恋文
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2010年08月31日(火) はっきり

日差しは
思いのほか
きびしい

風は
冷たい

みんな
はっきりとしている


2010年08月30日(月) 川音

雨を
運んでくる
灰緑色の流れ

風のなかで
聞いている


2010年08月29日(日)

濁ったまま
流れてゆく

向こう岸を
見ながら

立ちすくんでいる
曇り空


2010年08月26日(木) 夏の日にもどる

眠たそうな
花のなか

きょうは
夏の日がもどり

真っ白な
土の道は

空にうかぶ
雲に
続いている


2010年08月25日(水) 夕暮れ

夕暮れは
音もなくやってくる

明るいまま
人の声も
遠ざかって

まだ
終わらない
一日を
待っている


2010年08月24日(火) 動きつづけて

ゆるやかに
動きつづげている

風が
冷たくなる

まだ
光の中


2010年08月23日(月) 閉じこもる

閉じこもる
一日は
暗くていい

雨の音が
通り過ぎてゆく


2010年08月22日(日) てのひらの海

てのひらに
水をためる

小さな
海をつくる

なんにもない
その中に

わたしを
沈めて

手をほどく

あっというまに
なくなる


2010年08月21日(土)

髪を
乾かしている

鏡のなか

ときどき
離れていってしまう

こんな わたし

どんな わたし


2010年08月20日(金) からだ

姿見に
映ったのは

骨格のような
ひとつの
からだ

少しづつ
削ぎ落ちていったのは

肉だけだろうか


2010年08月19日(木) 揺れる

揺れている
そのあいだ

静かに
うれしい

まだ
続いている


2010年08月18日(水) ひそやかに

地面が濡れて
それと知る

ひそやかな
雨は

息をひそめる
一日に
ふさわしい


2010年08月17日(火) 曇り空でも

空は灰色でも

みどりと
花のなか

風は
ふんわり
通り過ぎる


2010年08月16日(月)

空が
ふさがってしまう

どこにも
続かない道


2010年08月15日(日) 一日のこと

一日は
みずから歩む

雨が
降ってくる
傘はない

濡れたまま
ほとほと
歩く

一日は
みずから
過ぎる


2010年08月13日(金) 道のり

白い道のりが
目に痛い

向こうに
緑の森


2010年08月12日(木) 明け方

海に
沈む夢を

見ながら
沈む
眠りは

雨のなか


2010年08月11日(水) 夕暮れ

移り変わる
ということを

こころに
留めておかなければ
いけない


2010年08月10日(火) 陽気

揺られながら
眠りに誘われる

このまま
漂っていたい


2010年08月09日(月) さまよっている

まだ
さまよっている

出口は
知らない

それでも
行くしかない


2010年08月08日(日) 過ぎてゆく

玉葱を刻みながら
涙を流している
いま この時
一日は過ぎてゆく

だからといって
何を思うだろうか
ただ 玉葱を
刻まなくては

ハンバーグは
ちゃんと焼ける
そうやって
一日は やっぱり

過ぎてゆくものなのだ


2010年08月07日(土) 日差し

暖かい日差し
どこまで行っても
きっと

今日は だから
まどろんでいい


2010年08月06日(金) まだ

少しでも
ここに
いていいよね

もう
すこし ここに
いるよ

それから
ばいばい




2010年08月05日(木) 悲しい夢

夢ですら
悲しくなるなら

どこに
行けばいいのだろう


2010年08月04日(水) 疲れたら

進まなくちゃ
明るくしていなくちゃ
頑張らなくちゃ

と 思っていると
ふと まわりが
灰色にみえる

いっぺん
立ち止まって
泣いていようかな


2010年08月03日(火) 夾竹桃

夾竹桃は
陽だまりのなか

思い出のなかに
まどろみたい


2010年08月02日(月) いちにちは

そのまま
置いておく

いちにちは
自ら
過ぎてゆく


2010年08月01日(日) 行くよ

光と 影を
交互に 踏んで

行く先は
まだ 知らない

どこか
たどり着くまで


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