いきいき定点観測記
Katsura



 奇跡映画 〜「デビルマン」レポート〜

■感性が破壊される

「Casshern」「庵野ハニー」「マッハ!!!!!」などなど、
今年はわりかし地雷くさい映画がてんこもりだったんですが、
上記3作品で最も地雷くさかった「Casshern」ですら、
腕一本もって行かれたぐらいで命に別状はありませんで。
っていうか「Casshern」2回見に行ってるんで、実は
ああいうノリが好きなんじゃないかなと思ったりも
したもんですが。

ここにきて、台風に乗って核地雷が飛んできました。
『デビルマン』っつー核地雷が。地雷に見せかけた弾頭が跳んできたかもしれんが。

いやもう、「ひどい」どころの話じゃないというか、
そんな生易しい言葉で片付けていいもんかというか、
小学生に見せたら確実に感性が破壊されるかなというか、
百戦錬磨のお姉様方が全滅の憂き目というか、
コレを果たして映画といっていいものかと、散々悩んだりも。
あの「さよならジュピター」ですら映画の体を為しておりましたですよ。

■なんとか思い出して内容紹介

銀髪のこどもとふつーのこどもが仲良く絵本を読んでおりまして。
題名が世界の怪獣大図鑑だったかなんだか。んで、載ってるのが
ケンタウルスやハーピーだったりして、どっちかというと
TRPGモンスター図鑑の方が近いんじゃないかと思ったりするんですが。

屈託ない笑顔で、こどもらが

アキラ:「リョウくん(※=飛鳥了=サタン)はかいじゅうがすきだねぇ。」
リョウ:「ああ、なかまだからな!!」

(註:子役なのに棒読み)


えーっと。
たしか始まって二分ぐらいだったと思うんですが、
このへんで既に困り果てている私がいるのですが。

で、そっからいきなり二人とも高校生になり、
クラブ活動とかで走っているかと思えば、
「もう限界だー」と言いつつアキラ君(※=不動明=デビルマン)
にぎにぎしくころんでみたりとかして。
なんだか20年前ぐらいのコント見せられてる気分。

この主人公二人が、本ッ当に芝居っ気がないというか、
セリフに抑揚がありませんで。まあその程度は事前に
予習していたんでこころがまえがあったんでいいのですが、
出てくる人みんな芝居っ気ないのな、これがまた。
芝居するためにカメラの前に立っているはずなのに、この
芝居っ気の無さはむしろ「芝居するな」という演出なんじゃ
なかろうかと思うんですが。

だいたい、ミキちゃんが首チョンパされて、
悲しみと怒りのあまり咆哮するシーンからして、

「ほあーっ ほあああーーーーっ ほあああーーーーーっ」

ですよ。えなりかずきっぽい声質で、抑揚も感情も抜きで。
堀江由衣ファン以下。彼らはまだ気持ちを篭めている。

音楽は「え、流れていたのか?」つーぐらい観客の邪魔せんし、
カットインしてくる永井豪とか、ほんの一瞬だけ出て
お前はパー子さんかいうぐらいピンク色な小林幸子とか、
意味合いがよくわからない上に本編とは全く関係ない
シーンがてんこもりで、正直30分ぐらいで疲労の極限でした。

まだ90ぷんあるのか。





2004年10月18日(月)
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