恋文
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2010年06月30日(水) 夜へ

日のひかりを
残したまま

夜の空気になる

一日が
過ぎ去ってゆく


2010年06月29日(火) 影絵

ひかりは
有り余っているにちがいない

影と 光と
入り混じるなかを

みずから
影絵になって
歩く


2010年06月28日(月)

どこにも
到達できない
気がする日にも

空は青い


2010年06月27日(日) 静かな日常

静かに
過ぎてゆく

ラジオの音も
換気扇の音も

気にならない

外は
光が満ちていて

なにもない と
いうことが

そのままの
生活


2010年06月26日(土) 温泉にて

風が
木々を
揺らしている

ひかりも
揺れている

教会の鐘の音が
聞こえてくる

水面も
揺れる


2010年06月25日(金) 晴れ

晴れたら
うれしい

晴れたら
明るい

風も
やさしい


2010年06月24日(木)

進んでは
退く

どこにも
真っ直ぐに続く
道などない


2010年06月23日(水)

髪が
ずいぶん
長くなる

時間は
過ぎてゆく


2010年06月22日(火) 曇り空

ずっと
曇り空

それでも
少しばかりでもない
光のなか

鳥の声を
聞いている


2010年06月21日(月) 方向

立ちつくしている
時間は
短いがよかろう

方向が
間違いないのなら

このまま
進む


2010年06月20日(日) 考え

考えることは
空回りして

知っているけれど
考えてしまい

歩いているうちに
どこか
見えるだろうか
きっと


2010年06月19日(土) 歩く

雨が降れば
雲のした

まっすぐ
歩く

向こうは
雨のなか

でも
まっすぐ
歩く


2010年06月18日(金) 自分

ずいぶん
自分が
情けなかったりする

けれど
自分に
やさしくしてあげよう


2010年06月17日(木) 距離

会話をしながら
遠ざかってゆく

わたしは
わたしを
疎ましいと
思っているだろうか

きっと
埋まらない距離を
推し量る


2010年06月16日(水)

毎日が
雨になる

雨は
どこにでも
降る

窓の外から
途切れた
雨音が

夢のなかに
はいる


2010年06月15日(火)

止まって
いいのだろうか

のめるように
前へと
進む


2010年06月14日(月) 道筋

道筋を
見失ったのではないかと
思う

そのまま
歩き続ける

きっと また
見つかるはず


2010年06月13日(日) しあわせ

少しの
幸せのなかにいる

その
しあわせ


2010年06月12日(土) おやすみ

卵の殻のなか
みたいに

きっと
光が
さしてくる

ふんわり
まるくなる


2010年06月11日(金) たゆたう

ブラインドから
入ってくる
光や 音

水槽の中の
さかなのように

たゆたう


2010年06月10日(木) 進む

そろそろと
歩む

でも
進む


2010年06月09日(水) 途中

たどり着く
その先は
どこだろう

ふと
途方にくれる


2010年06月08日(火) 道のり

歩き始めると
道のりが まだ
ずっと続いているのに
気づく

とどまって
いられないのは
知っている

ふと
振り返ってみる


2010年06月07日(月) 一日の終わり

まだ 明るい
空のした

風が止んだように
静かになる

一日の終わりを
待つ間


2010年06月06日(日) 嵐のあとで

嵐が
去りました

音を立てていた
窓は
濡れたまま

波打っていた
草むらも

いまは
青い匂いばかり


2010年06月05日(土)

夢の世界は
夢でなくなる

そこに
ずっと
とどまっていれば


2010年06月04日(金) 遠くても

遠いところも
それだけではない

求めれば

ふと
落ち着くところ


2010年06月03日(木)

まだ 雨のなか

鳥の声も
どこかに
まぎれてしまう


2010年06月02日(水) 朝に

夢を
折りたたむようにして
朝になる

湿った
土の匂いと
草の匂いと

まだ 冷たい
ひかりのなか
歩みだす


2010年06月01日(火) 曇り空

空は
雲ばかり

少しずつ
暮れてゆく

子供の声が
しずかに
響く


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