ジンジャーエール湖畔・於
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細田守監督版「時をかける少女」のDVDをつづけて3回みて、昨日も2回観て、そして今日も友達と観て、互いの胸キュンポイントを語り合いニヤニヤ悶絶しあった。 深夜、祖師谷大蔵、かお巣。 このアパートは、安普請のわりにまったく隣近所の物音がせず、夜になると死んだように無音になるんだ。音といえばわたしの部屋からしか聞こえない。 静かなことこのうえなく、それはたいそうわたしを落ち着かせる。 人の気配がしないことにはまったく寂しさを感じない。 むしろ無限の自由を感じ、洗濯機にラメのような洗剤をいれる手がふるえている。 この部屋がコズミックブルーの宇宙空間をただようスペースシップのように思えてしまうから。この宇宙ではすべての人はたった一人でスペースシップに搭乗し、右も左もわからないまま漂っている。
テレビでは「時かけ」のなかでもっとも好きなシーンがやっていて。 金色の夕日のなかを好きかもしれない男の子とチャリンコ二人乗りで帰りながら 「付き合わねぇ? おれ、そんなに顔も悪くないだろ」なんてゆわれているヒロイン。 こんなことが人生で起きてしまったら、素晴らしすぎてそれ以外の人生すべてが色あせてしまい、わたし生きていられなくなる!人生とときめきは両立できねえ! などとキャーキャーゆって友達に向き直ると、友達はにやけた笑顔のまますでに深い眠りにおちていた。
まだ眠くないので本読んだり、爪にピンクのマニキュアぬって可愛くしてみたり、サボテンをいじったりしているうちにもう5時近くなっていたので、そろそろわたしも寝ようと水のみにキッチンへゆくと、ガスコンロの前の壁にまあるい強烈な黄色い光のようなものが見え、一瞬びっくりしてすぐ後ろにある玄関のドアをあけてみると、アパートの前の廊下から東に、生まれたばかりの太陽がまっすぐに私の部屋のキッチンに伸びていた。
いつのまにか、朝はきていたんだ
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