Kyoto Sanga Sketch Book
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2004年05月29日(土) 【山形戦第15節】〜三人目のFW

数少ない、西村サンガでのいい思い出の試合です。
チェ、黒部に隠れた三番目のFWがかわり始めた。


終了後、陽のかげり始めた競技場に響いた。

「こういうチーム状況の中応援してくれて、皆さんのお陰で連勝できたと思うので。」

田原の昔より驚くほど大人びた、落ち着いた声と言葉。
そのヒーローインタビューをスタジアムの歓声が掻き消す。
サポーター達が右に左に、小さく走り出した。

1年8ヶ月ぶりの連勝らしい。

摂氏32度を超える京都の大気は、熱く気だるく、そしてなんだかハイ。
まるでスタンド全体が、心地よく生ぬるいビールに浸かっているよう。




実は、開始直後から2位の山形に攻め込まれていた。
元京都のFW大島に合わせてどんどんクロスが投げ込まれる。あやうい京都のDF。

しかし、22分、相手ファールからの中払の素早いリスタートからは、落ち着きを取り戻したのは京都の守備。
お互いスリリングとはとても言えない遅攻の中、問題なく見える山形の組織的プレーの小さな綻びを、油断を、
京都のダイレクトプレーが突くかたちでゲームは進む。。


1得点目。
倒れた田原、横で素早く中払がリスタート。
右サイドの熱田に壁パスし、勢いよく前線に駆け上がりゴール!

サポーターに感謝の投げキッスをする小粋な(?)ハライ。

2得点目。
右SBの和裕からのFK。ゴール中央で待つ黒部が頭で落とし、田原がそれを捕らえる、
飛び出してきた相手GKの腕の下をすり抜けたボール!

田原を中心にもう大騒ぎのピッチの選手たちとゴール裏。

3得点目。
コーナーキックから松井のボレー(だったけな?)、
DFに弾かれたボールを、黒部がダイビングヘッド!

両手を広げて喜んで疾走始める黒部。チームメイト達が抱きつこうと追いかける。


もう、競技場はいろんな人が酔っ払っていた。応援も調子がはずれる。
なにせ、摂氏32度、雨の予報の中湿度も異常に高い。
でも、もう誰もが何に酔っているのか判らない状態。


ただ、後半はぐたぐたな展開。
たぶん選手まで全員、胸までビールにつかっていたんだろう(笑)。
(引いて受身になっていた、と公式で手島談)






田原への祝福が終わった。

久々の連勝に沸く競技場から人々がだんだん消えていく。
左右に走っているサポータを見て
私も3年前、大宮の石畳を蹴って大喜びで走ったを思い出したり。
あの頃の彼は、まだマリノスにいたんだよなぁ。

足元に落ちていたマッチデープログラム。
そこには怪我のチェの代役、昔より痩せて少し髭までたくわえたFWが写っていた。

3−0 勝利
田原豊の3試合連続得点で、少しづつ順位は上昇中。

4位



※珍しくスタメンが前節と同じだった。
「やっと攻撃の形が完成してきた」松井談。そう思いたいけど。


2004年05月16日(日) 【福岡戦第12節】〜スコアレスドロー、9位後退。


テレビ観戦です。続けて福岡戦なってしまいました。ごめんなさい。


テレビ中継、その昔は「J1とJ2は、スピーカーからの声援の音でわかる」
「J2の声援は寂しくて見れたもんじゃない」と言われたもんだけど。

博多の森も西京極、等々力らと同様、他のJ2とは違った。
地の底から沸き起こるようなサポーターの歌が響く。
それは昇格に本気のチームのホームの特権。

激しい雨の中、
双方のチームは最終ラインを押し上げ、中盤で激しい潰しあいを見せていた。
青のユニフォーム、白のユニフォーム
激しい雨に濡れて、選手達の髪は黒くべったりと張り付いている。


今更実感したのは、

DFに手島が帰って来るとチームが全然違うなぁ、と(対戦相手にもよるだろうけど)。
的確なラインコントロールがあれば、
まだミスが多かろうと、コンビネーションが熟成されてなかろうと、
「がぶり四つ」状態のお金を払える戦いが見れることが多そう(まぁ勝敗は別として)。

そして松井。
今までの試合、無駄なパス回しで何もチャンスを作れなかった中盤が、
彼の個人技で変わる事が出来た。

(それって嬉しいような、チームファンサポとしては微妙なような。。)




■ 前半 ■


4−5−1。相変わらずイジリまくりの京都。
前節から復活した手島を中心に、辻本、和裕、悟の4バック。
怪我を押して2試合ぶりの出場、黒部の1トップに、その下で中払からシャドー気味に動く。
石丸・ビジュのダブルボランチ。

そして、福岡の攻撃の起点ベンチーニョが前線に飛び出す度、中に入る度、
ビジュがマークに走ってました。


注目は、スタメンに抜擢された美尾&中山博貴のフレッシュな両サイドでしたが、
美尾君は上下左右に精力的飛び回り顔を出すものの…まだ連携面もあってか効果的な働きはできず、
博貴は右に張っているが、ワンテンポ判断が遅れる。

京都は短い立ち上がりの時間以外は今日もチグハグ。
セカンドボールは悉く福岡に奪われ、
速く的確なパス回しに翻弄される

つまり、前半は完全に福岡ペース。

ただ、心配したほど両サイドは抜かれてなかった。
とりあえず無失点で福岡の攻撃を「凌ぐ」。




■ 後半 ■


博貴に代えて松井が入る。

流れが全く京都に傾く

今日の松井は一人でも打開力があった。
ボールをキープ、相変わらずパスの出し所がないと、
そのまま一人で抜いてつっかかる。ボールが集まって来る。

そして今度は27分。美尾に代えて熱田が入ると、
松井と熱田、二人の動きに相手の中盤選手達まで下がり、またそこにスペースが生まれ、
久々に走りこむ他選手にボールが繋がる場面が。

反対に福岡は、ベンチーニョ、山形と、選手を下げる度に怖さが減っていった。

(新たに右サイドに入った宮崎君のスピード突破には晒されましたが)


バックラインは手島復帰であの「京都」らしい高さが復活。
中盤が非常にコンパクトに。
彼の復帰で位置、守備の安定性から他のDFも攻撃参加がいつも以上に見られた。

こうして、まぁなかなかフィニッシュまでいけないながらも、京都にチャンスが。

ビジュのシュート、
辻本のボレーシュート、
松井のシュート、

そして、40分過ぎて最大の見所到来。
松井のスルーパスを受け、
相手をフェイントしながらドリブル、ペナルティエリアまで走り込んだ熱田。
反応した田原が走りゴール前にそびえ立つ。相手DFは誰もいない!

が、田原のシュートはゴールを大きく超えて…

地面に手をついて、田原が固まった。次の瞬間悔しそうに顔をあげた。





スピーカーから幽かに聞こえていた京都サポーターの声。
しかしその頃になると、博多の人々の声にかき消されて全く聞こえない。
ただ、福岡サポーターのオーレが響くばかりで。

両チーム無得点のまま試合は終了。

完全燃焼とはほど遠い両チームでした。
でも第3第4クールと回を追うごとに、その熱気はJ1優勝争いの段じゃなくなってくるはず。







で、0−0のスコアレスドローをどう見るか。この試合で何を求めていたか人それぞれ。
で、やはりチームの熟成度は福岡が上なんだろうなぁ。

でも初めて、王子&帝王同時出場で機能したのを見たわけで。
黒部が捻挫さえしていなければ勝てたはず。
(でもまた五輪長期抜けや、怪我離脱があるんだろうと思うと不安)

ベストメンバーを前提とした、彼らの個人的な技能判断だけになんて頼りたくない。
見ての通り、今J2はほぼどこも怪我人や不調者を抱えているんで。
(資金難に喘ぐ鳥栖や、DF総入れ替えでもうちに勝てる甲府が羨ましくなる訳で)

そして、忘れてはいけないのは、
後半京都ペースが続いたのは、相手の選手交代の失敗も関わっているという事。
あそこも怪我人が出ても京都のように選手層が厚めなんで、監督のその時のチョイスが鍵になるのかな。

監督交代の話は少し抑え目になるのかなぁ。
一試合一試合で変わってはいけないんだけど。

もし昇格できても、来年監督を代えざるを得ないようでは来年以降も同じと思うんだけどなぁ。
できることならお早めに、というのが私の持論でも、形ができたらイジルのは危険。
ただ、少しは保険かけておいて下さいよー。
最低、来年に向けてでも。

最後に、解説の柱谷兄がいつもと違うんで、ずっと弟だと思ってました。
解説の口調も内容も。風邪でもひいてたんでしょうか。



0−0
9位後退

(現在J2残り32試合。2位〜9位との勝ち点差は僅か6の大混戦)


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