恋文
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2013年09月30日(月) もやもや

どこか
変わってゆくのかしら

もやもやが
からだの中に
滞っている


2013年09月29日(日) ダム湖

沈んだ村は
きっと朽ちているのに

干上がった湖に

骨のように
さらけ出された
木の根


2013年09月28日(土) 木立

遅れてきた蝉が
最後に
啼きつづけている
谷の木立


2013年09月26日(木)

人恋しくなる
風の冷たさ


2013年09月25日(水) 金木犀

石段を降りる
道すがら

金木犀が 香って

木立のどこにも
見つからない

花をおもう


2013年09月24日(火) 風の音

季節が
変わってゆく

風が
木々を揺らす


2013年09月23日(月) 曇り空

風が
荒れているけれど

雲の空もいい


2013年09月21日(土)

彼岸花と
赤とんぼ

稲穂のあいだに


2013年09月18日(水) 季節

季節が
駆け足になっている


2013年09月17日(火) 青空

台風の跡が
歩道のあちこちに
残っている

抜けるような青空


2013年09月16日(月) 台風の後

子供たちの声が
戻ってきた

雲のあいだが
まぶしい


2013年09月15日(日) 虫の声

大雨のあと
虫の声が
ひときわ高い


2013年09月14日(土)

そろそろ
死を考えよう

禍根のない
死を


2013年09月13日(金) 秋になる

行き交う
車の音ばかり

虫の声に
混じる

夜が更ける


2013年09月12日(木) 言葉

いろんなことを
考えるのだけれど

言葉に表すことが
できなくなってきたのか

絞り出すにも
カケラのようなものが
ぽろりと
出るばかり


2013年09月11日(水) 暗くなる

通りの明かりが
懐かしいような
色になる


2013年09月09日(月) 小鳥

夕方の
街路樹に
小鳥たちが
騒がしい

日が短くなった


2013年09月08日(日) 重なり

山にかかる
雲と空の
重なりがいい

どこかに
行きたいと思う


2013年09月07日(土)

青空ばかりや
雲ばかりや

空を見上げる


2013年09月06日(金) 季節

案じなくても
季節は移る

虫の声を聞く夜半


2013年09月05日(木) 豪雨

水浸しの歩道に
幾重にも広がる輪が
跳ねている

みんな濡れそぼる


2013年09月04日(水) 世界

たくさんの

悪意と
善意が

あって

だれもが
公平に

受けるわけではないこと


2013年09月03日(火) 日常

雲の流れのように
形をかえながら
流れてゆく


2013年09月02日(月) 水たまり

道路のくぼみに
ぽつんと
取り残されて
曇り空を
映している


2013年09月01日(日) 熱風

熱風に
蟻が這ってゆく
地面も熱い


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