Sports Enthusiast_1

2004年01月30日(金) イルハンが来る?

神戸がイルハン獲得に乗り出したらしい。いいニュースである。日韓W杯のときに日本女性ファンの人気を集めたあの、イルハンである。Jリーグで話題の選手といえば、いまのところ、これといったタマがいないことも事実。イルハンで盛り上がれば、それにこしたことはない。



2004年01月29日(木) 中田と山瀬

報道によると、セリエAの中田が移籍により、完全復活したらしい。中田の力はまだ衰えていなかったのだ。朗報である。これで、日本代表のアジア予選に希望が持てる。よっぽど代表監督がへまをしなければ、中田の力でアジアは突破できる。
しかし、06年ドイツ大会で日本が02年以上の成績を残せるかはおおいに疑問。本番は強豪がひしめく。アジアとは違う。
中田復活でわかるように、団体競技のスポーツ選手は環境次第で働いたり働かなかったりすることがある。理由はいろいろあるだろう。監督、チームメイト、ポジション、クラブの雰囲気・・・それらを総称して、「環境」と呼ぶ。「人間とは環境の動物である」なんて、したり顔で言う人もいる。
さて、Jリーグでは、先述したように三都主の浦和移籍が話題になった。彼にも、清水時代の働き以上を期待したい。その浦和だが、新監督はブッフバルトで監督経験がない。一方、コーチとして、エンゲルスがきた。組織としては頭でっかち、エンゲルスが新米監督のサポート役に徹すればいいのだろうが、采配や選手起用で対立すれば、分裂もあり得る。それはともかくとして、浦和の戦力は、いまのところ、J1で最強だろう。前年、横浜が適切な補強で完全優勝したように、補強だけをみれば、浦和は前後期、どちらかの優勝に一番近い存在だと思う。
フォーメーションとしては、ブッフバルトは3−5−2を継続すると、会見で述べているので、エメルソン、田中の2トップは決まり。左サイドハーフに三都主、同右に山田となり、破壊力は抜群。
この流れで行くと、浦和のトップ下、もしくはゲームメイクは、山瀬が最有力候補である。山瀬はいい選手であるが、前年、優勝できなかった要因の1つとして、個々の選手は力があるのだが、それを束ねてチーム力とする選手の不在だった。前年の勝利は、エメルソンの個人技頼りだった。だからエメルソンが出られなくなると勝てない。新加入の三都主も個人技で突破を図るタイプ。FWもサイドハーフも個人で突破するだけであれば、勝利の確率は高いとはいえない。個人技の高いエメルソン、三都主、田中、山田を、浦和のトップ下もしくはゲームメイカー、すなわち山瀬が使いこなせるのかどうか。つまり、周りの選手がエメルソン、三都主にボールを預けて、「よろしくお願いします」となると、チームのパワーは出てこない。彼らが走りながらパスを受けるような状況を多くつくり出せれば、浦和はいいチームとなる。だから、今シーズン、浦和優勝のためのキーマンは、実は山瀬ということになる。山瀬の力が信じられなければ、このポジションを補強をする必要がある。適役はもちろん、イタリアにいる中田だが、このチームのファンタジスタといえば、小野である。小野が浦和に復帰しなければ、優勝は難しいのか。いまの浦和というチームに合った小野の代役といえば、日本人選手なら藤田だろう。
結論をいえば、浦和の最優先補強は、三都主ではなかった。クラブは高額の移籍金を補強につかったにもかかわらず、肝心な部分に届いていなかった。



2004年01月27日(火) ブラジル、衰退?

ブラジルが五輪出場(サッカー)できない。予選で敗退してしまったのだ。世界最強といわれるブラジルだが、五輪に限っては金メダルがない。このことは、ブラジルの弱体化の予兆を意味するのか、それとも、ブラジルの五輪への取組不足を意味するのか。どちらか結論を確言するのは難しい。けれど、ナショナルチーム同士の戦いにおいては、絶対的優位というものがないことだけは確かだ。アトランタ五輪では、日本がブラジルを破った。日本の勝利は、いまでも、「マイアミの奇跡」として語り継がれている。
かつて、ブラジルがサッカー最強国であることは疑いようがなかった。少なくとも、南米では絶対的な強さを誇っていた。ところが、日韓大会予選あたりから、南米でも、ブラジルが勝てないケースが珍しくなくなった。昨年始まったドイツ大会予選でも、ブラジルが勝ちきれないゲームが頻発している。だから、南米各国の力が拮抗してきたということは疑いない。ライバル・アルゼンチンはもとより、パラグアイ、ウルグアイがしぶとく、ブラジルに食い下がっている。かつての強豪、コロンビアも、復活を期して最近力をつけてきた。
いずれにしても、04年、南米サッカー界の動向から、目が離せない。



2004年01月19日(月) 三都主の浦和移籍

清水の三都主が浦和に移籍する。トレードマネーは3億5千万円。この移籍金はJリーグ発足以来、一、二を争うほどの高額らしい。清水はアンも横浜に出しているので、大幅な戦力ダウンとなったけれど、三都主の移籍は、このところリストラ先行で暗いJリーグに明るい話題を提供した。プロスポーツは、とにかく景気がよくなければ始まらない。一流は一流にふさわしい報酬を得ることは当然のことだ。
さて、三都主は日本で人気ナンバーワンの浦和に申し分のない金額で入団したのだから、大いに喜んでいるに違いない…いや、もしかしたら、心底納得していないのではないか…というのは、三都主は一度、プレミアのあるクラブに入団寸前までいって、英国の外国人枠のレギュレーションにより入団を断念した過去がある。それだけに、三都主自身に欧州志向がなくなったとは思えないのだ。浦和の3億5千万で満足しているのだろうか―それとも、欧州で腕を磨き、ビッグクラブでそれ以上の金額をゲットするチャンスを待ちたいのではないか―と。
私は以前、日韓W杯後において、日本人選手として欧州に進出できる可能性の最も高い選手として、三都主、大久保の二人を挙げた。しかし、その後、三都主は専門の左サイドハーフから左SBにコンバートされ、代表戦では不本意なゲームが続いた。大久保も、本人の自覚不足、クラブの教育指導力不足でつまずいた。三都主のほうは昨年末、俊輔のリタイアで左サイドハーフに復帰するや、その実力をいかんなく発揮した。そのとき、いまの日本代表は三都主中心で、という私の着眼点が間違っていなかったことを再確認できた。三都主のコンバートは、ジーコ構想に対する、私の最大の疑問の1つでもあった。
話が横道にそれたが、私は同時期、日韓大会後、欧州進出できる選手の多寡が日本代表の実力のバロメーターになる、と書いた。大会後、中田・小野に続いて、稲本・鈴木・戸田・川口・高原・俊輔・柳沢・藤田…が渡欧した。日本人選手も世界の一流の仲間入りかと思えたのもつかの間、いま現在レギュラーなのは中田・小野の二人だけ。ほかの選手は出場機会に恵まれない。出場できない理由は簡単、実力不足だ。
W杯後の日本人選手の進出は、欧州クラブのジャパンマネー(日本企業のスポンサー)狙いや広告塔としてであった。だから、その目的が終わったところで、使い捨て。選手契約は増えたけれど、日本と欧州との力量の差が縮まったわけではなかった。
ことほどさように、世界のサッカーはカネまみれ、選手は使い捨てだ。だから、純粋にサッカーをやるのなら、Jリーグのほうがマシ、という見方もある。けれど、カネまみれを承知で欧州にいって荒稼ぎというのも悪くない。私はもちろん、後者のほうを志向する選手を支持する。スポーツは純粋ではないし、カネが目的で何が悪い。



2004年01月16日(金) 7月に何かが起きる

サッカーアジア杯(7月/中国開催)の組合せが決まった。日本代表の予選グループにはイラン、オマーン、タイが入っている。この大会の結果次第でジーコ代表監督の処遇が決まる、いや決まらなければいけない。
これまでの公式戦2大会、つまりフランスでのコンフェデ杯とホームの東アジア選手権において、ジーコジャパンは結果が出なかった。かりに、アジア杯で優勝を逃したとなれば、結果が出ない代表監督を続投させる理由がない。公式戦の結果に弁明が許されたとしたら、監督交代の指標が失われてしまう。国民は、なにをよりどころに、代表監督を評価したらいいというのだ。選手は結果をださなければレギュラーから脱落する一方、監督が結果を残せなくても継続というのであれば、これこそ究極のモラルハザードであって、公正さを欠く。「やるのは=悪いのは」選手と、選手ばかりが責められてはたまらない。
そもそも、監督不適格者のジーコ氏を切らず、ここまで問題を先送りにしてきたサッカー協会(Kキャプテン体制)というのは、いかなる体質なのか。
さて、アジア杯の予選リーグの対戦相手の最強の敵はイラン。日本が苦手とするタイプだ。そして、ここのところ力をつけてきたのがタイ。スピードが最大の特徴だが、パワー不足でテクニシャンが多いので、日本としては戦いやすい。
あたりまでだが、このタイとオマーンに勝ちきれないと、予選落ちもあり得る。といっても、サッカーなんだから、いついかなる大会においても、予選落ちの可能性はあるのだが…。
7月の日本代表の選手構成がどうなっているのかは予測がつかない。昨年、固定メンバーにこだわった代表チームだったが、すでに、いま時点で俊輔が脱落している。俊輔の復帰もあり得るが、固定にこだわってはいけない。
個々の選手のケガ、調子などを克服しつつ、つくりあげていくのが、代表チームづくりの初歩の初歩。その手腕が代表監督に求められている。
さて、点の取れないFW陣、大久保、柳沢、高原、鈴木に高校生を含めて人選が進むのか。高校生に代表を取られたら、プロの恥である。若手では浦和の田中、横浜の坂田。Jリーガーの奮起を望む。



2004年01月10日(土) 朗報

明けましておめでとうございます。
年末から海外に行っていておととい帰国したため、年末年始のスポーツイベントを見ていない。いまはちょうど「祭りの後」といった感じ。ハイスクールサッカー、カレッジラグビーの決勝戦くらいが話題に上っているようだが、どちらもあまり関心がない。
さて、新聞報道によると、市原のオシム監督が残留を決めたらしい。朗報だ。オシム監督は市原にとどまらず、できるだけ長くJリーグで活動してほしい監督の一人だ。その理由は繰り返しになるので書かないが、日本サッカーの実力を冷静に、しかも、的確に分析するオシム監督の眼力は、サッカー発展途上国の日本にとってまだまだ重要な人材だ。
日本サッカーは「大人」ではない。現在の世界ランキング、日韓W杯ベスト16はできすぎ、日本人選手の欧州「進出」は実力とは無関係、いまの日本人選手に必要なのは猛練習、チームに必要なのは戦術・戦略の徹底―こうした当たり前の指導方法が「特別視」されることが、日本サッカーが「子供」であることの証明なのだ。
公式戦サッカーでは、なにが起こるかわからない。格下代表チームが世界ランキング10位以内の代表チームを負かすこともある。その確率は高くないけれど、ゼロではない。事故を避けるたために必要なのが危機管理だ。数ある危機管理のうちの1つは、選手の戦うモチベーションの維持だろう。特別な選手を特別に扱うことは間違っている。すべてが平等・横一線で競争することが必要だ。さらに、選手のその日の調子を見抜くことも、指導者の重要な役割だ。調子の悪い選手は使わない。だから、先発予告など考えられない。
サッカーでは連携が必要だという。当たり前だが、連携をどれだけ短期間でつくれるかが一流と二流の差といえる。現代のグローバルで流動的なサッカーでは、代表選手を固定するチームづくりは期待できない。やりくりが必要なのだ。だから、いろいろな選手の組合せを試すことが代表戦で求められる。
このような課題は代表チームだけのものではなく、Jリーグの各クラブに課せられている。日本のプロサッカークラブは選手層が薄い。一方、欧州の一流リーグでは、各国の代表選手がベンチにごろごろしている。それを無駄と見るか勝つための条件と見るかは、もちろん後者に決まっている。繰り返すが、選手に必要なのは競争。
クラブの選手層だけ見ても、日本サッカー界は「子供」だ。到底、欧州・南米に及ばない。Jリーグ各チームの選手層はきわめて薄い。代表選手が居並ぶクラブなど皆無に等しい。ゆるい競争では、選手の実力向上は難しい。
新聞報道等によると、ここまで書いてきた課題に真剣に取り組んでいるクラブは、たぶん、鹿島・磐田・横浜の3つだけだろう。市原も選手育成には熱心だが、金銭的に余裕がないらしく、中心選手をどんどん放出してしまい、選手層が薄い。厳しい経済事情を若手育成で補っているところが、逆に市原のよさだ。無論、市原のよさとは、オシム監督の指導理念の正しさにほかならない。
市原に鹿島と同じくらいの規模の選手補強費があれば、オシム・市原は、とっくに優勝しているに違いない。


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