すずの日記        

すず                       




 銀行嬢

あたしは、よく銀行へ おつかいに行く。
だから、窓口の彼女の機嫌がいいことは、スグわかった。

ニコニコ ニコニコ 
彼女は、目をキラキラさせていた。
少なくとも そう見えた。

『今日、冷房が入ったんです! 快適でしょ! 涼しいでしょ! 今日なんて暑いですよね!』
「…確かに、涼しいですね」
いつも、無口の彼女が やけに早口だった。

そしてそれよりも、あたしは 嬉しそうに話す彼女の手元に不安を覚えた。
バンバンと勢いよくハンコを押す。
振り込み用紙にハンコを逆に押し、押しなおし、さらに オマケだろうか また2度も押した。

だ、だいじょうぶ…だろうか。 

でも、よっぽど、嬉しかったんだろう。
あたしは、銀行嬢が暑いのが苦手だと推察する。





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2003年06月27日(金)



 無謀

『ねぇ、試験受けるんだってね。一般常識とかあるの?」
「うん、あるよ 一般常識 あと 専門試験」
『違うって、あんたに一般常識があるの?ってこと」

「いいの あたしが受けることによって倍率とやらを上げるの」
『いや、あんたをみんな踏み越えてるから』

すばらしい言われようだが、受けてきた。
帰って、みかんさんと爆睡。

普段使わない力を使い、使うまでもありませんが
大変疲れました。



2003年06月22日(日)



 ユーモラスおばあちゃんs

近所の病院 有名人。
あたしは、会ったことがないですが…

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『わ〜た〜し〜の口に だ〜れか〜 あめ玉を入れて下さ〜い』
と 大声でいいながら 口をあけて歩いている おばあちゃん。

日々 あめ玉を求め歩いているそうです。
でも、どうも詰まらせちゃいそうで、怖くてあげられないと思うのは、きっと あたしだけじゃないと思う。

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車椅子に乗りながら
『だ〜れ〜でもいいから〜 ちょっと〜押してくださ〜い』
と いつも大声で助けを求める おばあちゃん。
「どこまで 押せばいい?」
『それが、わからないのよ…』

つまり、自分でココまでやって来たけれど、疲れたので散歩に連れ回して欲しいということだそうです。 

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さあ、おばあちゃん達を見習って、自分の意志は、はっきり伝えよう!





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2003年06月20日(金)



 失礼な奴ら

一緒に昼食を食べる子がいないというので、彼女とご飯を食べた。
のちに、あたしはひどく後悔する。

女の子って奴は、一人でご飯を食べれなかったり、買い物にも行けないという子もいるのだ。
あたしは一人で全然平気なんだけど、というか逆に楽かもしれない。

パンを食べてたら唐突に聞かれた。
『ねえ、彼氏いる?』
「…いないねー」

『欲しくないわけ? 欲しくないの?』
「…いや、どっちでもいいかな」

『ねえ、歳いくつ? 22か23ってとこ?』
「うん、そうだよ」

あまりにも質問攻めにしてくるから 聞き返してやった。
「あなたは、歳いくつ? 彼氏はいるの?」
『いやっだ! そんなこと聞かないでよ。聞いちゃダメだよ』
どうやら、あたしより 少し歳上らしい。
でも、そんなに隠さなきゃいけないことなのか?

パンがまずかった。
明日からも、一緒に食べなきゃなんないのかと思うと憂鬱。
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『あの、俺 怪しい奴じゃないから、ねぇ ねぇ 美容師だから…怪しくないから 美容師だから!』

そんなに 美容師はいいのか?!
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なんか、理不尽だ。
なにかが、おかしい。狂ってる。





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2003年06月16日(月)



 眠り族

あたしとみかんさんは、フルフルと密かにおびえる。

あたしは、彼女の寝起きの機嫌の悪さに…
蹴りを入れられました。
机の物を落とされました。

みかんさんは、踏み潰されるという恐怖に…
みかんさんは、びっくりしてもがき、救いを求めました。

彼女は、眠り族なので 翌朝 その記憶はございません。
なぜなら、[眠り族たる者、眠りに忠実でなければならない]という教えを守る 眠り族なのだから仕方ない。

『どうも、どうも 今夜もお世話になります』
「いえいえ お待ちしておりました、みかんさん」
妹が眠りに落ちたのを見計らってソロソロと避難してきた みかんさんをあたしは自分の布団に招き入れる。

今日も 明日がやってくるまで一緒にいい夢をみましょう。





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2003年06月13日(金)



 職場は廊下なり

『職場は、こちらになったんですか?』
『今週、ずっと廊下にいますよね』

「はい、そうなんです。今週いっぱい廊下に住みます」
あたしは、えへへと笑顔で答える。

物珍しそうに通行人の視線を感じる。
見るな、見るな!
見せものじゃない!
今週のあたしは なんとなく動物園のパンダの気分。
週の真ん中にもならないのに、お疲れ〜。

それにしても、本を梱包するのは、実に地味な作業ですね。
今週で終わるのか!? 





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2003年06月10日(火)



 福沢諭吉さん、モドル

『ご迷惑をおかけしました…』
「いいの、あなたが帰ってきてくれて ホント嬉しいわ。だって やっぱりね、夏目漱石さんでは心細いのよ」
あたしは、1枚の福沢諭吉さんを歓迎した。

一時は、誰か親切な人に拾われて、可愛がられていることだろうと、あきらめた。

ところが!!
定期を買った駅から連絡を受けたのだ。
『あなたの福沢諭吉氏を お預かりしていますので、お手数ですが お迎えに来ていただけますでしょうか?』
「はい、ありがとうございます! 喜んで』
親切な駅員さんが 朝6時45分に我が家に電話をくれた。
ありがとう。

「さ、デパートに出かけましょう。福沢諭吉さん!」
あたしは、福沢諭吉さんを握り締めて出掛けた。 
新たな持ち主を探しに…





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2003年06月07日(土)



 行きは よいよい帰りは怖い。

今日、美術館へ 地下鉄に乗り、てくてく歩いて行った。
フラナガン,バリーの「三日月と釣鐘の上を跳ぶ野ウサギ」というブロンズ像が気に入った。
三日月と釣鐘、なんて素敵な組み合わせ。
そして、空中を蹴って跳ぶ兎。
満足した あたしは、また てくてく帰ることにした。

猫に出会った。
「おーい」
墨をぶちまけたような真っ黒の猫は、公園内の道の真ん中でポツリ座っていた。
あたしがのぞきこんでも、声をかけても ピクリともしない。
大きな目だけが こっちを見てた。
「野良にしては、なかなか素敵な毛並ですね」
『・・・』
動きも鳴きもしないので、つまんないので サヨナラした。
通り過ぎて振り返ると、黒猫はやっぱり道の真ん中に座っていた。

で、また てくてく歩いたら まわりの風景がヘンでした。
そう、迷った。

また 道に迷った。
あたしは どうやら逆に歩いていたらしい。
駅ひとつぶん 遠くへ歩いていました。

今となっては、猫に警告されていた気がしてならない。





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2003年06月06日(金)



 時間のズレ

あたしの時間軸は、人より少し傾いていて 
どこかで知らないうちにズレが生じる。

だから、まわりの人が火曜日だという感覚の時に、
一人寂しく水曜日。
眠っている間に、一日分 飛び越えたのか?

それは、意味のあることなのか?

「オヤスミ」

もう そろそろ明日に飛びます。
たぶん また明日あさってに飛ぶだろうな。





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2003年06月03日(火)



 お人形おばあちゃん

おばあちゃんの新しい家 には、お人形を抱いているおばあちゃんがいます。
いつも両脇にひとつずつ抱いています。

『最近ね、この子たち夜泣きをしなくなったのよ。
きっと、夜 寝る時に二人を引き離したのが良かったのね』

お人形おばあちゃんの悩みは解決したようでしたが、

『この子たち ちょっとおかしいのよ。
ほら、目が真っ黒で 白いところがないのよ』

世の中、悩みがつきませんね。
あたしの悩みは、まだまだ いっぱいありますが、
とりあえずいま お金がないってことだな。





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2003年06月01日(日)
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