恋文
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2008年06月30日(月) ポプラ

おいで おいでと
揺れている

さようなら と
また 揺れる

青い空
だれもいない
ひるさがり


2008年06月29日(日) コントラスト

影と 光と
コントラストを
ながめている

ひとり
とり残されている


2008年06月28日(土) 水槽

窓の外は
青い空
ひかりも 風も
満ちているのに

水槽のなかから
見ているみたい


2008年06月27日(金) 初夏

街角が
まぶしい

空が ずっと
遠くまで
青い

ちょうど
目が覚めたみたい


2008年06月26日(木) 自分

どこに行くのだろう
わからないほどに
自分をうしなって

立ち戻ってみると
失いたくない
自分がいる


2008年06月23日(月) 進む

あっちに傾き
こっちに揺れて

それでも
なんとか
過ぎてゆく

進んでいさえすれば


2008年06月22日(日) わたし

いつだって
わたしのままで
いるよ

どんなに
変って
いっても

わたしは
わたし

いつか
出会っても

わたしのまま


2008年06月20日(金) 奈落

奈落のような
夢のなか

まだ そこにいても
いいのね

ほんのり 
明るくなっても

まだ ひとり
わたしのまま






2008年06月19日(木) 夕日

沈んでゆく

ひかりを
見ている

波が ひかるのだって
ひりひりする


2008年06月16日(月)

毎日 まいにち
すぎてゆきます

どんな 瑕も
ありましょうか

生きてゆけば
それなりに

今日の
鐘の音を
聞きましょう


2008年06月14日(土) 一日

教会の鐘が
聞こえている

飛行機の音が
近づいて
遠ざかってゆく

明るい窓のむこう

一日は
まだ続いている


2008年06月13日(金) ちがうこと

いつものことを
している
いつものこと

ふと 
なんだか
ちがうことに
なっちゃったみたい

どうしたら
いいかな
わかんないな

わかんないから
どうしよう

わかんないから
だまってしまおうか


2008年06月12日(木) 木々

ふと
風が ふれる

いつか
ざわざわと
みんな
揺れている


2008年06月11日(水) 夢から帰る

いつから
雨音を
聞いていただろう

まだ 暗かったのだ

夢のなかから
帰ってくると

ほんのり
辺りは薄明るく

まだ
雨音がしている


2008年06月10日(火) 夕立

ひとしきり
雷が鳴りつづけあたと
乾いた音をたたて
雨は真っ白な
霧のようだ

大きな雲の切れ目から
雨のなかにも
光が降り注いでいる

悪寒のする身体で
ベッドにもどり

音も光も
遠ざかる


2008年06月08日(日) いつものように

いつものように
生活ができたら
いいのです

なんにも
かわらない

そんなにも
いいこと


2008年06月07日(土) 終わりと 始まりと

終わりと
始まりを
祝おう

雨のなかに
花が咲いている

暗いとも
寒いとも
言わないだろう

まだ 行きつかない

ずっと 先まで


2008年06月06日(金) 知らない

知っていたって

知らなかったかも

知らなくて

いいから

知らない


2008年06月05日(木) 時間だけは

ぼんやり
外を見ているあいだに
もう 家の近くまで
来てしまった

考えは
なんにも
進んでいかないのに


2008年06月04日(水) とおりゃんせ

くぐっても
くぐっても

つづいている

この輪から
はなれたら

もう 帰れないかしら


2008年06月03日(火) どこにでも

いつのまに
雨を くぐりぬけて
来たのだろう

車窓に 濡れた水滴が
流れてゆく

曇り空の 行方に
すすんでゆく

雨が ついてくる


2008年06月02日(月)

木がざわざわ
さわぐ

小鳥が
窓に影を落として
また
飛び去ってゆく

風にのったみたいに



2008年06月01日(日) 午後

子供の声が
聞こえる

雲は
空を覆っている

飛行機が
よぎって行く

遠くからの
音を ひろっている





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