lucky seventh
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2004年04月26日(月) 夢見鳥





ゆめみたいな 夢見たいな

ゆめみたいな 夢みたいな


ゆめみたいな、ゆめみどり。








○ 夢見鳥 ○









トンネルをぬけると、そこは雪国でした。
トンネルをぬけると、そこは不思議の国でした。


目を開けば異世界だった。
さっきまで自分の部屋のベットに寝ていたはずなのに、何故か気が付けば
見知らぬ場所にいた。
自分の頬をいきよいよく叩いてみた、もしかしたら夢かもしれないと思ったから。
でも、叩いた頬は痛みを感じた。
現実のようだ。

「おい」

ぼーっと突っ立てると、後ろから呼び止められた。
振り向いてみると仏頂面した男の人が私を見ている。

「何か、ご用ですか?」

まだ、起きたばかりで眠気のぬけきらないまま尋ねてみた。
男の人は怪訝そうにジロジロと私の方を見ている。
何だかその値踏みするような視線に、妙に居心地が悪くなった。

「手前、ココで何してんだ?」

スッと男の人の目が、睨むように見定めるように細くなる。
身も知らぬ、私のことを警戒してると分かった。

「何も。」

ありのままに答えてみた。
男の人はこいつに何言ってんだとばかりに私を見ている。
どうやら、言葉か足りなかったようだ。

「気がついたらココに居たんです。」

付け足してみた。
すると、男の人は何だかとてもばつの悪そうな顏して私を見た。

「わりぃ、俺の所為かもしんねぇ」

今度はマジマジと私を見たあと、男の人は心底申し訳無さそうに言った。
私は何だか物凄く、嫌な予感を感じた。






( 夢なら、はやく醒めてくれ。 )





目は、まだ覚めない。

夢はまだ、終わらない。


2004年04月19日(月) 恋愛









あの頃に戻れたらよかったのにね。

そうしたら、また2人でいられたのにね。












・その思いの名は  ・













「ずっとずっと見ていたよ。」

俯いていた顔を上げた少女は、もう子供のままじゃなかった。
タマキはそんな長馴染みの様子に、珍しく動揺した。

「知ってたんでしょ?」

ふいに、堪えきれなくなって少女から目をそらす。

「知らないふりしてたんでしょ?」

それは、ほんの少しだけ責めているようで、
それ以上に、少女の悲しみと、堪えようのない切なさを帯びていた。


「ねぇ、なにか言ってよ…」


タマキは何も言わなかった。
リンに何一つ返すことができなかった。


「好きなんだよタマキ。」



「好きで、好きで仕方ないんだよ。」



「もう、あの頃には戻れないんだよ。」


突き付けられた現実に、タマキはやっと理解した。
もう、戻れない。

「消えたわけじゃない、過ぎ去っていたんだな。」

タマキの言葉にリンは泣きそうに顔を歪めながら、
それでも無理矢理笑った。

「女の子はそんだね。だって、男の子より先に大人になっちゃうんだもん。
タマキには分からないんだよね。分かってた。分かってたよ…」

それでも、少女は言った。


「タマキが好きなんだよ。
どうしようもないくらい、救いようのないくらいにね。」











あの頃に戻れたらよかったのにね。

そうしたら、まだ2人でいられたのにね。






その思いの名は、恋という名の愛おしさ。
『恋愛』


2004年04月10日(土) どうしようもなく救いようのないボクに、空から天使がふってきた。2





「捨ててきなさい。」

仕方なく、家にそれを持って帰ったところ開口一番に言われた。

「もとあった所に置いてきなさい。」


オレは捨て犬か!!
むしろ、もうすでに野良犬だよね。







何を隠そう同居人のフォル・フォウト・フォーラ、略してフォーは
ユウ・スウ・リンもといユウスンが帰ってくるやいなや、
後ろにくっ付いままの子供を見て、無表情に言い放った。
下位下層アウトローには珍しい学都の人間であるフォーは、
知識と知性を兼ね備えては入るが、それを塗りたくって
むりやり詰め込んだような性格だった。
悪くいえば、経験値の足りないのロボット or サイボーグ、
良くいえば、修行の足りない賢者とも言われるフォーは、
やんごとなき理由と所作において、このユウスンとロマンも夢もない
たらい回されて〜な同棲生活を送っていた。ついさっきから。
もちろん、まともに話したのも今が始めてで、ついでに言うと
顔を突き合わせたのも二回目であった。
どうあがいてもコミュニケーション不足はいなめないだろう。


「おい、貴様もといてめぇ!!オレを置きやがれ!!!」

被っていた猫を捨て、勇ましく子供は言った。
が、頭にできた大きなタンコブ(ユウスンの寸分の狂いもなく
くり出されたお玉攻撃)が(まともな人が見れば)涙をさそう。
しかし、その態度が中途半端に善人で賢人なフォーには癪にさわったらしい。

「目上の人に敬語でしょう?」

穏やかな笑顔(明らかに作り笑顔だ)と裏腹に、子供の頬を渾身の力で
捻りあげるフォーは紛れもなく本気と書いてマジだ。
そして、大人げない。

何だか凄い人と暮らすことになっちゃったよ。

前々から、同居人が入るから覚悟をしとけ。と、すざまじく似てない
大家兄妹に言われていたが、よりによって幻の学都生(アウトローには
ほんとに少ないんですよ by大家妹)にぶち当たるなんて…嬉しくない。

あぁ、でも…この2人は気が合ってるみたいだな。

あってねぇよ。

と、思ったかは謎だが、心を読める子供は心の中で心底呟いた。


天の采配ミスだ…。


2004年04月09日(金) きみよ、光となれ



無償の愛を、きみに贈ろう。

この愛は、弱いきみを絞め殺してしまうかもしれない。

この愛は、強いきみを嬲り殺してしまうかもしれない。



それでもほんの少しの希望と、

これからの未来を込めて、



この愛を、きみに贈ろう。


もしもこの愛にきみが応えられるほど、

弱くも、強くもないのなら、

きみは、かけがえのないものを手に入れるだろう。




この世でひとつとない宝物を手に入れることができるだろう。

親愛なるきみに、愛を込めて×××


2004年04月05日(月) 死に沈む








生きるってなぁに?


死ねってなぁに?



















<<死に沈む>>














いつも思っていた。
この扉をあけたら、誰もいないんじゃないか。
昨日が居たから、今日もいる。
そんな当たり前のことがいつから信じられなくなったのだろう?




誰もいない、住人は彼女たった1人の個室の病室には、
ただ大きな窓と、片付けられた彼女の荷物しか置いてなかった。
彼女が最期を迎えるための最後の住まいになるであろう場所は、
すべてに対して執着の薄い彼女と同様、とても簡素で質素な部屋だった。

「死ぬことは恐くないわ。」

余命、半年を宣告された彼女はそう言って空を見上げた。
外の景色は騒々しい夏から冬へと移り変わっていた。

「来年はもうこの季節を味わえないのね、それが残念ね。」












彼女が死んだ。

死ぬのは恐くないと言った彼女はもういない。


僕は哀しかった。

彼女を思うと哀しくて哀しくて

だけど、それが彼女が死んだからなのか、
死が恐くないと言った彼女が哀れだからか、
そんな彼女を思っている自分が可哀想なのだからか、

分からなかった。


ただ、胸を掻きむしりながら
苦しんで、もがいて、辛くて、痛かった
彼女が死ぬ前に、僕を見て笑って言ったことが何故か
とても印象的だった。




どうやら、彼女はぼくを愛していたようだ。
そう思えたら自分はなんて幸せなヤツなんだと思えたのに。





彼女は何も愛してなんていない。
彼女はただ、愛するという行為をする自分を愛していたに過ぎなかった。
彼女は何も、結局は愛することができなかったのだ。



そうしてそんな自分を皮肉りながら、
彼女は笑って死んでいった。





「ごめんね」







それはいったい、誰にあてた言葉?


ナナナ

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