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■東下り。三段落ち。
2003年12月31日(水)
栃木の実家に帰る前の晩、寝床で悶々としていた。

帰る前に僕のお気に入りの美少女・Rちゃんに暮れの挨拶をして
今年の締めくくりとしたい!

出発は午後である。午前中にRちゃんの勤めている
ゲーセンにちょっとだけ顔を出す程度なら可能だ。
しかし嫁が許す訳がない。でも会いたい…会いたい…

「Rちゃん…会いたいなあ」

しまった。思いが募るあまり口から出てしまった。

「なんですってー!」

すさかず隣で寝ている嫁の怒号が。

「いや…なんでもありません」

やっぱり嫁は許してはくれない。
ひとり静かに慟哭しつつ眠りに落ちたが
夜が明けてから嫁が信じられないことを言った。

「行っておいでよ」

「…は?」

「Rちゃんに会ってきなよ」

「いいの?ほんとに?電車の時間までには帰って来るよ!」

うきゃー!なんと優しい嫁なのだ。感謝して家を飛び出し
Rちゃんが働くゲーセンへ。

「暮れーの元気なご挨拶ー!」

テンションかなり高めに歌いつつ美少女のもとへ…もとへ…

Rちゃんはいなかった。

「暮れーなずむーまちのー…」

テンションかなり低めになり曲も変わり、
「来年もよろしく」と愛するあなたへ贈るメールだけ打って
トボトボと家路に着いた。

切ない気持ちのまま嫁と娘を連れて帰郷。
今年はRが生まれたので荷物もやたらと重く
更に悲愴感が増す。

都落ちの気分ってこんな感じなのだろうか。
この哀愁の念を日記にぶちまけてやりましょうぞ、と
嫁から奪ったノートパソコンを動かしたら

ネット繋がらないし。

都落ちだからってこういう落ちかよ!

結局弟のパソコンを奪っている次第である。
型が古いのでブラウザ落ちのおまけつきである。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ブー・イング娘。
2003年12月30日(火)
嫁が育児友達の家に遊びに行くという。
そこには娘・Rより2週間早く生まれたミゲ君がいる。
僕もついて行くことにした。

そこの旦那が結構パソコンオタクなのである。
自慢の自作パソコンでも見せてもらおうかな…と思っていたのだが

「主人、今日仕事なんです」

無念であった。しかし3ヶ月ぶりに見るミゲ君はますますその旦那
そっくりになっており、

「ほんとに似てますね」

と奥さんに驚きを伝えたところ

「よく言われるんですよ。
 私も主人の圧縮版かと思うほどで…」

…圧縮形式は.rarか.zipか、それとも偽装分割圧縮かなんかでしょうか。
普通ミニチュア版とか言わないだろうか。
さすがパソコンオタクの奥さんである。

ミゲ君は二重まぶたで赤の他人の僕が見てもとても可愛い。
僕達を見るとニッコリ笑ったりRに手を差し伸べたりして
なかなかの好青年ぶりである。青年じゃないけど。
厳格な父であるこの僕もRのボーイフレンドとして
合格を出しちゃうんである。

さて当のRはというと、ミゲ君宅にお邪魔するなり
ぐずりだして大泣きを始め、ミゲ君の手も振り払い
ようやく落ち着いたと思ったら
ミゲ君の布団を占領して寝てしまった。

「寝に来たんかーい!」

嫁ともどもそう突っ込まざるを得なかった。
しばらくしてようやく起たと思ったら

「ばふっ」

ミゲ君の前で大放屁。ああああボーイフレンドの前で…。

娘を嫁なんぞに出さん!と息巻いてる僕ではあるが、
こうもダメダメだとこの娘は将来貰い手すらないんじゃないかと
不安になりつつ家に帰ったのであった。

家に着いてからようやく笑顔になったRを見ながら

「R〜ミゲ君にそう笑いかければ良かったんだよ〜」

と話していたら嫁が

「アナタだって奥さんの前でずっとハナクソついてたよ」

ニヤリと笑った。うそっ。まじでっ。
屁娘の父は鼻糞親父であったわ!てか教えろ嫁!

ダメダメなのは血か…。

つむじが2つとか、足の指が不気味に器用とか
下らないところばかり僕に似るなあ…。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■らめんず・うぉ〜か〜。
2003年12月29日(月)
昼飯も食えずに仕事をし、夜はらぺこになって帰ってきた。
家に入るとテレビでラーメン特集なんぞやっている。
もうたまらん。

「嫁、ラーメン食べに行かない?」

「えっ。今から?」

これから嫁が夕食を用意するまで待ちきれない。
嫁も娘・Rが産まれてからというもの外でラーメンを
食べていない。

「外食したい…ラーメン食べたい…」

と、近頃呪われたように言い続けていたので
ここはひとつRを連れて初めてのラーメン屋に
チャレンジしようではないか!

そんなわけで近所のわりかしうまいラーメン屋に
行くことになった。

Rに抱っこ紐をくくりつけ僕が抱えて歩いていく。
食べる時はおんぶにするのだ。

道すがら、抱き合っている2人がいた。
んまっ。クリスマスも終わったのにお熱いことで…とよく見たら

男同士だった。

そういやこの通りにはオカマバーがあるんだったな、と思った。
ゲイなのか…酔っ払いなのか…と嫁と囁きながら
足早に通り過ぎた。

さて、オカマバー、じゃなかったラーメン屋に入っても
Rは泣きもせずキョロキョロとしているだけで安心した。

「久しぶりだよね」

と嫁に言う。

「でもあなたはこないだ津軽じょんがらラーメン(仮名)を
 食べたんでしょう」

嫁にちくりと返される。胸が痛いのはRのおんぶ紐が
締め付けるせいなのか嫁の皮肉のせいなのか。

腹が減ってしょうがなかったので出された途端に
ずばばばとRを背負いながらラーメンをすする僕。
嫁は嫁で「ひさしぶりぃぃぃ」「うまぁぁぁい」と
感動しながら食べている。

…これってひょっとしたらものすごい貧乏で
苦労している夫婦に映ったかもしれない。

とにかくRを連れて初めてのラーメンはおいしかったし、
これで他の店にも行く勇気も出来た。

満足して店を出ると、抱擁中の男達はまだいた。
よく見たら3人で抱き合っていた。

…増えてるし。

この人たちはこれから
とんこつザーメンを…

そう思ってしまった自分が嫌になった。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ドキドキ通勤。
2003年12月28日(日)
僕の友達でありお気に入りの美少女Rちゃん。
以前は近所のゲーセンにいたので
いつでも顔を見に行くことが出来たのだが
今はちょっと離れたところに引っ越してしまったので
あまり会えなくなってしまっている。

ところが朝、会社に行く時、駅にいつもいるんである。
Rちゃんにそっくりな女の子が。ただし後姿だけ。

初めてその後姿を見た時は

「引っ越したはずのっ!Rちゃんがっ!なぜここにっ!」

驚きのあまり線路に転げ落ち電車に撥ねられ
情熱の赤い鮮血をホームにぶちまけるところであった。

で、その子が振り返り、こちらに顔を見せた。

全然美人じゃなかっ…ええい筆が滑った、
Rちゃんとは違うタイプの女の子だった。

それから僕はこの後姿だけそっくりさんを
見返り微人(微妙な人)と密かに呼んでいる。

しかし後姿だけ似ているとはいえ
それでも何故か彼女が気になってしまう。
いつも僕と同じ位置で電車を待ち、○○駅で降りていく、
なんてこともチェック済みである。

そして昨日はなんと、帰りの電車まで一緒だった。
駅についてホームに吐き出され、
前方を見るとうおおっ。…いるではないか。

どこに住んでるんだろうと興味が湧いてきた。
後を付けてみちゃおうかしら。
いかん。そんな変質者じみたことしてはいけない。
人として。妻子持ちとして。でも知りたい…。

結局なんやかんやと一人で心の葛藤で苦しんでいるうちに
見失ってしまった。ああん。

しかしどうせまた朝には駅にいるんだし、
またチャンスがあったら調査してみようかしらん…
などと思って家路に着いた。

次の日の朝も彼女はいた。

男と一緒に。

調査終了です。もう興味失せたよぷっぷくぷー。

やっぱり僕はRちゃん一筋なのである。
後姿だけのそっくりさんに心を惹かれる僕なんて
電車に轢かれてしまえばいいんだわっ!

それでももしこの女の子がRちゃんだったら
一緒に毎朝通勤できるのになあ…と
黄昏れる僕であった。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■冥土の土産にメイド喫茶。
2003年12月27日(土)
娘・Rがまだ4ヶ月なので外食に出かける勇気がないのだが
そういえばメイド喫茶にも行きたかったなあとも思った。

※メイド喫茶とはウェイトレスがメイドのコスプレを
している喫茶店である。それ以上でもそれ以下でもなく
決していかがわしい店ではない。秋葉原に多い。


もう時効だから書いてしまうが、
僕のお気に入りの超美少女Rちゃんが
以前メイド喫茶で働いていたのである。

メイド喫茶には危ないオタク系の客が多い。
見た感じから一発で分かる絵に描いたようなオタク。

ネット上にはメイド喫茶に足繁く通い「今日は○○さんがいて可愛かったです」
などとレポートしているオタク系サイトがたくさんあり、
極端なオタクは喫茶内にノートパソコンを持ち込んで
その場で更新したりしている。
また、そういったオタク常連達が顔見知りになっているようで
ひとり客が入ってくると、

「○○氏キター!ハケーン!(発見)」

などと先客達がヒソヒソ言い合い、2ちゃんねる語使うなよ…と
悪態をつきたくなるほど大変気持ち悪い。

2ちゃんねるではお目当ての女の子の私生活を暴こうとしたり
逆に気に入らない女の子を中傷する書き込みも目立ち、
女の子との接し方が分からないゆえに惚れ込んでしまうと
ストーカーと化すオタク常連客もいるようだ。

実際Rちゃんもストーカーに付きまとわれ
身の危険を感じて辞めてしまった。

このサイトが見つかる可能性は低いと思ったけれども
Rちゃんの足がつかないように控えていた。
でももう大丈夫だろうと思うから書く。

メイド姿で働くRちゃんを見に嫁と行った事があるのだ。
その頃の嫁は妊娠6ヶ月ぐらいだった。

店内に数人いるメイド姿の女の子の中でも
Rちゃんは当然の如く抜群に可愛いかった。
デレデレになっている僕を尻目に
嫁はRちゃんにおなかをナデナデしてもらい

「産まれたらまた来てRちゃんに抱っこしてもらおうね!」

なんて言って帰ってきたのだが結局叶わぬ夢となってしまった。
娘・Rを抱くメイド姿のRちゃん…。さぞや美しいだろうに。
僕がRちゃんを

「これ、そこなメイド」

と呼び寄せるのである。するとRちゃんは

「はい、ご主人様」

と答えるのである。僕はおもむろにRを抱いて渡して

「授乳してたもれ」

なんて言ってうひゃひゃひゃ。

…僕が一番危ない客じゃないか。出入り禁止必至。

しかしメイド姿のRちゃんはもう見れぬ。
こうなったら娘が大きくなったら
メイドのコスプレさせてみようかしらん…。
僕だけのメイドに。

嫁から産まれたので
メイドインおかん、である。

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アリガトウゴザイマシタ。
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■そっと美少女ブロマイド。
2003年12月26日(金)
クリスマスプレゼントォー!

嫁には指輪、娘・Rにはネックレス。
それぞれお揃いのデザインのものを枕元に置いた夜が開け、
2人とも気付かないうちに仕事へ。仕事中

「お父さんアリガトオオオオ!」

と娘(の名を騙った嫁)から2人でつけた写真つきメールが来た。
家に帰ってから僕がRにネックレスを持たせてみる。



後ろにいるのは嫁。



すぐさま舐めまくろうとするので封印。
豚に真珠ならぬ赤子にプラチナだったか。
も、もっと大きくなってから改めて与えるようにしよう…。

そして僕も一応もらうことはもらった。
嫁が申し訳なさそうに僕に袋を差し出したのである。

「近所しか出歩けないから、こんなものしか贈れないけど…」

嫁からのプレゼントは定期入れだった。
開けてみると、もう何かが入っている。よく見ると…

び、美少女Rちゃんの写真じゃないかっ。
しかもRを抱いた写真!

友達で超美少女のRちゃん。僕は娘にも「R」の名前をつけてしまったほど
彼女が大好きだ。その写真は先日RちゃんとRを会わせた時に
抱っこしてもらったものだった。

さすがにこれはまずいでしょうよ…。
もしこの定期入れを肌身離さず持ち歩き、
車に撥ねられて昇天したらどうする。

まず警察の鑑識に見られるであろう。
そうしたら「ああこれが奥さんと娘さんなんだな」と
思うに違いない。

で、警察から通報を受けた嫁が駆けつけると

「写真と違うやんけー!」

ということになってしまうではないか。嫁の立場がない。

だからさすがの僕もRちゃん+Rの写真は持ち歩いたりせず
部屋にベタベタ飾っておくに留めている。
それ自体あるまじき行為だと言うのは禁止である。

実はRちゃん+僕の写真はこっそり持ち歩いているんだけれど。
(だめじゃん)

「アナタが喜ぶと思ってさ〜」

と嫁。この人はとても寛大なのかもしれない。
でもひょっとしたらこれは
定期入れじゃなくて
浮気入れなのよ、と
強烈に皮肉っているのかもしれない。

結婚してからだいぶダジャレ癖が伝染ってしまったからなあ。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■クリスマス・コスプレハウス。
2003年12月25日(木)
仕事から帰ってきて、家のドアを開けようとしたら
ドアノブに何やら紙が貼ってあった。

『クリスマス準備中!
 入る時はチャイムを押すこと! 
               BY 嫁&R』

ガビーン。猛烈に嫌な予感がするのう…。

嫁は僕の帰宅時に時々変な「仕込み」をする。
ブルマで出迎えたり看護婦服で隠れていたり…。

これが僕の大好きな美少女Rちゃんだったら
(娘・Rの名前のルーツである)もう核弾頭のように
かっ飛んで押し倒すのだが
嫁にやられても、ちょっと、引いてしまう。

しかも今日は12月24日。

多分、嫁はアレを仕込んいるに違いない…と
恐れおののきながらチャイムを押す。

ドタドタバタバタと家の中から音がして
ますます不安が高まる中、やがてドアが開いた。

「おかえりー!メリークリスマス!」

嫁、ミニスカートのサンタコスプレで登場。
うわーん。やっぱりー。
しかし、今日はそれだけではなかった。



娘・Rがトナカイにされてるー!

「この格好をして1時間前から待っていたのよ!
 Rが泣いたり寝たりしなくてよかった〜!」

「待ちすぎだボケ!R、可愛いけど、なんだか可哀想な気も…」

「あははは、成功成功」

僕の気も知らずに嫁は大変満足そうで
よかったよかったと着替え始めてしまった。
ちょ、ちょっと待ってくださいよ。

「え?もう終わり?サンタさんからの
 エロスなプレゼントとかないの?」

僕は嫁のスカートを引っ張って制止したのだが
ずり落ちて桃色のぱんつが見えてしまっただけに留まり

「トナカイが見てるでしょ!」

振り切られてしまった。
ふと見るとトナカイ(R)のつぶらな瞳がこちらを…ああん。

結局嫁は親子コスプレがしたかっただけのようである。
こんなことだったら僕もナマハゲの準備でもしとけばよかった。

ところで、娘・Rよ…。
よくグズることもなく付き合ってくれたもんである。
こんなアホな親でごめんよ…。



良い子にはプレゼントをあげるのである。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ド本命クリスマスプレゼント。
2003年12月24日(水)
嫁にクリスマスプレゼントを買おうと思っていたが
10年以上も贈り続けているとネタも無くなるというものである。

「お前、なんか欲しいものある?」

ムードもへったくれもないが、もう考えるのも面倒なので
直接聞いてしまった。そしたら「指輪」と答えが返ってきた。
何で釣った魚にそんな高い餌をあげねばならんのだ。

過去、僕は今まで嫁に3つの指輪を贈っているが
そのうち2つを失くされている。贈り甲斐のない嫁である。

「その、2つ目になくしちゃった指輪がいいの」

嫁は悪びれることなく言う。そーかよそーかよ。
結局、他に贈るネタもないので嫁の希望をを汲むことにした。

ただ、今している3つ目の指輪!
それを失くしたらどうなるか分かってるだろうな!
3度目はないと思え!
だってそれは結婚指輪だからね!
頼みますよまじで!

というわけでクリスマスフィーバーで
ごった返し中の某宝石店へ。
同じデザインのものを見つけ注文し、
とっとと店を出ようとしたら
ネックレスが置かれているディスプレイが目に入った。
嫁の指輪と同じデザインのものである。

『デザインのテーマ:生まれたばかりの生命』

などということが書かれていた。
生まれたばかりといえば、娘・Rではないか。
そういえばRにも初めてのクリスマスプレゼントを
贈ろうと考えていたのである。

このネックレスだったら嫁の指輪とおそろいになるし…
って待て。何を考えているのだ。

赤ちゃんにプラチナ贈るアホがいるかっ。
でも『生まれたての生命』…まさにRのためのフレーズ…
でも値段がン万円…嫁の指輪もン万円…さっき食った牛丼280円…
ああっRの顔が頭に浮かんできた…そんな目で見つめないでくれええ…

様々なものが頭の中を駆け巡った結果、

「プレゼント用の包装でよろしいですか?」

「お願いします」

…Rを溺愛するあまり買ってしまった。
長女は父親にとって最大の恋人である、とは聞いていたが
僕にとっては魔性の女である。ホント、女って恐いなあ…。
女の恐ろしさを改めて知ったクリスマス。

しかし、ただあげるだけではない。
結婚指輪をするのは「売却済み」ということを
周囲に分からせる意味があるのと同様、

Rへのネックレスには「僕が首にくくりつけて離しませんよ」
という思惑を込めて贈るのである。
嫁になんか行かせるものかわはははは。

…食いちぎられたりして。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■今年の名前ランキング。うちの娘は…ランク外。
2003年12月23日(火)
明治生命のサイトにある
2003年生まれの名前ランキングを見ていた。

男の子だったら「翔」とか「輝」とか「颯」、
だったら「凛」とか「萌」とか「莉」といった
いかにもな、流行ってるんだろうけど
食傷気味な字面が並ぶ。

親ならば子供の名前を考える時はもの凄く考えたはずである。
トンビが鷹を産むはずはないからせめて名前だけは非凡なものを、と
あるだけの知恵と薀蓄と思い入れを総動員して命名したはずである。

「それなのにこれかよ」というのがランキングを見た感想である。

上記の漢字を含む名前の方には申し訳ないし、
1位でも全 に対する割合は1%未満で、
できるだけありがちな名前にはしない、という
親の思惑も読み取れるけれども…

じゃあお前にはさぞやすんばらしいセンスがあるんだろうな、
と言われるとお恥ずかしい限りである。

僕はこの夏、娘に「R」と名付けたが、由来は

「僕の大好きな近所の美少女、Rちゃんと同じ名前にするんだー!」

それだけである。意味、字面、読み方の響き、姓名判断、
その他の考慮、全くナシ。

嫁もよく反対しなかったと思うが、
嫁は嫁でもし男の子が生まれていたとしたら

「ワタシの大好きなキムタクと同じ名前にするのよー!」

と決して譲らない態度を見せていたので
結局僕も嫁も人様の子の名前をどうのこうの言う
資格はなさそうである。

しかし…タクヤなんて名前は由来はキムタクだってバレバレだし、
僕と嫁の遺伝子ではタクヤはタクヤでもキムタクよりどちらかというと
洗タクヤケンちゃんに近づく可能性が…高いような。
息子がかわいそうな気がする。

余談ではあるが、本家RちゃんにRを会わせた時、
「R」の名前はRちゃんのお父さんが素敵な意味を込めて
名付けていたことを教えてもらった。
本来こうあるべきだよね…。

義父さん、僕がRの名前を受け継ぎました!
(なぜ「義」)

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アリガトウゴザイマシタ。

※明治生命「名前ランキング2003」
http://www.meiji-life.co.jp/ranking/

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■怖いもの 地震 雷 嫁の父。
2003年12月22日(月)
嫁父がやってきた。
夜は新宿で忘年会だということで
その前に我が娘・R(4ヵ月)を見に立ち寄ったのであった。

「イヤー重くて重くて」

嫁父は巨大なボストンバッグを抱えていて
ウチにあがるなり中身を次から次へと取り出す。
ミッキーマウスとミニーマウスのぬいぐるみが
お土産としてドカドカっと渡された。
い、いらねー。ディスニー好きじゃないし(とは言えない)

「それと、サンタクロース!」

とどめは顔が妙にリアルで不気味なサンタ人形だった。
これこそいらねーとはやっぱり言えなかったが
僕らを尻目に嫁父は得意気に

「これはな…音楽も鳴るんだよ」

と、サンタ人形の台座にあるスイッチをONにした。

びょびょびょびょいいいーー。

うわー!何なんだこの不協和音の電子音は!

「はは、ちょっと曲、うるさいかな?」

ていうかそれ曲じゃないです。
カラス除けの毒電波かなんかです、きっと。

さて、嫁父は久しぶりにRを見れてご満悦だったが

「おっ。これに写ってるのは誰かね」

ダッシュボードに飾ってあった1枚の写真を手にした。まずいものを見られた。

それは僕のお気に入りの超美少女Rちゃんが
娘・Rを抱いている写真であった。
先々週会った時に僕がお願いしてRを抱っこしてもらって
デレデレしながら撮ったものである。

「それは…Rちゃんだよ」

嫁が苦笑いして答えた。

「ん?Rちゃんは分かってるが、この女の子だよ」

「それも…Rちゃんだよ」

嫁!皆まで言うな!

実は僕、その女の子が大好きでして、
名前はRちゃんっていいまして、
Rの名前は彼女から取ったものなんですよ…

などと言えるかあっ!
嫁父にこの秘密を打ち明けるわけにはいかない。
Rのグランドファーザーである嫁父は怒りのあまり
ゴッドファーザーと化し、僕は嫁実家の畑に埋められて
しまうかもしれない。

「あはは、オトウサン、写真ならいっぱいありますよ。
 このアルバム持ってって下さい」

僕はすさかず娘・Rの厳選写真アルバムを差し出した。
嫁父へのプレゼント用にと20枚ほど綴って昨日あらかじめ
用意しておいたのである。

「おお〜もらっていいの?じゃあ早速今夜の忘年会で
 見せびらかしちゃおうかな〜」

効果は絶大で嫁父の関心がこちらに移った。
危ないところだった。これで大根の肥料にならずにすんだ…。

Rも終始いい子で嫁父をかわいくもてなし、
嫁父も写真のことはそれ以上触れることはなく
満足気に帰って行った。

僕はRに助けられたなあ。
命あっての一粒種。

びょびょびょびょいいいーー。

不気味サンタはやっぱりうるさいので
封印することにした。サンタが大将。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■クリスマス・イブイブイブイブ。
2003年12月21日(日)
今日こそ娘・R(4ヵ月)を連れて美味いものをを食いに行こうと
子連れ初外食にチャレンジだと思ったのだが

「今日は元職場のクリスマス会だから」

と嫁にあっさり裏切られた。
そういえばそんなこと言ってたっけ…。
嫁がRを産むまで勤めていた保育園。いいなあ。
嫌がらせに黒サンタに扮装して刃物持って
乱入してやろうかしら。

「Rも連れて行くからね」

「え。じゃあ僕はどうしたら…」

「荷物がいっぱいあるから持っていって」

ガチョーン。職場に返すものがたくさんあるとのことで
嫁に大きな手提げ袋を持っていくように指示された。
僕はチャリで15分ほどの嫁の元職場である保育園に
荷物を担いでいくハメになってしまった。

悲しいことに僕は車を持っておらん。
10年以上ペーパードライバーである。
それでも免許はゴールドじゃない。
…原チャリ2ケツで捕まったからね!(威張るな)

「じゃ、保育園の前で」

ということで僕はチャリにまたがり、嫁とRはバス停に向かった。

そうたいして離れた距離じゃないので僕のほうが早く着いた。
嫁の方はバス待ちや渋滞で結構時間がかかるんじゃないかなあ〜
などと計算し、コーヒーでも飲んでるか…と
ジュース自販機まで行って戻ってくると既に嫁が到着していた。

「あれ、お前、随分と早く着いたね?」

「タクシーで来ちゃった。ちょうど停まってたもんだから。えへ」

嫁は恥ずかしげに微笑んだ。

んまっ。なんて可愛い…くねーよ!
そしたら僕がチャリで来た意味ないじゃんこの贅沢嫁!

しかしRの前ではぶち切れることもできず

「ああそう、じゃあね」

お役御免になった僕は再びチャリにまたがり

「こんばんわー」「キャーいらっしゃーい」

という嫁を出迎える暖かい職場の人たちの声を
北風とともに背に受けながらなじみの洋食屋に飛び込み
ひとりカツカレーを食べるのであった。

3人で外食する夢はまたも叶わなかった。
カツカレーは涙のぶんだけしょっぱかった。
僕、オツカレー…。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。


■母娘の鼻水リンク。
2003年12月20日(土)
「あなたに謝らなきゃならないことがあるの!」

嫁が足元にすがりついてきた。何だ何だ。

「さては僕に内緒でアイス(デブの元)を食ったんか」

「違うけど。それはそれでいずれ内緒でこっそりと…」

「何だと!」

「あ、こっちの話」

「じゃあ実は不倫しちゃってましたとか」

「それもいずれ水面下での方向で…」

「洒落んなっとらん…」

話の腰を思いっきり折られてどうでも良くなった。

「そうじゃなくてね、Rちゃんに鼻かぜうつしちゃったのよーー!」

なにー!慌てて娘・Rの元へ駆け寄ってみたが
いつもどおりすやすや寝ているので拍子抜けした。

「でも鼻水ズルズルでずっとグズってて
 やっと寝付いたところなのよ」

と嫁は言う。そういえば昨日嫁は鼻がグズグズしていたし
Rもクシャミをしていたが、熱がある訳ではないので
そんな気にすることでもないんじゃ…、
と思ったのもつかの間

Rが起き出し、その途端に号泣。
確かに涙と鼻水がズルズル。
よしよしとあやしても収まらず、風呂の時間になったので
入れようとしたがお湯につけた途端にわめいて暴れだし、
お風呂を断念せざるを得なかった。

「どーしちゃったのよ!Rちゃん、どーしちゃったのよ!」

先ほどはおちゃらける余裕があった嫁も
えっらいカリカリし出してキンキン声で叫ぶ。
ようやくRを寝かしつけた後には今度はショボーンとなって

「私がうつした鼻のせいで機嫌も悪いのよ…ごめんね…」

鼻水と、見えなかったがたぶん涙を出しながら
寝床に入っていった。

「気にすんなよ」

と声をかけたが聞く耳持たず。
そんな自分を追い詰めることもないのに。
なんだか憐れで嫁の鼻水ごと風邪をぬぐって
やりたくなってしまった。

ひとーつ、人妻の鼻水をすすり…
ふたーつ、不埒なセクハラ三昧。
みーっつ、みだらな行為の鬼を…じゃなくて

風邪を退治したいものである。
ポンポン。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■あの子がオイラに微笑んだのさ。
2003年12月19日(金)
娘・R(4ヵ月)に「べろべろばー」をやっていたら
顔をにっこりさせて

「エヘヘ」

と声をあげた。なんと。Rがっ。初めて笑い声をあげたー!

「嫁!Rが笑い声をあげてる!」

僕は興奮して嫁を呼んだが

「私はもう1週間ぐらい前から聞いてるよ」

とのこと。はらほろひれはれ。なんてドライな嫁なんだ。
僕の喜びに水を差しおって。ワライダケ食わせたろか。
普通そういう時はビデオに撮っておいて僕が会社から帰ってきたら

「アナタ、見て。今日初めてRが笑い声をあげたの」

「ほう。どれどれ。おお。かわいいねえ。
 どーれR、お父さんにも笑ってみせてごらん」

「やだあ、今、やっと寝付いたところなんだから」

「そうかごめん。はっはっは」

「キャア。今の笑い声でRが目覚めちゃったわ。もう。ぷんすか」

「こりゃうっかり。はっはっは」

などと絵に描いたようなホームドラマをするんじゃないのか?
ついでに後ろから市原悦子が覗いてたりして。え?しない?

ともかくRは機嫌のいい時に限るが、声を出して笑うようになった。
可愛くて仕方がないのだが、その笑い声が、ちょっと…アレである。
というのもコロコロとした高く明るい声で
「アハハ、キャハハ」と笑うのではなく、どちらかというと

暗い部屋で男子中学生がデラベッピンを見ながら

「えへ…えへへ」

と地を這うような声で笑う感じなのである。
全く誰に似たんだか。

まあ、それでも確実に成長してるんだなあと
Rのほっぺたをプニプニ突っつきながら
悦に浸る僕であった。自然に笑みもこぼれてくる。

えへ、えへへ…

って僕かよ。

血は水より濃し。

これからは口に扇をあてて「おほほ」と
笑わなければなるまい。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■禁断のラーメン。
2003年12月18日(木)
娘・Rが生まれてから嫁と外食に行っていない。

テレビで有名なラーメン屋やカレー屋が映し出されると
嫁も僕もウズウズするのだが、まさかRを家に置いては行けない。
となると赤ちゃんでも入れる店でないとだめである。

せっかく店まで出かけてもRを寝かせておく場所がなかったら
悲しすぎる。事前に確認してから、と思っても調べようがない。
よしんば入れたとしてもRが泣き出したりうんちをしてしまったら
どうしよう、カレーの店に入って本場インドカレーそっくりの物体が
おむつの中にあったら我々は食事を続けられるのだろうか…と

まるで牛丼を食べたいけどひとりで吉野家に入れない
純情乙女のように躊躇してしまう新米親子の我々なのである。

「あなただけでも食べてくればいいじゃない」

嫁はそう言ってくれるが本意ではあるまい。
それに家で乳飲み子抱えている嫁を置いて

「んめー!まいうー!」

と自分ひとりだけ有名ラーメンをすするさまは非常に卑しく思え、
僕も我慢していたのである。

ところが今日、仕事で出かけて行ったところのすぐそばに
都内で超有名な店、津軽じょんがらラーメン(仮名)を
見つけてしまった!

既に昼メシのピーク時間を過ぎており行列はない。
僕はまだメシを食っておらず空腹の極み。

これは悪魔が仕掛けた罠か…
僕は嫁のために我慢を…
人はメンのみにて生きるにあらず…しかし…

「んめー!まいうー!」

気がついたら替え玉まで頼んでラーメンを堪能してしまった。
我慢の誓いをあっさり破ってしまった。

「ごめん。昼に津軽じょんがらラーメン(仮名)食べちゃったよ…」

心苦しくなった僕は家に帰って嫁に懺悔した。

「な・ん・で・す・っ・て!」

嫁は驚愕の表情で5秒ほど固まった後、横で寝ていたRをガバと抱きかかえ

「お母さんもラーメン食べたいなあ。
 お母さんもラーメン食べたいなあ。
 お母さんもラーメン食べたいなあ。
 お母さんもラーメン食べたいなあ」

エンドレスで語りかけ、何だか遠い世界にトリップし始めたので

「じゃあ僕の○ーメンをすすらせてあげるから」

と慰めて(?)やったところ

「…」

ますます遠い世界に行ってしまった。

後悔の念と、濃いとんこつスープによる胸焼けだけが
残ったのであった。合掌。アーメンラーメン。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■026で99999(オフロデゴーキュー)
2003年12月17日(水)
またまたお風呂の話。切実なのである。

相変わらず僕が娘・R(4ヶ月)をお風呂に入れると、
号泣されてしまい困っている。
昨日は僕が風呂より早く寝てしまい
ぶっちぎってしまったが、

「今日は大丈夫だよね〜」

と、Rの機嫌が良さげな頃合を見計らって恐る恐る入浴。だが…。

「ぎゃわーん。ひえーん」

ものの3分で泣き出されてしまった。

お風呂に浮かべた「どこでもいっしょ」のトロ→
のオモチャをちゃぷちゃぷさせて

「ほら、トロちゃんだよーん」

と気を紛らわそうとしたが無駄で、
あやせばあやすほど爆竹のように暴れ、泣き、叫び、

「うーん、今日はダメだねー」

見かねて浴室に入ってきた嫁がサッと
Rを抱きかかえて出してしまった。

湯舟に取り残された僕ひとり。
また今日もダメだったか…と落ち込む。
今までは全然平気だったのに、あんなに嫌われるとは
何か変なことでもしただろうか?

僕はロリコンだが実の娘、しかも赤子に手を出すほど
落ちぶれてはいない(威張るな)

ひょっとしてRは僕のことを父親だと分かっておらず、
単なる全裸の危ないおじさんだと思ってるんじゃないだろうか。

父親としての自我が崩れ、自分が惨めになっていく。

「どこでもいっしょ」のトロのおもちゃを突っつきながら
「ここらでいっそ…」とこのまま湯舟に沈んで入水自殺しようとしたが
明日は生ゴミの日じゃないから嫁に怒られるし、
ふりちんの死体だと格好悪いので辛うじて思いとどまった。

「はあ〜」

溜め息とともに、ぼこぼこっと湯舟の下から「泡」も出てきた。
その泡は入水なんかしなくても充分ガス中毒死できそうなくらいの
強烈な臭いであり、僕は更に落ち込むのであった。

浴室で放屁すると地球環境を破壊する恐れがあるので
注意しなければならないのだ。

風呂んガス。なんつって。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■眠れる僕と眠れぬ娘と怒れる嫁。
2003年12月16日(火)
また嫁の怒りを買ってしまった。

ことの発端は

「赤ちゃんて0時前の睡眠の時に背が伸びるんだって!」

という嫁がどこからか仕入れてきた知識に基づき
宵っ張りになってしまっている我が娘・Rを
もっと早く寝かせようという試みであった。

僕は仕事休みだったこともあり、
寝る直前に入れるお風呂を1時間ほど早めてみようと
思っていたのだが…

僕が真っ先に寝てしまった。

娘を早く寝かそうというのに
お風呂係の僕が寝てしまってどうする。

寝っ転がってテレビを見てウトウトしていたところまでは
覚えてるのだが、気が付いたら朝だった。

会社に遅刻した時よりも恐ろしさを覚え、

「寝ちゃった。ごめんね。えへ」

きゅぴぴーん、とおどけて嫁に謝ったのだが

「起こそうとしたけど『うるさい!』って言われたよ…
 お風呂は私が入れたよ…」

嫁、憤怒。申し訳ありません。全く記憶にございません。
逃げるように会社に行った後も

「うるさいって言われた…悲しかった」

とメールで恨み言の追い討ち。ヒイイイ!

僕は慢性的に睡眠不足なのだけれども、
嫁はネットのやり過ぎだからよ!と敵視していおり
そういったこともあって余程怒りが収まらなかったと見える。

ごめん嫁。僕は眠たい時とヤリたい時は人格がないんだ。

寝る子は育つ。
寝る夫はうだつ…があがらない。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■父帰る。娘元気だね。
2003年12月15日(月)
娘・R(4ヵ月)をお風呂に入れるのは僕の役割なのであるが
ここんとこ入れた途端に号泣されて困っている。

今までRは風呂が大好きで、手で抑えながらバスタブに
浮かせてやると気持ちよさそうに「ゆよーん」と
漂っていたのに…。

おじさん、変なイタズラとかしてないのに…。

「もうちょとっと早い時間に入れなきゃダメなのかも」

とは嫁の考えである。
お風呂に入れるのはいつも22時とか23時で、
Rが寝るのはだいたい0時過ぎ。
これが今のRの生活パターンになってしまっているのだが
本当はもっと早く寝させないといけないらしい。

そうするとお風呂に入れるのを早めるとして、
時間は20時〜21時ぐらいになるのだろうか。
僕は仕事から帰ってくるのはせいぜい22時ぐらいである。

…僕が入れることはできないじゃないか。
それにそんな早い時間に寝てしまったら
僕はいつもRの寝顔しか見れないじゃないか。

なんということだ。そんなのいやじゃー。
同じ屋根の下にいながらまるで遠距離恋愛のような
もどかしさを抱えていかなければいけないのだろうか。

Rに会えない…お風呂でイタズラできない…(してないって)

Rが大きくなっても顔を忘れられて
「このおじちゃんだあれ?」とか言われて
すねだけはしっかり齧られて…。

世のお父さん方って皆そんなもんなのか。

でっかい僕の等身大ポスターでも作って貼っておこうか。

ちょいと色気を出して上半身裸で薔薇の花でもくわえて。

父親じゃなくて兄貴と思われたりして。

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■恐妻家ウィークエンダー。
2003年12月14日(日)
週末なウィークエンド。
土曜日なサタデー。

先週の今日は僕の大好きな美少女Rちゃんに
半年ぶりに再会したのだった。

1週間でもう美少女禁断症状が出てきてしまった。
また会いに行きたいなー…と身悶えていた。

以前は近所のゲーセンの店員だったので
ちょっとRちゃんとこ行ってくるー、なんて嫁に言って
さくっと行ってさくっと帰って来れたのだが
今は少し遠いところにいるのでそうはいかない。

それに今は娘・Rもいるので嫁とRをほっといて
そうホイホイと行ける雰囲気でもない。

しかも今日は出勤だ。
僕の会社は完全週休二日ではなく、
隔週で土曜が半ドン(半日出勤)なのだ。

天気がいいのに会社…。
Rちゃんに会いに行きたいのに会社…。

土曜なのに気分はドヨーン、うひゃひゃ、と仕事していたら
部内一の麻雀好き、サトー君がやってきて

「今日、会社終わったら打ちませんか〜」

と誘ってきた。娘・Rが生まれるまではよく打っていたが
もう無理っぽい…。家でRの育児をする嫁をほっといて
自分だけ麻雀で遊び呆けていることが知れたら大激怒間違いなし。

「ごめんよー。ウチには乳飲み子抱えた嫁がいるから…」

そんなわけで辞退した。
しかしサトー君は僕以上に恐妻家である。
嫁さんから麻雀禁止、とはっきり言われているのに
しょっちゅうこうして誘ってくる。バレないのだろうか。

僕だってRちゃんに会いに行きたいけれど
なかなか時間が捻出できない状態であるのに。

僕はそのへんのところをサトー君に聞いてみた。

「だから半ドンの今日がチャンスなんですよ!
 嫁には残業、って言っておけばいいんです!
 半日仕事して半日麻雀。そうやって
 いつもの時間ぐらいに帰ればバレません!」

こ…これだー!それ、僕もいただきマドロス。

ひょっとしたら半ドン制度というのは
恐妻への救済なのかもしれない。

「そんなわけで半ドンでドーンと行ってみましょう!」

駄洒落は人から言われると腹が立つものである。
というよりも僕のお株取るな。

麻雀より美少女である。

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■愛の2ケツ。
2003年12月13日(土)
ばるばるばる、と荒々しい運転のバイクが
僕に水を撥ねて行った。

運転する男と後部座席には女がへばりついていた。
乳のなすりつけ具合から察するにバイクでおデートなんだろうか。
だったらもう少しまったり雅に走ってもらいたいものでおじゃる。

2人乗りデートは良い。
僕にも甘酸っぱくもほろ苦い思い出がある。

中学の頃、好きだった女の子を自転車の後ろに乗せて
よく下校したもんだ。

「いいい一緒に帰ろう」

などと必死に誘っていたのだ。

すれ違う同級生から「エロ!」と叫ばれて顔を赤くしたり。

家に帰るまでのほんの10分ぐらいのおデートで、
それ以上は何も誘えなかった。
僕は素朴な田舎の純情美少年だったのである。

時は流れ、上京してイカすトレンディな太陽族になった僕は(いつの時代だよ)
免許は取ったが車は買えず、原チャリを乗り回していた。
ある日、ビッグシチーTOKIOでハントしたナオンに(いつの時代だよ)

「子猫ちゃん、これで海まで行こうジャン」

と、無謀にも原チャリドライブを誘った。

「それって違反…」

顔を曇らせる彼女を無理矢理2人乗りさせてレッツラゴー。
若さとは愚かである。

すれ違うパトカーから「止まれ!」と叫ばれて顔を青くしたり。

ていうか捕まった。

海どころか最寄の派出所ドライブになってしまい
僕は切符を切られ彼女のほうも長時間帰してもらえず
とんだとばっちりを食らわせてしまったのだ。

それが元で彼女は僕に失望し、別れることになった…

かと思いきや

警察に捕まったのが悔しかったらしくその後腹いせに
僕を捕まえて同じ苗字になってしまった。

戸籍の2人乗りである。
最近は娘も生まれたので3人だ。
原チャリで3人乗りは無理である。

そんなわけで車が欲しい。

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■ちくちくちゅーしゃ。
2003年12月12日(金)
娘・Rは生後4ヵ月を過ぎ、予防接種ラッシュである。

BCG(結核)やDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)、
BBC(ブリティッシュ・ブルマ・コレクション)に
NHK(日本はめ殺し協会)、その他いろいろ…。

特に今週は2本も射たねばならず、僕だってそんなの嫌だ。
先月初めての注射をしたが、その時はおお泣きしたらしい。
連れて行く嫁も大変だと思う。

そして今日も注射。僕は仕事中は携帯メールはしないのだが
つい嫁と娘を不憫に思い

「泣いちゃった?」

嫁宛に送ってしまった。程なくして

「どの赤ちゃんよりも泣いた」

との返事が。おろろーん。Rよ…痛いだろうが
これが君のためのウイルスバスター。辛抱するのだ…。
そしてこの僕も実は耐えているのだ。

いわゆる嫁への「注射」が最近できないんである。

嫁は育児による疲れが溜まっており、夜は「ぶおーぶおー」と
ノートパソコンのファンのような寝息を立てて熟睡している。

夜討ちが駄目なら朝駆けじゃ、と、先日は朝に注射してみたら
「頭痛い」とその日1日調子が悪くなっていたし、そんなわけで
僕も耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んでいるのである。

娘にはワクチン注入の予防接種。
嫁にはち○ち○挿入の夜這いセッ…おほん。我慢である。

嫁への迷惑注射はやめましょう。
姦通ルールを守りましょう。

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■新橋系年末酔っ払いオヤジ出現。
2003年12月11日(木)
会社の忘年会だった。

しかしあまり酒に溺れてはいけない。
僕は帰ってから娘・Rを風呂に入れなければならないのである。
酔っ払ってRを浴槽に落としてしまったら大変だ。

隣で上司がいい感じになっていた。ネクタイを頭に巻き、
女の子に向かって「巨乳!」「ボインボイーン!」「ゲッツ!」などと叫ぶ。

うおおおお!マンガに出てくる酔っ払いだ!
こんな絵に描いたようなベロベロオヤジ、初めて見た!

非の打ち所がないパーフェクトセクハラオヤジっぷりに感嘆し
僕も見習って、というかドサクサに紛れてセクハラ2号と化したかったが、
Rの顔が脳裏にポヨーンと浮かんだ。

セクハラで訴えられてクビになったらRのオムツ買えない!
もうアタシ一人の体じゃないの…と、アタリメを噛み噛み自制。

悔しいので頭ネクタイ上司が女の子に絡んでる姿を
おもむろにデジカメで撮っておいた。
明日メールで部内に流すことにする。

さて、一応酒は抑えたものの相手から注がれたら
飲まないわけにはいかないので
結局帰る頃にはベロベロまではいかないものの
へべれけレベルに達してしまい
Rをおっかなびっくり風呂に入れたのだった。

「お父さんセクハラはしなかったよー。
 でも今はフロハラなんだよー」
 
などと言いつつ。
フロハラとはフロでハラハラの略である。

「Rちゃんを落としちゃったら
 お母さんの前でこれまたフロハラだからねー」

このフロハラはフロでハラキリの略である。

…ごめんなさい。まだ酒が抜けてません。
ボインボイーン。

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■恋のテレホンナンバー。
2003年12月10日(水)
僕は悩んでいた。
友達でありお気に入りの美少女Rちゃんが
電話番号を教えてくれない。

Rちゃんの携帯電話が変わってしまってから
教えてもらったのはメールアドレスのみ。
それも半年も経ってからのことである。

教えてくれと言ってはみたのだが

「いくらか払えば下4ケタを好きな番号に変えることが出来るの。
 だからそれまで待って〜」

とのことで…。彼女の好きな番号って何だろう。

「彼氏の誕生日にしたのー」

とか言って来やがったら携帯を奪って再び変更手続きをし、
番号を「0721」にしちゃいたいところではあるが…。

でも、本当にそんなサービスあるのか?
実は遠回しに避けられているのだろうか。

そんなことを嫁に愚痴っていたら(やな旦那だな)

「そんなことないでしょ。
 携帯のメモリが消えちゃったのに
 手帳とか色々探してくれてようやくあなたの
 アドレスを見つけて連絡くれたんでしょ」

「まあそうなんだけどさあ」

ニクイねこの、と僕の腕をがすっと叩く。

「それに、日曜日ちゃんと会ってくれたでしょー。
 避けられるどころかちゃんと想われてるよ」

ニクイねこの、と僕の腕をがすがすっと叩く。
さっきから痛いっての!

嫁は額に青筋が出ていたものの、
にこやかな表情で慰めてくれた。
なんで我が嫁はこんなに優しいんだろう。

美少女も大事だけど、やはり僕はこの人に
尽くさなければならない。そう思った。

Rちゃんが言うその番号変更サービス、
僕の携帯にもできるのだったら
「1359」にしたい

人身御供。

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■カメラ小僧と嫁。
2003年12月09日(火)
会社帰りに、デジカメの画像を印刷した。

昨日、お気に入りの美少女Rちゃんと会った時に(昨日の日記参照)
コスプレイヤーに群がるカメラ小僧も真っ青の勢いで撮りまくった
Rちゃん画像を何枚かを印刷したのである。

まず、娘・Rを抱っこするRちゃんの写真。
2人のRはヨダレが出そうなほどかわいい。

次に娘・Rを挟んで並ぶ僕とRちゃんの写真。
(非情にも嫁に撮影を命じた)

再びRちゃんと一緒の写真が撮れるなんて
もう死んでもいいかもしんない、と
悩める初恋乙女のようにこの2枚を
ハア〜と溜息交じりでウットリと眺めていたが、

やはり嫁の写真もないとまずかろう、というわけで
娘を抱っこする嫁の画像も1枚プリントアウト。

これを家に帰って「ハイお土産」とでも言って
嫁に渡せばよい。Rちゃん絡みの写真は
僕の宝として肌身離さず持ち歩くのである。
ふっふっふ。

さて、家に着いてから計画通り

「ハイお土産。昨日の画像、ちょっとだけ印刷してみたよ」

嫁とRが写った写真を渡す。

「あらこのR、ちょっと凛々しいわねえ〜」

「そうかなー。はっはっは」

と、絵に描いたようなホームドラマっぽく
進んでいくか見えた矢先

「…で、あとの写真は?」

嫁が手を差し出すした。ぎく。

「…何のことでございましょう」

「アナタがRちゃんの写真を印刷しないわけないでしょう!
 さあ全部よこすのよ!」

嫁は全てお見通しだった。

「すいませぇん。まだありましたぁ。ううう…」

僕は万引きで捕まった少年のように
懐からゴソゴソとRちゃん写真を
嫁に献上するのであった…。

嫁は何でもお見通し。

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■愛妻VS愛娘VS愛しの美少女VSわたくし。
2003年12月08日(月)
僕のお気に入り美少女Rちゃん。

Rちゃんの名前をそのままもらった我が娘・R(明日で4ヶ月)に
会わせる時がついに来たあああああ。
半年間音沙汰がなく、ようやく連絡がついて
やっと実現することが出来た。

嫁と娘・Rを連れてRちゃんの勤めているゲーセンに行き、
仕事が終わったRちゃんと合流しファミレスへ。
嫁が娘・Rの頭をチョイと下げてRちゃんに挨拶。

「はじめまして。私はRです。
 このお姉ちゃんもRちゃんなんですよ」

「…かじりーん!やっぱ変だよー!」

Rちゃんは苦笑いしてこちらを向く。
僕も照れくさかったが「うわはは」と開き直るしかない。
今更名前を変えようとしたって無理だ。うわはは。

「○○君は元気か?」

半年ぶりであるのでRちゃん彼氏のことを聞いてみた。

「…いきなりソコを突くのね…別れたよ」

ガドーン。初っ端から重すぎる話を振ってしまった。
アンタねえ!という嫁の叫び声がこだまする。

「じゃ、じゃあ今は…」

「新しい彼氏がいるよ」

ガドーン。少しだけ希望を持ってしまった僕が馬鹿だった。
嫁と娘の前で何を期待してるんだ僕のダメダメさーん。

「どこで知り合った彼氏なのさ」

「かじりんも見たことあると思うよ。
 ××(うちの近所のゲーセン)の常連客」

Rちゃんは今のゲーセンで働く前、××というゲーセンで
長い間店員をやっていたのだ。元彼となってしまった○○君も
そこの常連であった。

あのー…。Rちゃん。

元彼よりも今彼よりもずっと前から、君が店員になりたてのころから
君の周りをウロチョロしてた超最古参常連がここにいるんですけどお!

酒を飲みまくってベロベロになっちゃおうかなーと落ち込んだが
君が幸せになってくれればそれでいいのさ…と涙を飲んで立ち直り

「Rちゃん、娘を抱いてやってくれまいか」

と僕がずっと切望していたことをお願いした。
Rちゃんはにっこり笑ってダッコしてくれた。それをカメラでぱちり。
もう思い残すことはない…。

ほどよい時間で別れた直後、Rちゃんから携帯メールが届いた。

「今日はありがとう。今度は出産祝いと
 彼氏持参でお家にお邪魔するね」

泣かせるぐらい可愛いことが書いてある。

「ぜひ彼氏と一緒においで。スキヤキでもごちそうしよう」

そう返事した。

彼氏を切り刻んでスキヤキ鍋にぶっこむつもりであるのは
言うまでもない。

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■半年ぶり美少女。
2003年12月07日(日)
なんと美少女Rちゃんに会いに行ってよい、と嫁から許可が出た。

僕が大好きな女の子で、半年ぐらい音信が途絶えていたが
某所のゲーセンで働いてるよーん、とのメールをもらってから
気になってしょうがなかったのだ。神様仏様お嫁様。

但し嫁とRちゃんの名前をそのままいただいた娘・Rも
当然一緒に行くのであるが、今日Rちゃんがそのゲーセンで
勤務してるかどうかは分からなかったので

「アナタ、先に行って見てきてよ。いたら連絡頂戴」

ということになり僕が偵察部隊として先発することになった。
なんかおおげさになってしまった。

「じゃあ行ってくるよ」

「行っといで」

「…怒ってない?」

「…大丈夫」

ちょっと嫁におびえつつ数駅先のゲーセンへ。電車の中では
「いよいよ会える…」と緊張と恥じらいのあまり脂汗が流れ出てきて、
いよいよゲーセンの前に立った時は心臓がドンドンパンパンと
170bpmぐらいの早さでブレイクビーツを打ちまくり、

「Rちゃんどこじゃー」

まるで銀行強盗かナマハゲのような勢いでキョロキョロ店内を徘徊。

これはいかん、Rちゃんに引かれる。
それどころか不審者として通報される。

「まあちょっと落ち着けよ32歳子持ち」と自分に言い聞かせて
ポップンミュージックという僕の得意なゲームにお金を入れ
しばし堪能…。

よし、これでどこから見てもただのオタクゲーマーだ…、と
一般客に溶け込んだところで強盗を再開…じゃなかったRちゃんを
探す。探す。探す。(店内はとても広い)

あっ。いたー!

Rちゃんに歩み寄る僕。Rちゃんも僕に気付き、にいと笑う。
半年ぶりの再会!

頭の中で「それは秘密です」のBGMがかかり(若い人は知らないだろうなあ…)

「ひ、ひさしぶり…」

と声をかけた途端、別の店員がこちらをギョロリと睨む。
何だよ随分愛想の悪い桂小金治じゃねえかよと(だから若い人は知らないって)
ガンを飛ばし返したらRちゃんが僕のそばにやってきて

「ゴメンね…ここ、厳しくて私語できないの…」

と僕に耳打ちした。なんですとー。これでは嫁とRを連れてきても
意味がない。しかしRちゃんに迷惑をかけてはならん。

「じゃあ仕事が終わったらちょっとお茶でも」

まるでキャバクラ嬢をアフターに誘うような様相になってきたが

「今日は遅いよー。バイトなのに残業があるの。明日なら大丈夫かな」

とのことなので、じゃあ明日ということでソソクサと
ゲーセンを後にした。

Rちゃんにやっと会えた!変わってなかった!かわいかった!
Rちゃーん、Rちゃーん、ぐふふふふーと頭の中で名を連呼して
浮かれまくってたら

「みゆき食堂」

という看板が目の前に飛び込んできて冷水をぶっ掛けられたように
血の気が引いた。みゆきとは嫁の名前である。

他の女の子にデレデレになっているのを監視されているような気分。
ま、まあこれも何かの縁…と、ちょうど腹も減っていたので
ここでメシを食うことにした。

出てきた定食は嫌に塩っ辛かった。
嫁のやっかみがここまで届いてるのだろうか。

うらーみーますー♪

中島みゆき食堂。

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■娘にあやまちを…。
2003年12月06日(土)
生後4ヵ月の娘・Rをお風呂に入れるのは僕だ。
溺れないように頭とお尻を手で支えてるのだが
昨晩、その僕の手をすり抜けて頭からボッチャーン。

「あああ遂にやってしまったー!」

娘なのにボッチャンとはこれ如何に。
タコなのにこれイカがと勧めるが如し。
などとベタなネタを作ってる場合ではなく
慌ててRをお湯から引き上げた。

R、初めての溺れ体験でおお泣き。いくらあやしても止まらず
僕は僕でオロオロしっ放しなところへ

育児に関しては冷静沈着で
乳首に関しては色素沈着な嫁が飛び込んできて

「一旦出すのよ!」

Rを抱えて風呂から出して行った。号泣はそれで収まった。

「ごめんよ…」

僕はRに謝りながら抱いてあやしたが、余程怖かったのか
その後の寝つきがひどく悪くてずっと泣いていた。

そして今日。前日の恐怖を忘れてくれていることを願いつつ
そーっとお風呂に入れたのだが、ものの数分で

「うぎゃー!ひえええー!わーん!」

この世の終わりが来たかのような叫び声をあげられてしまい
また中断せざるを得なかった。

Rはあんなにお風呂が好きだったのに…
いつも気持ちよさそうに「ゆよーん」と漂っていたのに…
これでお風呂嫌いになって不潔娘になったらどうしよう…
僕のことも嫌いになって不良娘になったらもう僕ちゃん生きていけない。

自分の部屋で悶々としていたら嫁がやって来て

「…溺れたせいじゃないよ。今日はあまり眠ってないから
 もともとグズってたのよ」

と慰めてくれた。

「ほら、今日はこれだけしか寝てないの」

嫁はRの育児日誌を持ち出し、開いた。
僕がこれを見るのは初めてである。
そこにはRの睡眠時間だけでなく母乳をやった時間、
おむつを取り替えた時間、うんちした時間、その他コメントなどが
産まれた初日からびっしりと完璧に書かれていた。

驚いた。脱帽する他ない。母の愛の深きことよ。

「お前…凄いねえ…」

育児日誌を少し読ませてもらう。

「溺れたのは関係ないから、ね」

嫁は改めて言う。だが僕は今日の日誌の中に

「昨日お風呂に顔を突っ込んだせいか今日もおお泣き。
 トラウマにならなければいいけど」

 
と、しっかり書かれているのを見つけてしまった。
お前だってそう思ってるんじゃないかよー!

僕はとんでもないことをしてしまったのだろうか。
僕のかけがえのない娘を…。
かわいいお嬢様を…。
やんごとなき姫を…。

溺れるものはわらわが姫じゃ…。

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■美少女と嫁と愛娘との狭間に。
2003年12月05日(金)
嫁に夜這いを試みたが拒否されてしまった。

ジュテームとかモナムーとかセシボーンとか
クレマンソーとか訳の分からない甘い言葉を
ささやいたが無駄だった。

「なんでそんなにつれないんだい」

嫁の体にセミのように張り付いておねだりしてみたら

「あなたがRちゃんに浮かれているからよ!」

嫁のジェラシー発動。がひょーん。

僕のお気に入りのお友達、超美少女Rちゃん。
半年ぐらい音沙汰がなかったが、
最近またやりとりが復活して連絡を取っているのが
気になっている様子である。
確かにかれこれ数年僕がベタ惚れであり
思い余って娘にもその名前を付けてしまったのだからそれも当然だと思う。

僕も確かにメールが来たりすると嫁のいないところで
ニタニタしたり心の中がときめいてメモリアルになるが
こっそり胸のうちにしまい込み表情や態度には出していない。

「少なくとも今日はRちゃんのことは全然話してないじゃないか」

嫁に猛烈に抗議したら

「日記に書いているでしょう!思いっきり!」

再び嫁のジェラシー発動。がひょーん。
ここの日記を覗いていたのね…。
なんでそう市原悦子みたいな真似をするか。

経産婦は見た!

ジェラシーがイヤラシー行動を誘発するのだろうか。

嫁はモゾモゾと寝返りを打ちつつブツブツ言い出し

「なんでRちゃんと一緒にならなかったの?」

しまいにはそんなことも言って来たので

「お前を一番愛してるからに決まってるじゃないか」

などと歯の浮いたような台詞を言えない僕は

固くなって僕を受け入れてくれない
嫁のお尻をひと撫でだけして
狸寝入りを決め込むことにした。

ものの5分ぐらいで本気で寝てしまったけど。

キツめの嫁尻。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■母娘に強制ダッコちゃん。
2003年12月04日(木)
娘・Rはけっこう遅くまで起きている。
赤ちゃんはもっと早く寝るもんだと思っていたが
深夜まで寝ない。だから夜の営みが大変になった。
Rが起きている間はできないし、寝た後は嫁もすぐ寝てしまう。

ダメ元でいきなり嫁を押し倒してみた。

「ちょっと!Rちゃん起きてるでしょ!こっち見てるでしょ!」

やはり嫁は抵抗する。僕らの横でRがこちらをじーっと見ている。
僕は嫁を羽交い絞めにしつつ

「Rちゃん、よい子は早く寝ようね」

と話しかけてから

「これでよし。さあ契ろう」

と、コトに及ぼうとしたが

「よくないわよ!」

断られてしまった。それならば、と

「Rちゃん、じゃあ見ててもいいよ」

相変わらずこちらを眺めているRに話しかけてから

「これでよし。さあ契ろう」

と再びコトに及ぼうとしたが

「そういう問題じゃないでしょ!」

嫁は僕の手を逃れ台所に行ってしまった。失敗だ。

しょうがないのでRの横でマンガを読もうとしたら

「あうーあうー」

Rが手をフリフリしながら僕のをじーっと見ているではないか。
ああっそんなキラキラしたお目々で…。
まるでダッコしてー、と訴えているような…。

嫁には拒絶されたがRは抱いて欲しいのだ!と

「Rちゃんごめんよー。」

だあーとRに駆け寄り抱き上げた。

「ぎゃわーん」

しかし、抱いた途端号泣。どっちやねん。
親子連続でフラレてしまった。グレるぞ。

フラレ気分でロックンロールな夜。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■会えない悲劇と嫁の檄。
2003年12月03日(水)
僕の愛しのお友達、美少女Rちゃん。
半年ぐらい全く音沙汰がなかったが
メールだけではあるがようやく連絡が取れて
わりとやりとりが続いている。

Rちゃんの写真メールが届いてキャー、
今どこで働いてるかを教えてもらってキャーと
メールのたびに狂喜乱舞の毎日である。

Rちゃんは現在某ゲーセンで働いているとのことなので
ゲーマーの僕としては願ったり叶ったり。
すぐにでもゲーセンに飛んで行き、半年ぶりの再会を果たしたい。
しかし経験上こういった女の子絡みのことを嫁にダマテンで動くと
凶器乱舞の地獄絵図となるのは必至である。

ここは嫁の機嫌が良さげなタイミングを見計らって声をかけるのがよい。

「あの…最近またRちゃんがメールくれてね」

「あら!よかったじゃない」

嫁は笑顔で答えてくれた。お…うまくいきそうだ。

「写メールも送ってくれたんだよ!」

「あらそう」

「今、○○のゲーセンに勤めてるんだって!」

「あっそー」

しまった。嫁の顔が見る見る曇っていく。
調子に乗りすぎてデレデレ喋りまくったようである。
夫の本能で生命の危機を感じ取った僕は嫁を避け

「お前もRちゃんに会いたいですよね〜」

最愛のRちゃんの名前をそのまま付けた
溺愛の娘・R(そろそろ4ヶ月)に語りかけることにした。
しかしRは仏頂面で

「ぷしー」

と荒い鼻息を発したのみであった。鼻で笑われたのだろうか。
娘・Rには絶対元祖Rちゃんに会わせたいのに。
Rちゃんに抱っこしてもらいたいのに。

盛り上がってるのは僕だけですか。

「いつ会いに行くの」

嫁が強い口調で言った。

「今度の日曜がよろしいかと存じますが…」

僕は恐る恐る答えるしかない。

「もうちょっと後にしてよね!
 Rの予防接種があるし、そのゲーセン遠いし、
 ゲーセンはうるさいし空気悪いし!」

「はい、わかりました…」

嫁のおっしゃる通りに従うしか道は残されていなかった。
Rちゃんとの再会の道はまだまだ難しいようである。

しかし、僕はめげない。
困難が多ければ多いほど燃え上がるのだー。
ロミオとジュリエットの例えもあるぞ。嫁の目には
ロリオットダメオットにしか映ってないかもしれないけど。

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■夫婦間の暴発。
2003年12月02日(火)
毎度尾篭な話をひとつ。

我が家では人前でおならをするのは禁止である。
嫁であろうが許さん。

唯一この掟の適用を逃れられるのは娘・R(約4ヶ月)だけであり
それを知ってか知らずか大人顔負けの爆音を響かせている。
…はずだったのだが、テレビを見ていてつい気が緩んだのか、
とうとう自らやってしまった。

「あはははー!」

嫁、大喜び大騒ぎ。

「お父さん凄い音でちゅよー」

などとRにもはやしたてる。

「僕が悪かった。やめてくれー」

と懇願しても

「ダメよ!昨日私に『肉便器』とか言ってた報いよ!
 私の日記に書いてやる!」

嫁のサイトに書かれることを宣言されてしまった。
そんなくだらない情報を世界に発信しなくても…。

「もういい。もう寝る」

僕は逃げるように布団に飛び込み早々にフテ寝してしまった。
結婚3年目の気の緩みなのか…と自らを責める三年目の弱気。
なかなか恥ずかしさと口惜しさで眠れない。

嫁は隣の部屋でアイロンがけを始めたようだが
僕は寝床で悶々としていた。すると

「ぽふーん」

隣の部屋からポップなサウンドが…。
ふふふ。我、鬼の首獲ったり。

部屋を隔てるフスマをすすすーっと開け

「君、今したね…」

「やだ、なんで聞いてるのよー!」

嫁は観念したのか右手を差し出した。
僕も手を差し伸べ、お互いの屁を握り…じゃなくて手を握った。

「これでおあいこ。お互い日記には書かないということで」

夫婦協定が結ばれ、我が家にも平和が訪れたのであった。
めでたしめでたし。

…って。書いちゃったけど。だめじゃん。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。


■母乳類ヒト科。
2003年12月01日(月)
嫁が娘・Rに授乳している。
母子の絆を感じさせる、いつまでも
そっと見守ってやりたい光景である。

しかしそのおごそかな親子の愛のやりとりも
Rのオムツの中から

「ぶりょりょりょ」

脱糞を知らせるサウンドと嫁の

「あああああああ」

という情けない嘆き声でぶち壊しになった。

「もう!この子は最近いつも授乳中にするんだから!」

「…変なクセがついちゃったんじゃないか?」

「娘には膝の上でうんちを出され、
 夫には押し倒されて中で出され、
 母って一体…妻って一体…そして私って一体…」

嫁、Rのおむつを取り替えながらの恨み節。
何やら僕にも矛先が向いてきたようなので
夫として慰めなければならなかったのだが

「まさに肉便器だねケケケ」

と大笑いしてしまったため逆上され
またひとつ嫁の心が離れてしまった。
つい、いつもの駄洒落癖が…。

でも確かに嫁の言うとおりである。
僕ら3人は嫁を中心にして繋がっている。
母は偉大であることを改めて思い起こされ
肉便器発言を悔いた。

嫁は僕から子種を受け取ってRを産み、
産んだ後は母乳を出してRに飲ませる。

Rのうんちも元は嫁の母乳であり、
これも母から子への繋がりである。

そう考えると膝の上でうんちをするのは
当然のことなのかもしれない。

だって生物学的にはこれを食物便座…
とは言わないか。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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