男きょうだい・2

或る夕方のこと。

住宅街の中にある児童公園の前に差しかかったとき、大きな声を上げて泣いている男の子がいました。小学校の3,4年生くらいでしょうか。
ヤンチャが度を過ぎたのか、はたまた口ごたえでもしたのか、事情はまったくわかりませんが、そばに立っていた母親は相当ご立腹の様子で泣き喚く男の子を無言で見ています。
公園にいるよその子たちや、私のように帰宅途中の者の「いったい何があったの、そんなに泣いて?」という不審げな視線に気づいたらしい母親は、「泣くんやったら家の中で泣いて!」と冷たく言い放つと、家の中へ入ってしまいました。
置いてかれた男の子がますます激しく泣くのでは…と心配した直後、どこからともなく男の子のお兄ちゃん(小学校5,6年生くらい?)が登場。さあ、どうする? 「気にするな」とでも言って慰めるのか、よしよしと頭でも撫でてあげるの? …と、なりゆきを見守る私。
お兄ちゃんは弟に手を差し伸べることも、肩を抱くこともせず、ただひとこと言いました。
「泣くんやったら、俺に抱きつけ」。
お兄ちゃん、カッコイイ〜! オトコマエ〜!
 
弟がその言葉に甘えたのかどうか、残念ながら見届けることはできませんでした(泣)。帰宅途中の通りすがりの私が立ち止まって見物するのは、あまりにもアヤシイですし。
私はふたり姉妹の姉ですが、姉である私が妹を大切に思う気持ちと、世のお兄ちゃんたちが弟を大切に思う気持ちは、かなり質が違うような気がしてなりません。強さとか濃さではなく、質が。
それは同性間の友だち関係にも当てはまることで、男の人には親友や仲間のためならば命も惜しくない…みたいなアツさがある(場合もある)けれど、女性の場合はいくら親友でも割り切るところは割り切るわよ、みたいな冷静さがあるような。
どちらがいいというのではなく、単純に違うなぁ…というだけの話ですが。
2007年10月27日(土)

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