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2003年03月31日(月) この世で一番大切なもの

 ずっと淋しくて堪らなかったのだろうと思う。

 感じたのは誰だったのかさえよく分からなくなる。
 でもきっと凄く好きだけど怖くて堪らない人になるんだ。

 頭がいい人。学力という意味ではなく、実際に頭のいい人。彼らは非常に精神年齢が高く、他との関わりが太く長い。それは人間とでも事物に関しても。そうして彼らは迷い無く、或いは迷いながらも、選び取る、唯一つを。
 己は正反対の人間だ。要領なのか学力は人並みにはあったが頭が悪い。パニックになって何も出来なくなる。過去から学ばないことはその証拠だ。精神年齢が低く、退行現象でも起きているのかと思うほどだ。そして誰に対しても浅くしか付き合えない。細く短く。そして道が分かたれてしまった瞬間から記憶から消えていく人間。迷いの中で生きている。時間を浪費し、迷うことさえ出来ていない。迷うだけの何かも見つけてはいない。
 己は彼らに憧れる。彼らに成り代わってしまいたいと思うほどに、同一化を望むほどに、焦がれる。恋のように。
 でも己は決して彼らの傍にいられない。
 怖くて堪らないんだ。あの眼が怖い。彼らの眼に己の視線を合わせられない。見抜かれてしまうから、己の底の浅さ。全てを曝け出してようやく成り立っている己を見抜かれてしまうから。
 実際、もう見抜かれているのだろう。あの眼。でも傍にいなければそれを実感することも無い。友人としての位置が一番いい。分かっていた筈なのに。完全に離れるには彼らは眩しすぎて苦しいくらい惹かれるから。だから今の位置でいい。

 だから離れていかないで。傷を深くするだけかもしれないけれど、友人一人失うくらいなら、恋人なんて要らない。替えが効かないのは絶対に友人だと思っている。だから彼らを失うくらいなら抱きしめてくれる相手なんて要らない。

 何か間違っているように思う。己は大分おかしいのだろう。でもこれが本心。そういうことなんだ。


 それが貴方だとは云えない。
 己にとってそれは友人、家族。


2003年03月30日(日) 後悔に苛まれる日

 何か胸を突かれる。この人の真剣さに胸を打たれる。そして己を顧みて寒くなる。
 少し間違ったかもしれないと思った。より近いのはこの人なのではないかと思った。己の中に在った遥か昔の記憶や感情をこの人は未だに持ち続けているのだと思って、それが酷く驚いて羨ましいような気分になった。
 己を間違っていると思うわけではない。こういうことは時機というものがあってそれに上手く乗ると分からないままでも始まる。要するに真実好きかということはあまり関係ない時だってあるということではないだろうか。そう己は思う。
 真実に好きだってどうやったら分かるのだろう。真実って一体何だ? 己にはまだ分からない。

 彼を友人以上に思えないかもしれない。身体を重ねてそれでも溺れられなかったらそれはきっと恋ではないだろう。友人として付き合っている筈の彼女にさえ欲情する己なのだから。
 関係を持ってしまったら離れられなくなるだろうか。そうして友人としての付き合いすら出来なくなってしまうだろうか。

 己にはまだ彼よりも今の友人の方が大切なように思う。そして未来の友人も。納得して別れる術を今頃から考えている己はおかしいだろうか。酷いだろうか。溺れることが出来ないというのは恋ではないのだろうか。

 あの場で断って苦しくならない己で在りたかった。


2003年03月29日(土) きっと

 舞い上がってるのは己の方だろう。
 期待はしたくない。期待した分だけ辛くなるから。失望も絶望も深くなるから。
 待つのは嫌いだ。待つ時の時間は長く引き延ばされる。待たせている身からは想像もつかない程、長く遠く。
 己は間違っていたのか。分からない、まだ。見えない、声だけの彼に己は会いたくてたまらない。会って触れたら少しは分かるのだろうか。この不可解さが何であるか。傾いていく心が本当なのか。

 アイシテルなんて云わないで。泣きたくなるから。



 逃げたくない。それなのに泣きたいくらい余裕の無い自分がいる。苦しくて堪らないんだ。どうしても切羽詰ってしまうから。
 逃げ出したい。逃げたくない。生き残るその為に。



 記憶力が悪い。ザルのようにすり抜けていく記憶の断片を繋ぎ合わせる。そうして漸く生きている。
 彼の顔をすでに思い出せない。酷い人間だと思う。こんな人間だって君は知らない。


2003年03月28日(金) 冷静と情熱の間

 友人から夜中にメールが来た。
 話聞いて死ぬほどのけぞった。予想しなかったし。まあ何がともあれめでたい。
 メールを返した。
 己も予想してなかった。自分でも驚いてる。世話掛けるかもですがそん時はよろしく。
 直後に電話が来た。この人の声が己はとても好きで、耳元で聞くそれに少し心穏やかでなくなる。少し話をした。笑い出すその人のからかいを含んだ言葉に心が震える。[いい奴だから]、そんなこと知ってる。君みたいな人が長く付き合ってきた友人。そんなことは分かっている。でも君の己に対する評価はきっと買いかぶりだ。嬉しいけど己はそんなに評価してもらえる人間じゃない。
 [不幸にはしたくない]と云った。本心ではある。でもそれは己にその要因があると知っているからの言葉で、君はそれに気がついたろうか。
 己は舞い上がっているけれど、そういう風に妙に醒める。気づかないくらい醒めている。舞い上がって熱くなっている心のもう一方で重たく塞がれた心がある。君は気が付いただろうか。

 危惧しているのは同一化ではないかということ。彼の傍にいれば違う立場として離れないでいられるのではないかというそういう考えに囚われる。囚われているのではないかという危惧。それが己を不安にさせる。
 不幸にしたくない。不幸にするだろう。己の心は未だ彷徨っている。貴方の友人を幸せになんて出来ない。その時に己たちは戻れるのだろうか。友人になれるのだろうか。
 解らない。続くことを前提にした会話の向こうで己はどんな顔をしているのだろう。先のことが解らない。当然の事。でも己の心がこのままだと辿り着く未来は決まっているような気がする。


 先のことなんて分からないと云いたい。


2003年03月27日(木) それが故に

 有難うと、この場を借りて。こんな拙い文を読んでくれて、気に掛けてくれて。
 フォームをつけないのは言葉を期待してしまう自分がいるから。投票だけでも期待して失望している自分がいて、そういうのが凄く嫌で堪らない。

 期待されるのが嫌いだといったあの方にひどく傷ついたけれど、それはきっと己自身の真実を突かれたから。己が期待せずにはいられなかったから。だから? そういう根拠の無い期待や、それが故の失望や絶望を味わうことが苦しい。
 自分で自分を追い込むなんて莫迦げているだろう?


2003年03月26日(水) 天変地異

 天変地異みたいなもんだと思った。己にとって恋愛とは憧れ妄想する世界でしかなかったから、それが現実になってひどく戸惑っている。
 相手のことを嫌いではない。多分好きだろうと思う。でも己は高々五日間の彼しか知らない。直接会ったのは一日半くらいのものか。それでいいのかと思わないでもないけれど。
 同じ年でありながら学生と社会人で、関東と東海に離れて住んでいて、一週間も無い付き合いの中で、彼の言葉を受けたのは何故なのかと自問を繰り返している。
 一目惚れに近いものがあると思う。正確には一聞き惚れか。
 大抵の人間に対して己は恋愛対象になるか否かというのをあった瞬間に判断している気がする。物凄く好みでもこれは恋愛とか出来ないなというのもある。怖くて出来ないということがある。それで彼はその基準をクリアしてしかも結構好みだったわけで。
 惚気たいわけではなく、本当に混乱している。己の友人で、彼から相談を受けていたという人の反応がすごく気になる。それは何故なんだろうとか。
 経験値があまりにも低くて、己にはどうしていいか分からないことばかりだ。ただ分かっているのはこれは辛くないということだ。昔憧れた人たちのように劣情に身悶えなくていい。無意味な嫉妬に苛まれなくていい。
 以降に、まだ会っていないので実際のところは分からないけど、これはきっと辛くならない。今はまだ。

 好きだと云えるようになるまでにあとどれくらいかかるのか。


2003年03月25日(火) 恋心

 己はすぐに心が傾く。優しい人に心が傾く。それはいっそ愚かな程に。本能と云うには単純過ぎるから。
 要するに己は他人の感情に左右されるのだ。受ける感情の正負が己の正負を決める。少しでも好意を抱いてくれる人に心も躰も傾く。
 舞い上がって恥ずかしい。だからこうして言葉にして己自身を抑えなければならない。このままではこの身の寂しさに負けて誰かを汚してしまうだろう。そして大切な友人を失うのだ。否。もはや己は汚してしまっているのだから、逃れようもなくこの躰は欲望に負けるだろう。
 負けないでいたい。

 友情よりも先に恋愛を持ち込むこの精神構造を何とかしたい。己を律すること制すること、妄想と現実の区別。そういうものが必要。


2003年03月19日(水) passing through

 [不安定]というのは鬱とか落ち込んでいるとかそういう意味では無いのだ。精神の安定、起伏の少ない感情、落ち着き。それらが[安定]に繋がる。
 己は酷く不安定だ。
 他人の眼にどのように映るかは解らない。己は他人ではないから。
 不機嫌に見えていると云われたことは何度かある。怖い人だと思っていたと云われたこともある。しかしおそらくは己の感情の起伏やその激しさを他人が表面から見抜くことは無いだろう。それは己が他人とその程度の付き合いしかしていないという証でもある。
 己は踏み込まない。他人を乱しているかもしれないが、踏み込まない。踏み込まない限り、他人も踏み込んではこない。己にそれだけの価値が無いから。必要なのは日々の挨拶、笑顔、柔らかな言葉、少しの親切。

 最近泣けない自分がいることに気が付く。こんなにも不安定で、それでもそれを自覚する多少冷静な己が存在している。感情に溺れ酔っている己を見つめる自分がいる。そして本当に哀しいわけではないことに、本当に淋しいわけではないことに気が付く。泣ける筈も無い。

 ある人の言葉に何故か酷く傷つく。図星だということもある。云われて痛い言葉だということもある。でも他の誰に云われてもそれほどに傷つかない。
 彼の言葉の裏側にある悪意とか己が彼を貶めた言葉とか、要因は幾つか思い浮かぶけれどまだ整理できない。

 己は通り過ぎるだけの人間だ。と思う。その場での付き合いや遊びの中にしか存在できない。何かの時に思い出してもらえない人間。消えていく人間。忘れ去られていく、その場限りの人。
 通り過ぎただけの人。もしかしたら通り過ぎることさえもできない。

 その場限りでいいから、己を抱いてと思う。早く暖かくなればいい。一人寝が淋しくなくなるくらい。


2003年03月18日(火) 赤面症

 不相応な言葉に赤面する。言葉は影響力を持つのだということを実感した。己の関知しない処で物事が動いていく、その瞬間である。気が付いたときには、と云う奴である。
 正直照れてしまう。認められることを切望している癖に実際にそういう場面に直面すると狼狽えてしまう。戸惑うのである。そして酷く嬉しくて舞い上がる。そして少し不安になる。
 要するに何が云いたいかというと、[有り難う、嬉しい]という唯一言で。

 感情を発散させる物としての文章。そういう意味しか持てなかった己に違う意味を見出させてくれた貴方に感謝を。
 こういうことを書くのはとても恥ずかしい。酔っていると思ってご容赦を。

 最近更新しないのは精神状態が比較的安定している為だろうと思う。この状態で安定と云うのなら、だが。


2003年03月12日(水) 嫉妬

 自分が如何に子供で我儘でどうしようもないかということについて考えていた。己があの人に感じる灼けるようなあの想いは、単なる嫉妬に過ぎないとおぼろげながら確信した。それが苦しい。結局は征服欲だったのだ。恋ですらなく、我儘で子供じみた独占欲にすぎなかった。あの人を手に入れることで己に同一化させることが出来、あの人を組み伏せることでこの欲求を満たしたいだけだった。
 苦しいなんて、己が口にしていい言葉じゃない。

 身体だけでいいから満たされたいと思う。タナトスをすりかえるほどのエロスが欲しい。身体が満たされることで、心までも満たされたような錯覚を味わう。それでいいから。


2003年03月10日(月) 貴方が欲しいよ

 他人の感情をモロに受けて自分まで鬱のようになってしまった。でもそういうのってめちゃめちゃ望んでることじゃないのかと自問してしまう。誰かと感情を共有すること、誰かの感情を正面から受けること、そういうことずっと望んできたんだと思う。
 友情と愛情は同じだ。その間に性行為が在るか無いか。これだけしか違いが分からない。不倫とか浮気とか行為が伴わない、精神的なものだったら咎められないような気がする。想うことは止められないし、それが他人から覗き見されるわけでもない。見えないものを咎めることなんて出来ない。
 己は男女間の友情というものが全く信用できない。残念ながら。成立させているという人も多くいるだろうけど、己の周りでそう云う人は恋愛と友愛の区別が付かない。一見[付き合ってると思ってた]、[好きだと思ってた]というような関係に見えるが、本人たちは友人だと云う。真実なんて分からない。でも少なくともそう思われるだけの何かがあるんだと思う。それを純粋に友情だけだと云えるのだろうか。
 己はあまりにも下世話に事を考えすぎる、と云われれば確かにそうだとしか云いようが無い。主観に基づく考えというのは極端に走りやすい。特に己の場合は理性が少々欠落気味だ。
 吐き気がするほど己はこういう話題が好きだ。

 身体だけでもいいから繋がっていたくて、その相手は誰だっていいと思うときがある。その対象には友人と普通は云うだろう人間たちがほぼ全員含まれている。男も女も生理的嫌悪を抱かない限り、行為までいける。そんな風に他人を見ている自分がいる。
 吐きそうだ。


 リストカットの衝動に駆られる。痛みでこの世に存在しているという証を得たい。独りはいつまでもゆっくりと時間が流れる。波のように時折強い衝動。
 胸を突いてしまいたい。長々とした美しい刀身で。血に濡れて錆びた鉄のにおいを想像する。鷲掴みにされた心臓が痛い。


 貴方が欲しいなんて、恐ろしくて云えない。



 言葉がまとまらない。うまく言葉が出てこない。いろんなことがいろんな風に混同されて一緒くたになって己の中に浸透してきて、それに追いつかなくて止まらなくて溢れ出すだけの言葉があって。弱音はいくらでも吐けるけど、毒にも薬にもならない。ただ不愉快で仕方ないだけ。


2003年03月06日(木) 変化すること

 昔の日記を読み返すと時々衝撃を憶える。其処にいるのは己であって己で無い存在なのだと思い知らされる。其処にいるのは変わり行く過程を流れる己。一瞬たりとて同じではないのに、同じように見えて同じでない存在。その過程。
 身体は容れ物に過ぎないと思っている現在の自分。身体を許すことにかなりの躊躇を抱く過去の自分。同じ筈なのにまったく違う。昔共感できなかったことに今は共感できる自分がいる。
 不思議だ。
 何が己を変えたのだろう。何が己を変えるのだろう。
 知らないうちに気付かないうちに己の中は変わっていく。静かにゆっくりと激しく。
 それは何なのだろう。何の為の変化なのだろう。変わり行くことに意味が欲しい。何も無いのに変わるのは怖くて不可解で不安定。行き先の解らない旅路。


 この身体の熱を誰かに鎮めて欲しいのです。誰か。否、誰でもない貴方に。
 何故なら火を付けたのは貴方だから。この身を焦がすのは貴方だから。戯れに触れた指を忘れられないのです。


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