恋文
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2007年01月31日(水) まどろみ

まどろみのなか
いつか
時間を失って

ひょっとしたら
どこにも いない
わたし


2007年01月30日(火) 目を閉じて

手探りで
どこに
辿りつくだろう

歩いてみる

音を
頼りに

自らを
頼りに


2007年01月29日(月)

少しづつ
空が 明るくなる

街灯が
ふと 消える

夜を
見送っている


2007年01月28日(日)

風が すぎてゆく
揺れる

空が たかい
冷たい

触れる のは
落ちてくる

雪の
かけら


2007年01月27日(土) いついつまでも

わたしたち
知っている
限りがあること

だから
言う

いついつまでも


2007年01月26日(金) うたかた

隠れている
わたし

ひっそりと

たぎらない
ように

沈んで
沈んで

深い底に
辿りついたら

泡になろうか


2007年01月25日(木) 一日

今日が
終わろうとする

また
明日が
終わるときを
待っている


2007年01月24日(水) 雪のなか

真っ白な屋根の下
灯りがともり
坂道を誰かが
下りてくる

道は雪のなか
木々も雪のなか

わたしは
雪の中の
影になる


2007年01月23日(火) 雪の夜

ときおり
鳴るのは
風なのか

闇に
とけてゆく

音も


2007年01月22日(月) 雨音

雨音を聴きながら
眠っていたい

いつかの夜
いつかの朝に

雨の匂いを
思い出しながら
帰るだろう




2007年01月21日(日) 歩く

わたしが踏む
足元の 音

風が やってくる
木々の さわめき

歩く 歩く

わたし
ひとりの
からだ


2007年01月20日(土) 音楽

記憶を
たずさえて
くるから

泣いていた
夜を
思い出し

泣きたくなるよ


2007年01月19日(金) 十全

迷いながら
歩いていても

少し なにか
知ることが
できる

不完全など
あたりまえで と
言いきかせつつ

それは それ

わずかに
授かったものは
十全のもの



2007年01月18日(木)

なにかをもたらす
風ばかりではない

行く手を阻み
剥ぎ取り
奪い去ってしまう

疾駆する
風が


2007年01月17日(水) 黄昏

伏せていた
目をあげると

曇った
ガラス窓の
向こうに

さらに
街灯は滲み

ぼやけた
世界を
見つめていた


2007年01月16日(火) あした

たわみ
たゆみ
そうして
一日が
すぎる

まだ
明日を
おもう


2007年01月15日(月) 知らない道

知らない道を
歩き始める

まだ 
引き返せる と

うしろを
振り返る

少し
知り始めた道


2007年01月14日(日) 帰り道

向こうに
みどりの丘が
見える

重なる 屋根や
屋根の間の 塔を
みながら
帰る

わたしの
場所は
いま ここにしか
ないのだと


2007年01月13日(土) わたし

鏡に いる
わたし

探している

わたし

知っている
ことは
みんな 終わった

と おもう
わけはない

まだ
さまよっている


2007年01月12日(金) みち

いま来た 
みちは
残っているかしら

振り返りながら
とおざかる


2007年01月11日(木) まぼろし

そこには
なにもないと
知っている

それでも
たどってゆく
道筋には

自分で
つくりあげて
いった

まぼろしも
残って
いるだろうか


2007年01月10日(水) 夜の深さ

ぱらんぱらん と
風が
なにかを
運んでくるのだろうか

風も
なにを
伝えることも
できないだろう

音さえも
聞こえなくなる
夜には


2007年01月09日(火) 思い

丘のうえ
木立は
黒く並んでいる

厚い 雲とのあいだに

空は
わずかに
ひかりを残して

その隙間から
どこに
届かそうか




2007年01月08日(月) 坂道

坂道の向こうは
暗がりのなか

知っている道も
見知らぬように
変えて

どうやって
たどろうか


2007年01月07日(日) 知らない

波打つ 髪を
見ている

知っている と
言うが

鏡のなか

もっと
知らない

わたしを
見たい



2007年01月06日(土) 目覚める

夢のなかに
漂っていた

目覚めは
なくても
よかったのに

重くなった
夢を まだ
見ていたかったけれど

目覚めることに
した


2007年01月05日(金) さざなみ

さざなみが
たつのは
いい

さざなみは
沈んだ
小石を

おしえてくれる


2007年01月03日(水) 朝にむかって

暗闇のなかに
横たわって
いても

朝にむかって
開いてゆく
花のように


2007年01月02日(火) いちにち

濡れた
歩道が
ひかって

暗い
窓を見ながら
歩く

いちにちの
おわり


2007年01月01日(月) 新しい日

風と 雨が
窓を たたき
訪れる

雲と 夜も
朝も
いっしょに

しずかな
雨とともに
はじまり

あたらしく
目覚める
この 一日から


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