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2002年07月29日(月) 感情を引きずって、

 洒落にならないくらい切羽詰って、現実逃避なんて出来ないのに。


 試されるのは嫌いじゃない。応えることが出来れば認めてもらえるかも知れない。試されているのは可能性があるから。そう思うことができるから。

 己は憎しみでも嫌悪でもいいから、心を傾けてほしいと願っている。愛情でなくてもいいから、少しでも心を傾けてほしいと思っている。
 ベクトル。己に向けられる何らかの感情。その大きさや色は関係ない。憎悪でも軽蔑でも愛情でも嫉妬でも劣情でも、何でもいい。
 己が心傾けた人に、少しでも心傾けてほしい。どうしようもなく我儘で幼稚だけどこれこそが本心。


 他人の心がわからなくてどうしようもなく不安になる。嫌いなら嫌いと云えばいい。己は大人ではないから、きついくらい率直に云って欲しいのだ。曖昧な言葉は要らないから、明確な言葉が欲しい。


2002年07月28日(日) 欲すること、諦めること

 どんなことをしても手に入れたいものがあるだろうか。貴方にとっての何よりも大切なものが、手に入れたくてならないものがあるだろうか。
 貴方は一度諦めた。でもそれは本当は諦めたふりでしかなくて、本当は未練だらけで仕方がない。だから忘れようとしても忘れられなくて苦しくて、淋しくて、痛くて、悲しい。
 それは諦めてしまったから。自分の心の赴くままに求めようとしなかったから。身も世もなく取り縋って泣き喚いて、子供のように欲しなかったから。
 心も体もきっと唯一つを求めている。取り縋って泣き喚いてみっともなくても、それでも手に入れなければならないものが人生には一つくらい存在したっていい。きっとそれが何か生きているうちには判らないから、欲しいものは必死で求めなくてはいけない。

 己は諦めている。真実は逃げている。求めることが怖い。どんなことをしても諦めなくてはならないと思っている。愛だとか、恋だとか、そういうものが己にとってどれほどに有害か十分に解っているから。不要だと嘯きながら、奥底で求めている。寂しさゆえに、幼さゆえに、弱さゆえに、求めることを抑えられない。

 逃げている己は本当は何も云えない。必死で生きている貴方に何も云えない。でも、それでも、貴方を必要としている人間がここにもいるということを伝えたくて堪らない。そう云うことで己のことを認めてほしいだけなのかもしれないと思うから、言葉には出せない。それでも、逢ったこともない遠い貴方、幸福になってほしいと願わずにはいられない。


2002年07月19日(金) 思い出

 擦り切れるほど思い出して繰り返して、忘れてしまうことが悲しかった。

 思い出さないでいようと思った。
 柔らかな口唇
 温かい舌
 滑らかな肌
 体の熱

 何もかも初めてだった。怖さよりも恥ずかしさよりも気持ち悪さよりも、快感が先にたった。覚えたての快感を忘れない為に繰り返し思い出して、そうしていつの間にか忘れてしまった。
 出来事として思い出せる。でもあの快感はもう甦らない。貴方に触れたいと思う。きっと何もかも見透かされていただろうと思うといたたまれないけれど、初めてを教えてくれた彼が今でもとても好きだと思う。

 8月のひどく幼い想い出。


2002年07月18日(木) 落ちる。

 魔力のように引き寄せられる。引き寄せられてしまう。どうしても止められない。抗えない。
 声、指先、膚、眼、首筋。その何もかもが己を誘う。抑えきれない衝動を持て余している。
 切ない。甘やかな胸の痛みなどではなく、衝動に身悶えているその痛みだ。

 惚れやすいにしても限度ってものがあるだろう。己のそれはもはや病的で、単なる情欲でしかない。


2002年07月14日(日) 盲目

 何が最も怖いかと聞かれたら、それはきっと目が見えなくなること。

 極度の人見知りだという自覚がある。そのことに甘えているということも判っている。
 己にとって見えることは怖いことでもあり、それによって救われることもある。どちらも必要なのだろう。
 見えなくなるということは片方の世界を失うということだ。目が見えないということは足が動かないということとは違う。思考の大半を占める文字と画像を遮断される。何も見えない。
 見えないということは聴こえないということに等しく、見えないということは歩けないということに等しく、見えないということは生きていけないということにさえ等しく感じる。
 真実はそんなものではないと分かっている。それでも恐れずにはいられない。怖くて怖くて堪らない。見えないということの恐怖。

 でも見えなかったら何も見なくて済む、何も考えなくて済む。そう思ってしまう己が情けなくて、厭わしい。
 一条の光は奈落への案内人だ。それは闇ではない。むしろ闇こそが己を暖かく包む。柔らかなその色で覆いつくしてくれる。闇こそが己を解放してくれる。
 閃光に、一寸先も見えない。眩しすぎるその光が何もかもを消し去った。

 抜け出せない無限。


2002年07月12日(金)

不思議の国のアリス/ルイス・キャロル/生野幸吉 訳/ジョン・テニエル 画/福音館書店
ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND
1971
福音館古典童話シリーズ4
NDC933
208p 21×17cm


2002年07月06日(土) 熱帯夜

 酷く寝苦しくて目覚めた。


2002年07月05日(金) 簡単な言葉は

 心までも簡単で、いっそ己を軽蔑したくなる。

 貴方が傷つく様を見て、己には無い穏やかさを見て、好きになりそうだと思ってしまった。赤裸々な告白も、投げやりな言葉も、傷ついたその傷を晒したままで、それが酷く哀れでいとおしくてたまらなかった。
 見たこともない人で、会ったこともない人で、その言葉しか信じる処はなくて、それでも好きになりそうだった。

 「好感」程度に留めておいて良かったと心からそう思うけど、貴方の幸福が少しでも早く貴方を照らすことを、願って止まない。


2002年07月04日(木) どんなに願っていても

 叶えられない。己が変えなければ変わらない未来を絶望する。


 生きていくことが時に酷く辛くて、息をすることさえも苦しくなる。この世界が水に満たされて、まるで海のように己の周りを水が覆う。
 薄い膜を通して、遠く遥かな景色を見ている。この眼は月を映して白い。
 コポコポと音を立てて唇から息が漏れる。音を立てて空気が逃げていく。己の世界が歪む。

 水の中の世界でうまく動くことも出来ない。歪んだ月の光が己を映す。それはやはり歪んでいて不恰好で惨めだ。


2002年07月03日(水) 吐き気がするほど

 何かを詰め込む。


 己の能力の無さに絶望すら感じる。十人並みですらないのだ。思考は酷く遅くて、いつまでも袋小路を彷徨っている。
 言葉を飾るしか脳が無い。言葉を発する、それだけの能力も無い。発想とか想像とか解らない。理解できない。感情のまま走るしかなくて、でもそれでは何の解決にもならない。
 せめて人並みの能力というものがほしい。
 無いものねだりと云われても仕方が無い。見苦しくても足掻いてもほしいのだ。どんなに無様でも生きていたいと体が欲している以上、生きるていく手段が必要なのだ。その最低限で構わないから、独りで生きていくのに必要なだけの力がほしい。

 着飾る女達を嘲笑い、軽蔑しながら、己には人ひとり誘惑するだけの能力も無いだろう。あれも一つの能力で、才能で、生きるための手段なのだから。彼女たちの万分の一の力でも己には無い。男ひとり誑かすことも、女ひとり誘うことも、出来はしない。
 生きていくための本能が退化して不能なのだ。社会的不能。社会不適応者。己のことだ。「誰か」のことではなく己自身のことなのだ。直視しろ。

 己の能力の無さ。涙なんか流してしまったのは、体が弱っていたからだ。誰も助けてはくれないことを識っているのに、弱さを晒して、傷を広げる意味なんて無い。
 だから、そういうことにしてほしい。体が弱っていたのだと、傷を守る余裕も無いくらいに弱っていたと。そうやって己の傷を守らせて。


2002年07月02日(火) 髪に、服に、その頬に

 煙草の臭いが染み付いていつかの悪夢を思い出させる。


 一度わだかまった心は簡単にはほどけてくれなくて、頭では判っているのにどうしても理解できなくて、どうしようもなく絡まったままだ。言葉の海に投げ出されて、混沌と流れる言葉たちを眺めているようだ。縺れて絡まって連なって結ばれてふつりと切れる。
 言霊に囚われたのだろうか。
 「恋」という言葉を告げた瞬間にその想いは「恋」と成り、それ以外の色は消え去ってしまう。真実は違うかもしれないのに、思い込みは消えずに残ってしまう。纏わり付いて離れなくて、不愉快なのに左右される。

 糸。言葉。声。想い。
 何もかも人によって成るというのに、何一つ思い通りにはならない。


2002年07月01日(月) 残滓

 咽喉が痛くて目が覚めた。誰も居ない部屋の寒々とした風景に、いつまでも慣れないでいる自分が可笑しい。曇った空は白く褪せた光を投げかけて、時が止まったように静かで、怖かった。

 慣れないでいる。どんな痛みにも未だに慣れないでいる。幼いままでいることは決して美徳ではなくて、只生き難くなるというそれだけでしかない。
 早く慣れてしまいたいのに、どうしても慣れられなくて、いつまでも咽喉の奥がひりひりと痛い。


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