のんびりKennyの「きまぐれコラム」
DiaryINDEXpastwill


2002年03月25日(月)  「資産形成の経験則」 (PART 3)

   というわけで、PART 2 の続きです。

いきなりここに飛び込んで来られた方は、PART 1 からお読みになると
多少はお役に立つかもしれません。

   だいぶ昔になりますが、「借金のすすめ」という本がベストセラーになったことがあります。
内容は今ひとつで、インフレによる借り入れ元金の将来的な目減りがどうのこうのと
月並みでねむくなる様な論旨でした。
しかし、この本のタイトル「借金のすすめ」というのはイイですね〜!
私は大好きです。

大きな資産を限られた期間にクリエイトしようとした場合、PART 2 でふれた通り、

10センチの雪ダルマからのコツコツ方式はダメ。
OPM (Other People's Money) を利用して、ある程度まとまった資金で
スタートすべきです。
大きめな資金でのスタートには既に書いた「スピード」というポイント以外に、実は「成功率の高さ」という
もうひとつの重要なポイントがあるのですが、これについては後述します。

   ではどうやって OPM を調達するのか?

銀行ですか?
これからスタートする人間に最も資金を貸したがらないのが銀行です。
第一担保がありません。
担保に出来る様な資産を所有することを目指してのスタートです。
後先が逆ですね。

銀行に限らず、市中金融機関、生保、損保、等からの借り入れで
何も無い状態から「個人」が資産形成をはかれる可能性はゼロです。

例外的に公的金融機関がありますが、これは通常、住宅ローンや学費ローン
既に営業しているビジネスの運転資金や納税資金等に限定されており、
「個人」がゼロから事業を起こしたり資産運用で大きなアセットを築こうとする
種銭を貸し付けてはくれません。

先輩、友人、親戚、兄弟から無利息か低利息の借金が可能であれば
それもひとつの方法でしょうが、物理的な「借り」より精神的な「借り」の方が
負担になるというのは私だけでは無いでしょう。

私の「経験則」です。

忘れもしない燃えに燃えた時期ですね・・・
私はインディビジュアルリッチとベンチャーファンドからの資金で
船出しました。

スタートの資金は「個人投資家」か「独立系のベンチャーファンド」を利用すべきです。

一般金融機関や銀行系ベンチャーファンド、証券会社系金融機関等と
個人投資家及び独立系ベンチャーファンドの最大の違い、かつメリットは、
「無担保」「貸付方式の多様さ」「人物重視」等の基本的なポイントに加え、
「失敗した場合でも個人保証で再起不能になることなく、敗者復活戦に臨める」等
あまり知られていない好条件が多いのです。

こう書いてくると、すぐに出る質問があります(同じ質問を繰り返し受けていますので慣れています)。
「私は個人投資家との接点がありません。どうすればよいのですか?」
「私が申し込んでも資金が出るとは思えません」
「紹介者もコネも無く、ベンチャーファンドというのはそんなに簡単に資金を出してくれるのですか?」

行動するまえに自分の判断基準と憶測で否定的な結論を出してしまい、
結局何もせずに「もっとお金が欲しいナ〜」
と考えるだけで時間が過ぎていく方々が多いことに驚かされます。

このあたりで、「資産形成漠然願望のマジョリティー集団」が退散していきます。
「う〜ん、俺には無理かな〜」と感じたあなたは
そのマジョリティーに属しておられる様ですので、
資産形成のことなど考えず、今晩はテレビドラマを見て、
酒を飲んでもう寝ましょう。
今まで通りのあなたが明日をむかえます。



   さて、「借金でのスタートのすすめ」の続きですが、

「借金」をする最大の原動力は「借りる人間の情熱」です。 しかし、
「借りる側の常識」だけで資金調達というものを考えると、大きな動きを見誤まります。
「貸す側の論理」を忘れてはいけません。
身近な例で恐縮ですが、私が経営するいくつかの投資会社では、大きな夢を持つ若者達に積極的にファンディングを行っているディビジョンがあります。
もちろん無担保です。金額にも制限を設けていません。
チャレンジに失敗してこちらの貸付資金が雲散霧消しても、銀行ではありませんから、やれ個人連帯保証だ、やれ保証人だ、配偶者だ、親戚だ・・・と追い掛け回したりすることは皆無です。
それよりも本人の再起にかけて応援体勢を敷くことが多い様です。

そして何よりも忘れて頂きたく無い点は、我々は常にやる気と情熱にあふれた若き俊英を探し続けているということです。
私自身が納得する為に、最近数年間の投資案件の記録を見てみましたが、
第三者の紹介や、金融機関からのリファレル、当方からのアプローチによる件数にくらべて、
借り主自らの当方への積極的なアプローチの結果としての資金供与の件数が圧倒的に多いという事実があるのです。

私のところに限らず「貸す側」は必死で「借り手」を探していますが、
なかなかこれはという借り手がみつからないのが実情です。
あなたがスタート資金を探している様に「貸す側」も必死であなたを
探しているのです。
皆さんの資産形成のスタート資金はそこにあるのですが・・・

   あまりベンチャーファンドのことばかり書いていると自社の宣伝の様になってしまうので、次にいきましょう。

実際に借り入れた「種銭」の運用に入りましょう。
私の「資金運用の経験則」の基本的なものに「勝てる競争・負ける競争」という
ポイントがあります。

またしても卑近な例で恐縮ですが、あなたは麻雀をおやりになりますか?
麻雀で負けない秘訣は何だと思いますか?
私はこれこそはという秘訣をひとつだけ知っています。
それと、資金運用と何の関係があるんだ?
まあ、聞いてください。

え? 今回の分は長すぎる? そういえば長いですね、

ではこの続きは PART 4 ということにしましょう。










2002年03月19日(火)  「資産形成の経験則」 (PART 2)

   というわけで、PART 1 の続きです。

まず最初に、どうしても避けては通れない「根本的なスタンス」のおはなしから。
最も基本的かつ重要な「お金」というものとのつきあい方についてです。。

「資産の継続的な増加をはかる」ということ、つまりひらたく言えば「大きな利益を上げてお金持ちになること」
というのは「手段」ではあるけれど、けっして「目的」では無いというポイントです。

金銭至上主義者がどんな屁理屈をこねまわしても、「お金」はあくまで何かの目的を達成する為の「道具」であって、目的には成り得ません。
快適な生活環境を維持するには「お金」がかかりますが、これは「健康」とか「穏やかでゆとりのある家庭」といった「目的」を
達成する為に「お金」を道具として使用している状況にすぎません。

まわりくどくなるので、あまりこの点を強調することは避けますが、
およそ私の経験則では「お金儲け」を「目的」としたり、「利益追求」を目的と
したスタンスで事にあたる人が長期にわたり継続的に資産形成に成功するということは無いと断言出来ます。


   上記の根本的なポイントを充分御理解頂いているという前提で、
具体的な資産形成のシナリオに進みましょう。

◎その1 「まずはじめにOPMありき」

   資産形成を論じるうえで一番わかりやすい例は「雪ダルマ作り」です。
言い古されたたとえですが、以外にその本質を理解している人が少ない例です。

雪ダルマを作る時は、まず小さなボール状の雪を転がして、徐々に大きくしていきますよね。
直径10センチの雪球を直径2メートルまで大きくするのはなかなか大変です。
しかし、もしはじめに直径1メートルの雪球があれば、ほんの僅かな時間で直径2メートルの雪ダルマが完成し、
10センチからはじめた人がやっと2メートルに達する頃には、
札幌雪祭りの雪像ぐらいの巨大な大きさに達しているはずです。

何を言いたいかはもう充分おわかりですよね、「種銭の大きさ」というポイントです。
かつての日本では「清貧」という言葉があるのをみてもわかる通り、
何も無いところから、額に汗して、小さな利益をこつこつと
積み上げることが美徳とされていました。
そして「起業」や「資産形成」のスタートにおいても、まず自分で頑張って
小さな「種銭」をつくり、そこから「資産の雪ダルマ作り」を開始するのが
あたりまえの様に言われてきました。

間違っています。

義務教育課程における道徳教育や情操教育としてはそれで良いのでしょうが、
21世紀の資産形成を考えるうえで、この考え方にはひとつ決定的に欠落しているものがあります。

「時間」です。

幸か不幸か、人間には寿命というものがあり、経済人として資産形成に取り組むことに使える時間というものは、漠然と考えているよりはるかに短いものです。
私の経験では、20台後半から40代前半の10年〜14年といったところでしょう。
たったそれだけの時間に、自らの「目的」である「夢の実現」を可能にする資産を形成しようとすると、
ゼロからコツコツと毎月少しずつ貯金をしながら「種銭」をつくっていたのでは
とても間に合わないのです。

現実には日々の生計を維持していくだけでも精一杯で、逆にローンを抱えて、
資産形成の種銭作りどころかマイナスのままあっと言うまにその世代を終えて
しまう人がほとんどでしょう。

それではどうしたら良いのか?

OPM です。

   ちょっと長くなりましたね。  この続きは PART 3 にて。


2002年03月18日(月)  「資産形成の経験則」 (Part 1)

   年齢が進むにつれて「経験則」というものの重みが強くなる様です。
それは誰しも同じでしょう。

判断や決断を行う時、人生の岐路に立って方向を決める時、
ものごとの選択肢を選ぶ時、若い時には先輩や先生に聞いたり、本で読んだりするのでしょう。
最近ならばインターネットもありますね。

しかし、人は年齢と共に多くの経験を重ね、
失敗と成功を繰り返すうちに、自らの頭の中に膨大な「経験」の
ファイリングキャビネットを持つ様になります。

そして、日々の多くの事態に対処する際、その「経験則」という
ファイリングキャビネットを開けて、それを基に自分なりの決定を下す様になってきます。

ところが、残念ながらこの「経験則」がそれなりに固まるには
かなりの年月がかかるわけで、それを本当に必要とする
「若き悩みの日々」にはそれがまだ自らの内側に存在しないという皮肉な現実も
あるわけです。

  さて、私のウエッブサイトの掲示板常連さんのおひとりから、
先日とても短いメイルを頂きました。
そのメイルは単純明快なひとつの質問でした。
「どうやったらお金持ちになれるの?」

何故その方がそのメイルを私あてに送る気になったのかは定かでありませんが、
私は私なりの「経験則」を書いて返信致しました。

しかし、それを機会に、私の「資産形成の経験則」というものは普通一般に
論じられている「どうやって資産を増やすか?」という手のものとは
かなり趣を異にしていることに気付き、ちょっと纏めてみたのが、
今回のこのコラムというわけです。

  ストックトレイディングのサイトですから、
おそらく読者の中には「徒手空拳から大きな資産をつくりあげたい」と願っている
若い方達が少なからずおられるのではないでしょうか。
数十年前の私自身へのアドバイスの様なつもりで、書いていきますので、
「へ〜こんな考え方もあるんだネ〜」ぐらいの感じで軽く読んでみて下さい。

あ、そうそう、世の中には「ボーンリッチ」という幸せな方々が
おられます。アメリカでは「銀のスプーンをくわえて生まれてくる」
と言いますが、要するに大金持ちの家に生まれて何も努力しなくても
生まれつきとんでもない資産家という方々ですね、そういう方にはあきらかに
退屈なコラムですからお読みにならない方が良いと思います。

それと、既に御自身の力で徒手空拳から大きな財産を築かれた方々、
そんな方々にも非常に退屈だと思いますね、何故なら、そういった方々にとって
私の経験則はおそらく「な〜んだ俺と同じじゃねえか」となるであろう可能性が
極めて高いからです。

  いや〜ずいぶんと前置きが長くなりましたね〜・・・
それでは私なりの「資産形成の経験則」です。

まず第1のポイントとして・・・・

え? もう紙が無い? 

それでは本文は PART 2 からということで・・・


Kenny |MAILHomePage