恋文
DiaryINDEXpastwill


2005年05月31日(火) 風の行方

日向の匂いがした
あなたの髪

いつの
ことだったのか

とおくまで
みどり色の
草地をわたってゆく

風の行方を
見ている


2005年05月30日(月) 沈黙

耳を
かたむけると
あなたの 鼓動が
聞こえてくる


2005年05月29日(日)

鳥の声と
せせらぎと

永遠のように
風がすぎて

こんなにも
音が
静かなんだ


2005年05月28日(土) 官能

森の中では
ひかりも
かげも
まじりあって

鳥のさえずりも
木々のざわめきも
忘れる
そのとき

ただ ひとり
いる わたし
官能に 
満たされる




2005年05月27日(金) 夢の中

ひとりの夜は
どうしているの

あなたの
夢の中に
どうやって
はいろうか


2005年05月26日(木) 聞く

食器のふれあう
音が 聞こえ

ピアノの 音が
聞こえ

鳥たちの 囀りも
聞こえる

暗くならない
空を 見あげて

まだ
なにかを
聞いていたい


2005年05月25日(水) なまめく

花の香りに
満ちた
夜は

胸乳に
ふれる


指に
からめて
もてあそぶ


2005年05月24日(火) わたげ

わたげが
ふわふわ
ただよっている

みどりが
まぶしい

わたしの 
ゆくさきに

わたげも
いっしょに
ついてくる

わたしも
いっしょに
ついてゆく


2005年05月23日(月) 慈しむ雨

濡れた緑は
柔らかく
光っている

花も
しずくを
たたえている

傘など
いらない
わたしも
濡れてあるく


2005年05月22日(日) 失う

失いたいと
おもった
その
ときに

きっと
離れていって
しまった



2005年05月21日(土) 思い

あなたが
その壁を見ているなら
わたしが そこに
映ればいいのに

あなたが
思いを巡らせるあいだ
あなたを 依りかからせる
わたしの肩が そこに
あればいいのに

あのときも
いまも、これからも
つながる 
その 思い

わたしは あなたと
いるからね


2005年05月20日(金) いれる

わたしが
うけるもので
あると おもう
その

わたしに
はいってくる
ものを
いれる


2005年05月19日(木) 感じる

暖かい 午後
葉と花の香りに
めざめる

なまめかしい
からだの
感覚


2005年05月18日(水) 思い出

町は
雨のなか
思い出のように
くすんでいる

ここに
あるはずもない

思い出は
遠い空のした


2005年05月17日(火) たそがれ

鳥たちは
帰ってしまおう

ゆれる草や 花や
木々の こずえ

雲の切れ目から
まだ 薄いひかりが
さしてくる

なにを 見ていようか
そこには
なにもない


2005年05月16日(月)

雨のなかを
あるいていよう

木々も
花たちも
つややかに
濡れている

わたしも
濡れる


2005年05月15日(日)

誰にも
見せられない
わたしを
抱いて
眠る


2005年05月14日(土)

あなたが
泣くたびに

ここには
雨がふる

雲の むこうに
ひかりが
うすく
見えると

抱きあった
わたしたちを
おもう


2005年05月13日(金) 暮れてゆく

夕方 遊んでいた
子供たちの声が
消える

窓の外は
あおい
忘れな草の
ように

まだ 鳥たちの
声がきこえる
空には
雲がうかんでいる

どこの窓にも
あかりが
ともっている






2005年05月12日(木) 背中

たち止まる
あるく

まがる
もどる

わたしの
背中を

みている
わたし


2005年05月11日(水) わたし

どこから
生れたのか

どこに
帰そうか

ちいさな
綿毛のようなもの

風が吹いたら
いなくなってしまおうか


2005年05月10日(火) ひととき

やわらかな
みどり
花たちの
いろどり

風が 吹きすぎる
暮れるまえの
そのとき

あなたと
分かち合えれば
いいのに


2005年05月09日(月)

暮れてしまうまでの
まだ あおいそらに
鳥たちの声が
聞こえる

それぞれに 
呼びかわす
彼らは
もう 
帰ってゆく

みんな声も消えてしまう頃
群青に染まった空に

あなたからの 声に 
耳をすまそう


2005年05月08日(日) ひかり

こんなに
花はあふれている
風が
通りすぎる

高い木々の葉のあいだから
ひかりが
降りてくる

しばらく たたずみ
また あるく

その道にも
ひかりが
おりてくる


2005年05月07日(土) ひろがる この

みどりも 
みずも


あなたが いる
そこに

おくろうね
あなたに

つながろうね
あなたに



2005年05月03日(火) 忘れな草

忘れな草が
散っている

雨上がりの 
夕方

まだ 青いままの
はなびらが
濡れて

ひかりが
降りてくる

忘れないよ
と あなたにいう


2005年05月02日(月) 春の午後

ライラックが
ゆれて
まぶしい

藤のはなが
ずっしりと
たれている

線路が 
くさむらのなかを
まがってゆく

草がゆれる
葉っぱもゆれる
鳥のこえも

ゆらいでいるように
どこからも
きこえる


2005年05月01日(日) れもん

れもんの花が 
ちっている
かおりは まだ 
あまい

みどりいろの
実が もうできている
白いはなの
あいだに

すっぱい
あじを おもいだす
みどりいろの 実

まだ しろい花が
咲いている


かや |MAILHomePage

My追加