝を折らないよう崩れないよう
ひとこともしゃべらぬよう


たたかえ



15日、夜



2006年01月13日(金) かみふうせんの割れるとき

別にいいよきみがいなくても

そんなメッセージを無言でたくさん受け取った
だから小さく小さくなって
世界のはじっこからある日
かけらが砕けるように落ちる

その日を待っています。

なにもしないのがよかった
なにもしゃべらないのがよかった


それでも誰かが待っているって知っていたら
少しだけ、ほんとうに笑えるかもしれなかったから
ぼくは待っていた、たくさん

待っていた。


ピンセットでつまんだうすいガラスが
音もなくぱきりとくだける。そのように
失敗作がつくられ棄てられていくように

ほら、落下傘。

目をひらけばいつも
音と光を出しながら
たくさんのものが
轟々と身の回りをめぐり駆け回り
ぼくはそれを手にとれないと知る
ただ知らされる
ひかりを出す君もまたそのなかへと進んでいった

もう待たなくてもいいかい
君のことは

ちいさな手帳をひらきえんぴつでうすく線をひく
その下にあるきみの人生について祈りながら
ぼくがせんをひき、そして

せかいの縁に、またひとつ、近づく



1月13日、金  夜



2006年01月11日(水) 沖縄病。

ぼんやりの毎日で
あいだに
悲鳴みたいな瞬間が混じっています
寝ているのかいないのか

あああたし生きていないな

カレンダーをみて日付を知ります
とてもさむいのでかぜをひいたみたいです
あたらしいキズがふえましたが
どうしてそうなったのか、いくら考えても
さっぱり思い出せません

沖縄に行きたくなりました
宮古島
ざわわざわわのさとうきび畑
格安のフリーのツアーでもころがっていないかなーと
Kちゃんとふたりして
朝から電話して

ぷつ、と電話線切ったら
もうそこには空虚があり

1月11日なので
おめでとうを言わないといけない人がいます

じいちゃん83歳おめでとう
も。

ゆらゆらと時間はきえていくみたいに過ぎるので
このままとけてなくなってしまえそうな錯覚です


11日、夜



2006年01月05日(木) すてねこ

最近とっても怒っていたんだということに気づいて
でもそれをあなたにいえなかった日。

雪が舞ったよと
家人が言った。
あたしは眠りのなかにいて
今年最初の雪を
みなかった。

・・・・・・・・・・

すてねこみたいにひろわれて
じゃれついて遊んだ。
もういらなくなったので
すてねこみたいにすてられた。

あたしのとなり、うしろ、みぎ、ひだり、
ぐうるり見まわした、だれもいない。
空からやさしい腕がふってくるのを待ってる。

……そんなに「いいこ」じゃありません。


置いてきぼり置いてきぼり置いてきぼり
すてられたいらなくなったみすてられた
見捨てられた。
不安さん発動、あたしのなかを掻き回す
この乱暴で容赦ない腕だった。

その収拾は一人でつけるからみんなみんな
とおくへいっていて、そうしてこっちを見ないで
何事もないように何事もしらないように
こぼれをちないように。

……不安、を具現化してあなたが去った。
ほかでもないあなたが去った。

あたしは恋しくて鳴く
すてねこみたいに
あなたをうらんで鳴く
すてねこなんだ

気がついた。


1月5日、夜



2006年01月02日(月) あたらしい年

わらうのに、つかれたのでした
おどけるのにも。
つづかないのでした
なにかが。


……新年のご挨拶にふさわしい言葉もいえない。


そうして夜がやってくるから
いちばんこわい源の時間がやってくるから
あたしはひとりだから

立ちすくんで


さよならをいわないのが精一杯

いきているのがくるしかった、と
いつか
ほんとうに過去形にできるんだろうか


……病院は、お正月やすみ

手元にあるカードは
カードは
数えるのもかなしいくらい、すくない

次々やぶられて、いってしまった



わらうあたしをみなれたひとよ

その手で首を絞めて微笑みながら
あたしは、くるしかった


あたらしい年の、はじまり
存在はますます
重くなる

だらりとさがった腕が刃物をこいしがっていた
あたしをこわすことを
するどくもとめているものはあたしだから

逃げられない
逃げられない
逃げられない



2日、夜


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真火 [MAIL]

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