恋文
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2009年07月30日(木) 考える

考えても
しようがないけれど

考えずには
いられない

考えるのが
めんどうに
なってしまうまで


2009年07月29日(水) 思い出す

子供の声が
聞こえてくる

暮れかかる 空

夏祭りの 夜も
そうだっただろうか

小さな 
かけらのようになって

思い出す


2009年07月28日(火) スィッチ

いちにちが
過ぎて

ぷつりと
スィッチを
切るように

夢のなかに
もどる




2009年07月27日(月) 驟雨

土と草の
におい

もう まもなく
暗くなってしまう

雨音が
遠ざかる


2009年07月26日(日) 飛行機雲

ここも
ここではない 
ところも

まっすぐ
つながって
ゆきますように


2009年07月25日(土) 合歓の花

緑の 草はら

ぽろり ぽろり
落ちている

眠たいような
花の かたち


2009年07月24日(金) 異郷

移りかわる
緑の景色のなかに

わたしを
置いてみる

とどまって
いるだろうか

遠ざかってゆく
景色のなかに


2009年07月23日(木) 濡れる

突然の夕立のあと
ときおり まだ
小雨がふる

こんなとき
小鳥たちは
どこにいるだろう

鳩が 濡れた地面に
降りてきて
さまよっている


2009年07月22日(水) 明日

眠りにつく

明日に
出会うために

明日は
なにか
変わっているだろうか


2009年07月21日(火) 夾竹桃

ピンク色の
夾竹桃は

なんだか
はかない

照りつける
日差しのなか


2009年07月20日(月) 日差し

昼下がりの
日差し

町は
まっしろになる

迷ったみたいに


2009年07月19日(日) 雨のあとに

雨のあとで
川は どんどん
流れてゆく

川原の 草花が
すっかり
水のなか

ゆらゆら
揺れている


2009年07月18日(土) すいか

今年 はじめての
すいかを 切る

ほんのり 甘い
すこし 青い

いくたびもの
夏を 思う


2009年07月17日(金) 半分

夢のなかに
降っている

まだ 降り続く
雨のなか

半分だけの
こちら側


2009年07月16日(木)

影に 
切り取られたような
光のなかに

鳩が 三羽

一羽が みんな
追い散らすから

ぽつんと
一羽
光のなか



2009年07月15日(水) 水の音

目覚めさせるように
眠らせるように

繰り返し
やってくる


2009年07月14日(火) 夕立

熱をはらんだままの
街を抜ける

乾いた通りに
ぽつんと
しずくが落ちる

気づくと
いつか
空が くらい


2009年07月13日(月) どこか

行きつ戻りつする

見えないままでも

どこかにたどり着くために


2009年07月12日(日) 進む

進む方向は
たぶん 行きたいほうへ

おきざりにできない
不安は いつも
わたしの傍に

辿ってきたように
まだ
進んでゆく


2009年07月11日(土) 一病息災

すこしづつ
怪我もする

どこかしら
危うい

だからといって
だめになるわけではない

一病息災と
いうのだろう


2009年07月09日(木) 夕立

傘を たたく
音が 大きくなり

夾竹桃の
枝が 揺れる

ぼう と
遠くの景色が
けむる


2009年07月08日(水) 夕立

夕立のあと
誰もいない
カフェのテラス

テーブルに
すずめが
やってくる


2009年07月07日(火) どこか

明け方の雨は
やがてあがり

また 夕方の
雨になる

くりかえしの
日々が

どこかに
続いてゆく


2009年07月06日(月) 雨に

雨の音に
かさなっていたい

雨の匂いに
おなじになって

雨にとけて
どこにでも
いってみたい


2009年07月05日(日) 川辺

永遠のように
流れてゆく

せせらぎも
とぎれなく

緑のしたで
耳をすます


2009年07月04日(土) あいだ

光と 影の
あいだ

ゆるやかに
ぼんやりと

境も ない


2009年07月03日(金) 夜のはじまり

小鳥の声が
かまびすしい

木立の
くらがりから

一羽
飛び立っていった


2009年07月02日(木) 夏日

迷い込んだ
ちょうちょうが
ただよう

わずかな 風


2009年07月01日(水) 夕べ

鉢植えの花が
透けて

和らいでゆく
夕べの光


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