恋文
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2008年09月30日(火) 未来

見えない未来に
つながるために

今を見ている


2008年09月29日(月)

たくさん 
たくさん の

水 いじょうに
流れてゆく と

思うのは
わたしの きもち


2008年09月28日(日) 歩み

そろそろと
踏み出す一歩を
見守っていよう

誰のものでもない
あなたの歩み


2008年09月27日(土) とどまらない

なにも
とどまらない
のだと

川は音をたてて
ゆき

揺れる枝から
葉が
おちていった


2008年09月26日(金) 道のり

地図のない道を
歩いているのだから

まだ見えない 分かれ道で
どっちに行くのか
考えるのは よそう

いずれ 立ち止まり
向こうを
見るだろう


2008年09月25日(木) 帰路

いつのまにか
雨だったのだ

舗道全部が
影になって
いるみたい

いつもの
道をたどる




2008年09月24日(水) ひとり

ラジオだけが
喋っている

いつか
夜になる


2008年09月23日(火) 影法師

見失うまいと
あがくほどに

見えなくなる

そこにいるのは
影法師


2008年09月22日(月) 灰色

自分も
空といっしょの色みたい

ぽつんと
雨がおちてきた


2008年09月21日(日) 一日

一日は
いつだって
ちゃんと
終わる

ずっと 
ずっと
見つめていなくても


2008年09月20日(土) 木立

木立のなかを
歩いてゆこう

光も 影も
ひとつの模様


2008年09月19日(金)

毎日 気づかないほど
変わってゆくのも

ある日
突然 変わってしまうのも

同じ
川の営み


2008年09月18日(木) 続く

やめない限りは
続けてゆける

終わらなければ
続いている


2008年09月17日(水) あいだ

目覚めても

夜中なのか 
朝なのか

わからない

雨のおとなのか
風のおとなのか

聞こえるものが
夢なのかもしれない

覚めようか
眠ろうか

どっちでもない
あいだ


2008年09月16日(火) 舗道

赤い実が
こぼれていた
舗道

もう 黒い
影のように
なってしまった

落ち葉が
おおいかくす


2008年09月15日(月) 空の下

終わってはいない
始まってすらない

考えは どこにも
たどりつかない

重い雲の
空の下


2008年09月14日(日) 濁流

渦のなかに
とどまっていても

もう
行ってしまった


2008年09月13日(土)

時は
ひとりで
すぎてゆく

誰も 残されない

わたしたち
連れ去られて
ゆく


2008年09月12日(金) はじまり

カーテンを あけても
昏い空

そろそろと
歩みだす
いちにちの
はじまり

なんどでも





2008年09月11日(木) 朝に

霧が
薄れていった

いっしょに
夏も
去っていった


2008年09月10日(水) 行ったり来たり

行ったり来たり
どこかにも
進んでゆかない

それでも どこかに
帰ってこれるのなら

また
始めようか


2008年09月09日(火) 夜中

夜中に目覚めて
どこか
違うところに
いるわけではない

寝返ると
昼間のかおりが
残っている


2008年09月08日(月)

川面に
いくつもの泡が生まれて
流れるままに
消えてしまう

一日に 
ふと 思うことも
出来事も
泡つぶに似て



2008年09月07日(日)

雨を 集めて
川は 険しかった

音は ざわざわと
岩に しろく
波が くだける

空から 少し
陽が さして

ちょっと
やわらかく
なった


2008年09月06日(土) 雨のなか

濡れてしまっても
いいの

少しづつ
くらくなってゆく
枝の葉や
地面と
いっしょに

染まって
しまおう


2008年09月05日(金) 慣れてゆく

慣れてゆく

光と影の
あいだで

目をしばたたかせて


2008年09月04日(木) 明けない

幾度も 目覚める
明けない夜

まだ ここに
このままいる

どこにも
いかない


2008年09月03日(水) 雨の夕方

空と 川は
同じ色に 染まって

町も いっしょに
くすんでいる

記憶も
おんなじ


2008年09月02日(火) 夜の訪れ

壁ぎわと 窓ぎわから
影になってゆく

夜の訪れと
いっしょに

思い出も
影になって

わたしも
影のなかに
はいる


2008年09月01日(月) 終わってから

終わってゆく
だけではないのだが

残されて
たたずんでいる
みたい

なにかが
始まることが
あるのだろうか


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