妄言読書日記
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※ネタバレしています
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2011年10月17日(月) 『天と地の守り人 第三部新ヨゴ皇国編』(小)

【上橋菜穂子 新潮文庫】

バルサとチャグムはそれぞれの道で、新ヨゴへ。
ついに開戦してしまい、前線のタンダが否応なく巻き込まれていくのが辛い。

一方、タルシュ側の視点もあったりで、相手側のことも一概に憎めないところが上手いなぁと。
国王とアイオルの関係、ラウル王子とヒュウゴの関係により、物語のあともタルシュがどうなっていくかが色々想像できる。

天と地が、ナユグと地上だけではなく、父とチャグムの生き方の違いでもあることがわかる瞬間感動を覚える。

腕を落とすシーンが最高の愛情表現と言っている上橋先生を見て、やはり児童文学の枠に収めてはならん人だとしみじみ思った。

それぞれに重いものを抱えることになりながら、明るい方向が示唆されるよい終わりでした。
正直、もう少し何人か死ぬんじゃないかと思った。
しかし先生は困難な方の道を選んで見事完結に導いたなぁと。


2011年10月16日(日) 『天と地の守り人 第二部カンバル王国編』(小)

【上橋菜穂子 新潮文庫】

再会を果たしたバルサとチャグムはロタへカンバルへ。
二人がバルサの故郷に戻るのはなんとも感慨深い。
二人ともが満身創痍のなか、諦めず進むさまにずっとはらはら。
膝を折るチャグムに、「見事なホイだった」とバルサが言うシーンがよかった。

開戦間近、次はいよいよ帰還編。


2011年10月14日(金) 『天と地の守り人 第一部ロタ王国編』(小)

【上橋菜穂子 新潮文庫】

蒼路で行方不明となったチャグムを探すバルサの話し。
各国の密偵が暗躍する中、ひたすらチャグムの足跡を追うバルサが相変わらず男前過ぎる。
すれ違い行き違いつつ、ようやくの再会を果たす二人に感動。

一方で、兵隊に取られたタンダや、残されたシュガの決断も気になる。
気になるので感想はさくっと終了。


2011年10月13日(木) 『蒼路の旅人』(小)

【上橋菜穂子 新潮文庫】

旅人なのでチャグムの話し。
チャグム大きくなったなぁ。15歳かぁとバルサ並に感慨深く思ったり(バルサは出ていない)

大国タルシュ帝国が攻めてこようという時に、父王によって追い出されるチャグム。
今回はシュガもついては来ず、捕虜になったり拉致られたり船に乗せられたり敵国の王子のところに連れて行かれたりの、はらはらの連続。
おお、どうなっちゃうの、チャグム!!
早まらないでチャグム!と最後まで気が抜けない展開。

チャグムが祖国のために下した一つの決断がどうなっていくのか、『天と地の守り人』へと続くというわけで、そちらをさくさく読んでいきます。


2011年10月08日(土) 『恋文の技術』『郵便少年』(小)

【森見登美彦 ポプラ文庫】

大学院生・守田がひたすら送り続ける書簡小説。
他の書簡小説と違うのは、返信が書かれていなくて、ただただずっと守田の書く手紙だけが続く。
もくじ見るとわかるとおり、送り相手は友人だったり妹だったり先輩だったり。
いつもの森見節。
でも初期の頃より、テンション落ちてきてる気がするのは、結婚したから?
しかし片思いが迷走してるのはいつも通り。

守田サイドの手紙で終始しているのにそれでも状況がわかるし、最後はやっぱりちょっと感動的なような気がする。
モリミーの小説の技術はどんどん向上しているなぁ。

++++++++
【森見登美彦 角川ほっと文庫】

入浴剤とセットになった謎なシリーズ、森見編。
入浴剤はまだ使っていないのでなんですが、内容は『恋文の技術』に続いて、再び手紙に関する短編。
郵便に興味を持つ少年が主人公で、さらっと爽やかに切ない話し。
ヒサコさんって、恋文〜のヒサコさんかと思ったら違った。



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