KENの日記
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2001年09月16日(日) 神奈川フィルハーモニー演奏会

さいたま芸術劇場(さいたま市)でブラームスプロジェクトという演奏会を聞いてきました。演奏曲目はブラームスの悲劇的序曲、バイオリン協奏曲(独奏竹澤恭子)、交響曲第二番で、神奈川フィルハーモニー、指揮は現田茂夫さんです。

少し前からブラームスのバイオリン協奏曲が気になっていてCDやテレビの番組でも注目してみてきたのですが、今日の演奏はそれらの中でも最高の部類に入るものでしょう。竹澤さんのバイオリンは音が素晴らしくてテクニックも確かな上に、気力充実といったものでぐいぐい音楽を引っ張っていきました。二楽章の丁寧な重音の演奏は白眉であったと思います。バックの神奈川フィルは、管楽器については個人技というよりは二楽章のオーボエに代表されるようにしっかり、ハーモニーを聞かせバランスよくサポートに徹する一方、弦楽器(特に1stバイオリン)はソロに対抗して溌剌とした音楽を聞かせていました。竹澤さんも演奏に満足していたようです。

最後の交響曲第二番は終楽章こそ盛り上がりましたが若干印象の薄いものとなってしました。私としては一楽章のテンポがしっくり来ませんでした(普段古い演奏ばかり聞いているからかも知れませんが)。神奈川フィルは大変バランスの良いオーケストラだと思いました。木管楽器の音程と音質がかなり高いレベルで調和しているし、金管楽器は最後までにごらない音できれいなハーモニーを聞かせていました(もう一段の音量を要求されたときどうなるのかわかりませんが)。

弦楽器はコンマスを筆頭して各パートのプルートの順番どおりに熱演が展開されていました。偶に後の方の奏者が頑張ると音に厚みが増すのがはっきり分かりました。この辺はつらいところだと思います。葉書で応募し見事当たった招待券で聞いてこんな生意気な事を書いてはいけません。横浜から埼玉まで来ていただいて本当にありがとうございました。



2001年09月08日(土) 福井敬さん、緑川まりさんのコンサート

「イタリヤの旅」と題した歌曲の夕べに行ってきました。さいたま市誕生記念のコンサートで「スペインの旅」「ドイツの旅」「フランスの旅」と続く全四夜のコンサートの第一回目です。出演はテノールの福井敬さんとソプラノの緑川まりさん。緑川さんのお姉さんのピアノ伴奏。日本を代表するテノールの福井さんと6月の新国立劇場で「蝶々婦人」が大評判だった緑川さんの競演です。お二人は二期会の同期だそうでミラノへの留学も同時期だったそうです。曲の間に楽しいお話をしてくださいました。

歌われた曲は、ラ・ボエームから「冷たい手を」「私の名はミミ」「愛らしい乙女」、トスカから「妙なる調和」「歌に生き、恋に生き」「二人の愛の家へ」、その他にお二人の得意なところで「女心の歌」「誰も寝てはならぬ」と「ある晴れた日に」「神よ平和を与えたまえ」といった有名なものでした。ラ・ボエームはお二人が二期会でデビューした時の演目だそうで舞台上での演技もなれたものです。他の曲もお二人の得意な曲です(今の日本ではそれらの曲の第一人者といえるでしょう)。

福井さんの熱唱は素晴らしいものでした。舞台が近いので顔がだんだん赤くなっていくところがわかりました。リゴレットでは舞台から客席に降りて歌うというサービスまでありました。福井さんの歌は福井さんの誠実な人柄がそのまま歌に表れていて、聞いている人を幸せにします。緑川さんはユニークなキャラクターで人を引きつけました。「ある晴れた日に」と「歌に生き、恋に生き」ですばらしい高音を聞かせてくれましたし、表現の幅が非常にひろく「世界に通用する」という言葉が頷ける歌でした。こんな素晴らしいコンサートが小さなホールで、限られた人しか聞くことができないことを非常に残念に思いました。また、これだけ有名な曲を次々に熱唱されるとどう拍手をすべきか困りました。最初から何回も舞台に呼び出すのも変ではあるものの、素晴らしい歌なので拍手はしたいし。とにかくめったに聞くことができないほどの演奏会あったことは確かです。アンコール「乾杯の歌」のあとに、このコンサートを企画したのは先日亡くなった團伊久磨さんで、團さんが司会もするはずだったということを聞きました。最後には團さんを偲んで「花の街」を会場全員で歌いました。(さいたま文化センター小ホール)




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