土曜日生まれは腰痛持ち

2003年09月06日(土) 「オンリー・ザ・ロンリー」

深夜に録画した映画「オンリー・ザ・ロンリー」を見ました。
クリス・コロンバス監督、
今は亡きジョン・キャンディの主演のラブコメディーで、
モーリン・オハラ、故アンソニー・クインなどといった人たちが
脇を固めていました。
思えば、相当にぜいたくな映画ではありませんか。

M.オハラは、老いたりといえども
赤毛と緑の目が魅力的な気の強いアイリッシュ美人で、
なんとJ.キャンディの母ローズ役です。
しかし息子たちが、おでぶの兄ダニーがJ.キャンディ、
弟パトリックがちんちくりんのケヴィン・ダンって、
いったい彼女は、どんな男性との間に子供をもうけたのだ?

ダニーは警官です。仕事上の恩恵にちゃっかり浴してはいるものの、
勤務態度もまじめな好人物ですが、母親に頭が上がりません。
そんな彼が、ひょんなことから知り合った葬儀屋の娘
テリーサ(アリー・シーディー)に一目惚れしますが、
彼女がイタリア系とポーランド系のハーフということや、
はっきり言って縁起のよろしくない商売についているということで、
ローズは、息子がテリーサとつき合うのを快く思いません。

という感じのストーリーで、
ちょっと1955年の映画「マーティ」に似ています。

A.シーディーがどんくさく演じるテリーサのキャラ設定が、
なかなかおもしろいのです。
父が経営する葬儀社で、亡くなった人のメイクアップを
担当していますが、その個人個人に似た俳優を選び、
映画を見ながらその人風にメイクするのです。
「今のところ、遺族からの苦情は出ていない」
というセリフはありましたが、
あの世に送り出されるとき、
クラーク・ゲーブル風にしてもらったおじいちゃん、
きっと誇らしかったことでしょう。
そんな、さりげないシーンがとってもよかったと思います。

わかりやすいけれど薄っぺらい映画の多い
クリス・コロンバス監督作品にしては、
かなり繊細に、人の心の機微について
考えていた方じゃないかと思います。
母親に、目に見えない力で支配されているダニーが、
母をないがしろにして自分の要求を通そうとすると、
ついつい、母親に悲劇が起こるという妄想をしてしまい、
「ママ、野球に行くのはやめとくよ」と予定変更したり、
出先から電話をかけてしまったりする「マザコン」像も、
おかしくも哀しいものでした。
(その流れで、ちゃんとオチもつけてくれています)

ここのところ、好きこのんで選んでいたとはいえ、
ややこしいor訳わからん欧州映画やアジア映画を
たて続けに見ていたせいか、
いかにもアメリカ〜な、安心して浸れる映画を見られ、
何となく、胃のあたりが落ち着いた気がします。

オンリー・ザ・ロンリー
Only the Lonely


1991年アメリカ ビデオ あり
製作 ジョン・ヒューズ/ハント・ロウリー
監督&脚本 クリス・コロンバス
音楽 モーリス・ジャール(オペラの使い方もよい!)


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