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2003年03月31日(月) プリン・4


「お待たせ」
「ああ」

 翌日は、良く晴れていた。待ち合わせ場所の公園のベンチで本を読んでいた手塚は、聞き慣れた声に顔をあげ、少し眩しそうにリョーマを見た。休日の練習を終えて、急いで走ってきたのだろうか、まだ冷たさの残る空気に晒された頬が微かに赤みを帯びている。

「久しぶりっすね。元気?」
「大袈裟だな…最後に会ってからまだ二週間も経ってないだろう」

 手塚は軽く苦笑しつつ本を閉じると、脇に置いてあった白い箱をリョーマに向かってさしだした。

「ほら、越前」
「あ、ひょっとして本当に買ってきてくれたんだ、プリン」
「お前が欲しいと言ったんだろう」
「まあね、言ったけど」

 リョーマは意味ありげにそう言って、テニスバッグを地面に下ろすと、自分は手塚の横にちょこんと座った。

「見たかったなー、アンタがこのプリン買うところ。開けていい?」
「ああ」

 手塚は、リョーマが箱を開けている間、それを横目で見ながら黙っていたが、中身を目にしたリョーマが動きを止めると、口の端に笑みを浮かべて下を向いた。

「…ねえ」
「なんだ」
「…これってさ…」
「ちゃんと、お前の言った通り、店で買ってきたんだぞ」
「それはわかるけど…」

 箱から目線を手塚にうつすと、リョーマは軽く口を尖らせた。
 小さな白い紙箱の中に行儀よく納まっているそれは、予想していた卵色ではなくて、乳白色をしている。いわゆるミルクプリンだった。
 
「…こう来るとは思わなかったよ。結構やるじゃん…」
「どうするんだ、食べないのか」
「まさか。ありがたく、いただきまーす」

 リョーマはプリンを箱から出し、片方を手塚に渡した。

「俺、牛乳のプリンって初めて食べる」
「俺もだ」

 しばらく、手塚が小さなプラスチックのスプーンで乳白色のプリンを口に運ぶ様子を見ていたリョーマは、やがて小さな声で呟いた。

「ホントは、アンタをちょっと困らせてやろうと思って頼んだんだけどな…」
「?何か言ったか?」
「いーや、なんでも」

 リョーマは笑って、自分も手の中のプリンをすくって口にした。それは予想していたよりも甘くて、喉を気持ちよく滑り落ちていく。
 手塚とはいつも、お互いの気持ちを探りあったり、ぶつかりあって時に傷付いて、そんな緊張した関係でいる事が多かった。それが心地よいと思ってはいるのだけれど、たまにはこんなのも悪くない。

 ふと見上げた空は柔らかな青で、春はもうすぐそこなのだと、感じさせた。
 

 終わり。


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野郎ふたりでちまちまプリンなんか食ってんじゃねー!
(読者様を代表しての心の叫び)(代表されても)

 


2003年03月30日(日) 庭球祭のあれとかこれとか。

物販。
8時開始だったんで(あたしは午前の部)、どうせ並ぶから…と
朝5時半に起きて7時50分に到着したら、すでに庭球祭の袋持ってる人が…。
もう始まってる…
お金を払う精算所も、品物をもらうひきかえ所も、どっちもかなりの
スペースと人が使われていて、ほとんど待つこともなくスムーズに終了。
助かったけど拍子抜け。ステージまで2時間どうしろと(遠い目)
ちなみに、電車の中で袋を持参しなかったことに気がついたあたしたちは、
近くのコンビニで紙袋を買ったよ…
だって、あの目立つテニスのロゴが入った袋を持って歩くの恥ずかしいもん…
もう、いい大人だからさ…
負け犬と呼びたきゃ呼ぶがいいさ…!
品物ひきかえ所では、係の人と内容を確認しなきゃいけないんだけど、
「えーとリョーマのポップがひとつ、で、こちらが菊丸の…」
といちいち読み上げられるのに耐えなければならなかった。
何プレイですか…これは。
あたしのところは男の人だったんだけど、リョーマはリョーマなのに
菊は名字で呼ぶんだなーとかどうでもいいことを考えて耐えた。
「あと、手塚が3つですね!」
違うの、それお土産用なの!と心で叫んでみた。無駄なあがき。


会場。
てっきり屋外だと思ってたら違った。天井開閉式のドームみたいなとこだった。
良く考えたら、雨がふったら困るもんな…。
3階席だったけど、大きなモニターが4面にとりつけられていたので全く問題なし。
それにしても、モニターに照明に、カメラ数台、おまけにクレーンカメラまで!
すげえ、金かかってるよ…!
あたしたちは正直もっとしょぼい物を想像してたので(…)驚いた。
そして、司会が矢尾一樹だったのにも驚いた。なんでや。
本当かどうか知らないけど、14万通の応募があったって…。
あたし一通しか出してないのにな…。
千石君の鳥海さんが、みんな来れてラッキーだね!みたいな事を言っていたけど
本当だよ。今年の運を使い切っていたらどうしよう。
全国大会とコミケの当落分くらい残っていますように…!


ステージ。
本当に正直もっとしょぼい物を想像していたんだけど、
すげー面白かったです。なめててゴメンナサイ。
もう自分でも呆れる程喜んでた。端から見てたら馬鹿そのものだったと思うけど
ああいうものは楽しんだもの勝ちだもん!と自分を弁護する。
あれだけのカメラを入れていたので、いずれビデオなりDVDなりを販売すると思う。
そしてあたしは買ってしまうと思う。もういい、あたしの人生馬鹿でいいんだ。

おおまかな内容は、青学声優陣のショートコントと、意識調査みたいなのと、
夏に出るテニスゲーを使ったアドリブアテレコ勝負と、
テレビアニメの映像の生アフレコ、歌(青酢とキャップと瓶)、
コノミンと声優さんのトーク、だったかな。あとホリオ(笑)

普段そんな声優さんに興味ある方じゃないけど、やっぱり生で声聞くと違う!
イベント用の建物でないから、音響が良くなかったのは残念だったけど、
それでもツダケンボイスとか、結構キた。ツダケン本人もかっこ良かった!
乾汁の説明の時だけ眼鏡かけてて、それ反則だろ!とキオとふたりで喜んだ。馬鹿め。
ちなみにその汁は、甲斐田さんがものすごく辛そうに飲んでいた。
そして死にそうな声で、『結構いけるね』とコメントしていた。
午後は誰が飲んだんだろう…。また甲斐田さんが飲んだのかな〜。
タカさんには芸能人のオーラを感じた。流石だ。
テレビで見るよりかっこいい!と思ったよ(失礼…なのかなそれは)

念願の(…)生跡部様ヴォイスも堪能したよ!やった!
生アフレコは手塚戦のとこで、まさにたまらんという感じだった。
にしても、跡部様が出ると(声優さんでも映像でも)黄色い声が一段と凄くなって、
あらためて跡部様人気を思い知った。
来ていた声優さんは青学9人と千石君、伊武、裕太、跡部様、堀尾の14人。
司会の二人を入れると16人。
普通に話すと、キャラと全然違う声の人もいたけど(同じ人もいた)(桃とか)、
みんな発声がいいよね…さすがプロだ。


夏に出るテニスゲー、あんまり期待して無かったけど、キャラ絵が結構きれいだったし
手塚ゾーンの激しいまぬけっぷりが胸きゅんだったし、
予約特典のこともあって、買ってしまうことに決定した。
さすがにボイカもマンネリ化と思ったのか、今度はアニメDVD(だったかな)なの。
それがさー、『王子様の寝起き』だってよ…!まあいんだけどさ、あざといよなー。
そう思いつつも、釣られるしかない自分が悔しい!
だって、手塚が変なバスローブ姿だったんだよ!そんな面白いもの見ずには死ねない!
一瞬だったから実は浴衣だったかもしれないが、それにしては前が開きすぎてた。
そして乾は眼鏡をはずしていたけどうつぶせだった。怖い。

コノミン。
色々あるけど、とりあえずシャツのボタンは閉めようゼ☆
開きすぎ!それ開きすぎだから!そしてマイクの持ち方がやる気満々すぎだから!
面白すぎるから…!
矢尾一樹がどうでもいい質問ばかりするのもは閉口したけど、
でも、
手塚がドイツに行くハメになったのは実はコノミンのせいだということと、
ちゃんと帰ってくるということがわかったからいいや。
最初原作でもドイツに行くつもりでアニメスタッフに話した後で、
やっぱり九州に…と変えたら、アニメの方はもう間に合わなかったんだってさ。
色々なものが行き当たりバッタリな許斐に乾・杯!


そんな感じで。
正直なところコナミの商品宣伝を兼ねたイベントだったんだけど
(まあそうでなきゃタダで招待なんかしないか)楽しかったからいいです。
お客のマナーも良くて混乱もなく、気持ちよく参加できたよ。
次もあるならまた参加したいです。
なにはともあれみなさんお疲れ様でした。


2003年03月21日(金) プリン・3

 店員に声をかけようとして突然動きを止めた手塚を、乾は訝しげに見た。

「乾、お前だったら、どれがいい」
「俺?なんで?」
「お前にもひとつやるから、選べ」
「え」

 思いがけない台詞に、乾は驚いて手塚を見た。
 
「付き合ってもらったからな。プリン、好きなんだろう?」
「や、まあ、好きって言うか…」
「違うのか?」

 冗談で言っているのかと思ったが、手塚の顔は真剣だった。乾はしばし呆れて二の句をつげないでいたが、やがて可笑しくなって笑い出した。

「何が可笑しいんだ」
「あ、ゴメン…そう、プリン、好きなんだ。じゃあお言葉に甘えて、俺も同じのを、もらっていいかな」
「わかった。すみません、やっぱり三つ下さい」

 手塚は店員に言って箱をわけてもらい、その片方を乾に手渡した。

「ありがと、手塚」
「礼を言うのは俺の方だ、乾。助かった。ありがとう」
「役にたったなら良かったよ。…そうだ手塚」
「なんだ」
「このお礼にさ、来年は、俺が手塚にあげようか」
「…俺は、プリンはあまり食べない」
「そうか。じゃあ、すあまにしようか?」

 お前は何を言っているんだとばかりに手塚は眉を少しひそめたが、やがてその長い睫を伏せて、少し笑った。

「すあまも食べないが…それじゃあ乾、またな」
「ああ。また、高等部でね」

 歩き去る手塚の後ろ姿を見送った後も、乾は少しその場に留まっていた。
 手塚に渡された箱は、長身の乾には不釣り合いに小さい。端から見ればかなりちぐはぐで笑いを誘う姿だろうな、と乾は思った。
 手塚はテニス以外の部分は大抵不器用だし、言葉もあまり多くはない。素っ気無くて控えめなこの白い小さな紙箱は、まるでそんな手塚の気持ちを代弁しているかのようだ。 

「来年、か…」

 誰に言うともなく呟き、軽く眼鏡のフレームを指で押し上げた。
 来年の今頃は、もう、

「手塚は日本にはいないかもしれないけど…ね」

 小さな箱を不器用な手つきで抱えながら、乾は家までゆっくり歩いて帰った。


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まだ続く。でも、次で終わるので。




一昨日のタイトルでフトミミは真田と書いたけど撤回する。
フトミミは橘。絶対橘。
そしてマネカタ軍団は不動峰の2年生たち。
みんなフトミミさんが大好きだよ!
拷問されながら、フトミミさんを助けてえ〜って魔人テヅカクニミツに泣きつくんだ。


2003年03月20日(木) プリン・2

「何探してるの」
「いや…プリンを」
「誰かに、プレゼントで?」
「越前に…って、え?」

 自分の世界に入っていた手塚は相手も確認せず思わず返事をしてしまい、我に返って振り返り、声の主を確認してあやうく飛び上がりかけた。

「い…乾!」
「やあ」

 声の主は、乾だった。

「卒業式以来だね」
「あ、ああ。お前、こんなところで何を」
「何をって、俺がケーキ屋にいたら変かな」
「変というか、その」
「俺だってケーキくらい食べるよ」
「そうか」
「ま、もっとも今日は手塚が見えたからさ。珍しいなと思って」
「…」
「ただ、手塚がケースに貼り付いてると営業妨害じゃないかな。他の客が近寄り難い」
「そうか、気をつける」
「別に気をつけなくてもいいけどね…ところで」

 乾は一瞬視線を手塚からガラスケースにうつしたが、再び手塚の顔を見て、聞いた。

「越前にプリンって何?ホワイトデーだから?」
「ち、違う!」

 その声の大きさに店員と他の客が一斉にこちらを見た。女性客がいかにも微笑ましいといった様子で二人を見ていて、手塚は顔が熱くなるのを感じた。もっとも、彼女は「越前」を女生徒だと思っているに違いない。

「そんな大きな声出さなくっても。冗談だよ」
「言っていい冗談と悪い冗談が…」
 
 手塚の様子を観察しながら、乾は内心「手塚でもこういう事でからかわれると焦るんだな」とかなり失礼な事を考えていたのだが、もちろん手塚にはわからなかった。冷静な乾と反対に、手塚は落ち着かない様子で、さらに聞かれてもいないのにやや弁解がましく言った。

「ちょっと色々あって…。借り、というか…。今日なのは、たまたまだ」
「ふうん。お礼に、ってこと?」
「…そうだ」
「越前ってプリン好きなの?」
「本人に、そう言われたんだ」
「へえ。それは知らなかったな」

 話の方向が少しそれたことに安堵して、手塚は再びガラスケースへ目をやった。

「じゃあそんなにじっと見てないで買えば?」
「それはそうなんだが…でも、本当にこれでいいのかと思って…」
「ああ」

 手塚の言わんとすることを乾は了解したらしかった。

「まあ、確かにプリンのイメージからは離れているかもしれないけど、ここのプリンは厳選した卵が使われていて味も濃厚だし、今苺も旬だから、悪くないんじゃないかな」
「……そ、そうなのか」
「ただ、カラメルが少し甘過ぎるかもしれないな。あとは、向こうの通りにある店のプリンもなかなかおいしい。少し値段が張るのが難点だが」
「詳しいな、乾」

 乾の言ったことの半分も分からない手塚は、ただ心底感心したという顔で、乾を見た。

「ああそうだ、迷ってるなら駅前にプリンの店があるよ。行ってみるかい」
「プリンの店?」
「結構種類もあるし、値段も手ごろだよ」
「…行ってみる」
「じゃ、行こう」
 
 いつのまにやら乗せられていることに気がつかないまま、手塚は乾と店を出た。駅前ではホワイトデーのため様々な洋菓子屋が臨時で店を出しており、スーツ姿のサラリーマンや学生らしき男性客でそこそこ賑わっていた。それを横目で眺めつつ、二人は目指すプリンの店に辿り着いた。

「これ、みんなプリンなのか」
「そうだよ」
「色々あるんだな…」

 明るく照らされたガラスケースの中には、様々なプリンが所狭しと並べられていた。黒ごま、マンゴーなど、プリンと言えば卵しか知らない手塚は目を見張ってそれらを眺めていた。乾は興味深げにしばらくその様子を観察していたが、やがてひとつのプリンを指差して、言った。

「越前にあげるなら、コレなんかどうかと思ってさ」
「ああ…」

 手塚は目を細めてその指先にあるカードの文字を読むと、一度顔をあげて乾を見た。そしてわずかに笑みを浮かべ、頷いた。

「そう、だな。これにしよう」
「ね」
「じゃあこれをふたつ……あ」
「どうしたの?」

 店員に声をかけようとして突然動きを止めた手塚を、乾は訝しげに見た。

(続く)

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ここだけ読むと全然リョ塚じゃないにゃん(にゃんじゃねえ)


2003年03月19日(水) フトミミは真田の方向で。

てゆうかさあもう
あんな試合、全然ルールの勉強になんかなってないから!
手塚は駄目な子すぎてホント愛しい。
右手で手塚ゾーンなどという人修羅な技が使えるくらいなら
ドイツになど行かなくてよい。
ボルテクス界で悪魔と交わって創世をすればよい。


そんなテニスのめがみてんせい。
東京受胎によって変容してしまった世界で
魔人てづかくにみつとなり
悪魔と合体しつつ世界を創造するゲームなんだよ!
どの悪魔とねんごろ(…)になったかで
世界が変わるマルチエンディング。



魔人・テヅカクニミツ
<スキル>
誘惑
マリンカリン
ライトマ
破魔の雷光
リベラマ
吸魔
リカームドラ
手塚ゾーン


地母神・フジシュウスケ
<スキル>
マハムドオン
メギドラオン
デスカウンター
チャクラの具足
誘拐
マカラカーン
三分の魔脈
羆落とし


鬼神・エチゼンリョーマ
<スキル>
暴れまくり
猛反撃
ヒートウェーブ
マハラギダイン
挑発
耐呪殺
見覚えの成長
ドライブB


凶鳥・イヌイサダハル
<スキル>
アナライズ
ラクンダ
タルンダ
スクンダ
ラクカジャ
マカカジャ
雄叫び
高速サーブ


妖獣・キクマルエイジ
<スキル>
静天の会心
煌天の会心
特攻
食いしばり
菊丸ビーム


堕天使・アトベケイゴ
<スキル>
マハジオンガ
高笑い
洗脳
セクシーアイ
ベノンザッパー
召し寄せ
原色の舞踏
破滅への輪曲


魔獣・センゴクキヨスミ
<スキル>
ザンダイン
リフトマ
トラフーリ
宝探し
ストーンハント
借金
獣の眼光
虎砲


こんな感じで。
うわー、違和感ねえ〜(特に跡部様)
原色の舞踏って本当にあるんだよそういうスキルが。
最後のいっこ以外は、全部本当のスキル。
でもこんな仲魔しかいなかったらちっとも先にすすめないよね…
誰一人として回復魔法が使えません。
ちなみに不二先輩は、呪殺を反射するよ!
リョマの耐呪殺は不二先輩対策として覚えているスキル。

そして邪教の館の主は大和雄大。違和感がなさすぎる。

分からない人(殆どと見た)にはまったく分からないネタだ。
分かる人にはこれがいかに使えないパーティか分かってもらえるかと。
あーでも、よく見るとそうでもない気がしてきた。
多分一番使えるのは乾だな。


2003年03月16日(日) プリン(仮)

思いのほかここ見てる人いるみたいなんで…何もないのもアレだし
ホワイトデーに間に合わなかった(しかもまだ書き途中の)リョ塚
をこっちに小出しします。ここはタグ打たなくていいし。
書き終わった時点でサイトにあげる。
そんな、計画性があるようで実はない人生を常に送っています。

でも、書いている内にそこはかとなく乾塚になってきたのが
最大の無計画ポイント(…)

ちなみに、サイトにあがってる『あなたに。』が前提。
といいつつ読んでなくても全然平気。無計画。

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『プリン(仮)』


 卒業式も終わって数日が過ぎた三月の十四日、世間で言うところのホワイトデーの日、手塚は駅から程近いケーキ屋の前にいた。
 先月の十四日、つまりバレンタインの日にささやかとはいえプレゼントをくれた相手、越前リョーマに何かお返しをしようと思いはしたものの、そういうことに普段慣れてない手塚に気の利いたものが思いつくはずもなかった。それならいっそ本人に欲しいものを聞いた方が早いだろうと、リョーマに電話をして欲しいものを聞いた。

「んー…そういうことなら、プリンがいい」
「…プリン?」
「まさかプリンを知らないとか」
「それくらい知ってる」
「じゃあプリン。あ、コンビニとかスーパーで売ってるやつじゃなくて、ちゃんとケーキ屋とかで売ってるやつね」
「…わかった、プリンだな」
「楽しみにしてるっすよ」

 リョーマの声は明らかに笑いを含んでいたが、とりあえず希望が聞けたのでよしとし、十四日は部活で遅くなるから翌日の土曜日に会うことにして、電話を切った。

 手塚は生まれてこのかたケーキ屋などに足を踏み入れたこともない。少し迷った挙げ句思いきってガラスの瀟洒な扉を開けると、大きなガラスケースの向こうから、女性の店員がいらっしゃいませ、と可愛らしい声をかけてきた。店内にいた若い女性がちらちらとこちらを伺っていて手塚はしばし立ちすくんだが、黙ってガラスケースを覗き込んだ。

(プリン…ってこれか…?)

 カードにプリン、と表示されているそれは生クリームやイチゴで綺麗に飾られていて、手塚が想像していた物とはかけはなれていた。だが、リョーマはわざわざ『ケーキ屋のプリン』と指定してきたのだし…と手塚はそれをじっと見つめたまま、身動きもせずにしばし考え込んだ。その時、背後から誰かが急に声をかけてきた。


つづく(続くな)
あたしもプリンが食べたい。

追記
すげえ読みづれえ!(プレビューではもっとこう…)


2003年03月12日(水) オフィシャル駄目塚


全編通して手塚の駄目さが赤裸々に晒されていた。
手塚が駄目な子だってことはもうみんな知ってるから!わかってるから!
これ以上強調しないであげて!そんないたたまれない気持ちでいっぱい。
「練習の邪魔だったか」だって…!大石がはっきり邪魔だなんて言えるわけない。
あれはきっと大石いじめなんだよ。手塚の分際で。
みんなに構ってもらえないからって拗ねやがって…!
自分がいなくてもみんな普通に練習してるからっていじけやがって…!
本当に色々と駄目すぎて愛しいよ!手塚!

公園のベンチで子供を眺めつつ昔を語るおっさんふたり。
あんたたち一体何がしたいの!
アニメの乾はあからさまに手塚を好きすぎる。優しい子すぎる。
手塚は痛めてる左肩にバッグを背負っちゃうような子なんだもん…
俺がかまってあげなきゃって気になるよね…

本当に大石には何がおこったんでしょうか…
手塚のために山を選んだのかなあとは思うけど、あの空回りっぷりが
なんとも言えず大石っぽくて好きです。
山へ行こう!って言った時の下級生トリオの冷めた態度。
…いたたまれねえ!
リョーマですら、あのメンバーの中にいると極々普通に見えるのがすごい。

きっとみんな徹夜だったんだよね。朝日が出る頃のあの挙動からして。
不二先輩はいつでもマイペースだからきっとあれが普通。
でも他のメンバーはもう完全にイッてた。


呼び出しだって!手塚の分際で!
文句も言わずに従ってあげるレギュラー達。やさしいこ…!(ナウシカ)
集合した時のリョーマがちっちゃくて可愛いー!一年生って感じで!
そしてあの演出。リョーマも手塚を好きすぎだから…!
あからさますぎだから!抑えて抑えて!(お前が抑えろ)
突然「治療のためにドイツに行くことになった」って言われて、
誰一人として ハア〜? って返さない。あたしだったら言っちゃうのに。
みんなもう慣れてるんだ…手塚は駄目な子だって知ってるんだ…。

長期間ってどれくらいなんだろう…それによってアニメが続くかどうか
決まるって感じなんだけど。
でもさー、よく考えれば肘は完治してて、肩はもともとなんともないわけだから
そんなに治療に時間かかるのかな…って思いはじめた今日この頃ですよ。
九州ならまだしもドイツかよ!学校とかお金とかさ…どうなの…?

来週はリョ塚。しかも今度は公衆の面前ですよ!
レギュラー達に二人の愛を見せつけますよ!(…)
だけどリョーマとのワンセットマッチに耐えられるなら、
何も今ドイツに行かなくてもいいんじゃ…?


久しぶりに長くなった。
あたしはやっぱり手塚が好きなんだ!


hidali