妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2007年11月27日(火) 『人は愛を食べて育つ』『砂牢の虜囚』(漫)

本日、BL二本立て。

【舞妓マリー 東京漫画社】

ここから最近出る、BLはみんな面白いなぁと思います。
全部を読んではいませんよ。もちろん。あたりが多いな、と。
ま、私の好みなので、若干、偏ってますが。

短編集でしたが、「春眠は今土の香り」「すぐそこにほら君の香り」の吉岡さんが、すっごいかわいくてきゅんきゅんしてました。
あまり、BLキャラにときめかないのですが。普段は。
こういう、ぼわっとしたおっさん好きだよなぁ。しみじみ。
他、「ダイヤモンド」がかわいくていい話しでした。
これからも、40overのおっさんをよろしくお願いします。

+++++++
【桜遼 ショコラコミックス】

普段なら絶対読まないタイプのBLなのですが(腐女子にだって好みはあるんだよ?)、なんか、魔が差した。
アラブの王様が見たかったんだ。アラブの石油王がさ!!
もうね、やっぱり石油王ってだけで爆笑もんだよなぁ。
なぜ!!と。
桜遼は政治経済、制服系職業に強いイメージなのですが、それをうまく話しとして取り入れられてるか、というとまた別なのかなぁという気がしました。

どうせ地味な職業なんだし、徹底的に地味路線なストーリーでもいいんだけど、やっぱりそういうのは一般受けしないのだろうな。


2007年11月26日(月) 『クローズZERO』『ミッドナイトイーグル』(映)

本日映画二本立て。

【監督:三池崇 日本】

原作は読んでいないので純粋に映画の感想を。
小栗旬も、山田孝之も好きだし、とにかく今、プチ三池ブームなので観て来ました。
うーん、楽しかった。
思いがけず、いい話しじゃん、と思った。
男同士のあれそれ撮らせると、必要以上に熱い三池ならではでとてもよいかと思います。
きっと撮影現場も楽しかったのだろうという、雰囲気が前面に出てて、みんな高校生でもないのに、青春してる感じがありましたよ。
三池なのに、毒気がないのな!どうしたの、三池!!

源治(小栗)の派閥と芹沢(山田)の派閥、それぞれみんな自分とこのボスが好きなのねぇというのがありありしててよろしい。
源治のかつての親友・時生が、芹沢の現在の親友で、いったいこれはどういうことなのかと思いました。
え、ヒロインなの?時生がヒロイン?
メイサじゃないのか!!と。
だって時生だけ、白いワイシャツ着ちゃってさ、正統派な高校生っぽいかっこうしててさ。なんかきらきらしちゃってて、でも強いのさ。
二人のけんか止めようとして、倒れちゃうんだ。なにこれ。

源治と芹沢がそれぞれ、なんともかわいかったです。
そらー着いていくよな。強いくせになんかほっとけないオーラ出てるもん。

三池映画にお馴染みになりつつある、松重豊も出てたし、気に入られちゃったのか岸谷氏も出てました。

最後の黒木メイサの歌は微妙に蛇足な印象でしたが。

+++++++++
【監督:成島出 日本】

別に何も言いたくない。
ということで終了したいところだ。
どうせ書いても、罵倒の嵐だし、そんなのみんな読みたくないだろうし。

まぁ、あたりさわりのない感想だけ言っておけば、落合(玉木宏)が高校の先輩である西崎(大沢たかお)のことを、大好きすぎて、ウザ可愛かったです。
お前、ほんっとウザイな。でも可愛いな。
雪山でも、ちっとも緊張感ない。
なんだかうきうきしてる。
この間まで「せんぱ〜い」って言われてたのに(のだめドラマで)、先輩先輩言ってておかしかったです。

登場人物たちが、いちいち西崎のこと好きすぎて何事かと思います。

私は大森南朋を観に行ったわけですが、ちょっとあまりにあまりな出番に悲憤に暮れます。
なんのために、来たの!?
助けに来て、無線で吉田栄作との関係性をのきなみセリフでしゃべっちゃったときは、本当に、この脚本というかセリフセンスのなさに、憎悪が。
ここ以外も、なんでここでそんな会話してるの?ってシーンは満載だったけど。
佐伯(吉田栄作)もなんで、相手が斉藤(大森)だとわかるなり、いきなり「帰れ!」になるのだろうか。
斉藤が好きなの?そうなの?そんなに大事か、斉藤が。ならば仕方が無いな。
・・・とでも言うと思ったか!!

ところで、工作員が『クローズZERO』にも出てた、波岡一喜でなんだかおかしかったです。
あぁ、鈴蘭高校出た後にこんなことに・・・みたいな。

いやしかし、いちいち酷かったな。
米軍も簡単に盗まれてるんじゃないよ。
ステルス機をさ。
で、解決は日本政府任せでしょ。でも、ラストはやっぱり米軍頼りで、日本が貸し作った形になってる。
そのうえ、一体何人、北アルプスに工作員侵入してるんだ。
そして、自衛隊はなぜ防弾チョッキも装備してないんだ。弱すぎるよ。
どの辺が、自衛隊協力してるんだよ。自衛隊基地の風景あたりか?
ヘリとかもか?
もうこの国は駄目なんじゃないか。この国の国防はどうなってるんだ、と暗澹としますよ。

映画よりマシでありますように。


2007年11月22日(木) 『皇国の守護者5』(漫)

【漫画:伊藤悠 原作:佐藤大輔 集英社ウルトラジャンプコミックス】

なんと最終巻。
原作はまだまだ続くと言うのに…。
でもきりはいい、とは言えます。
この後はおそらく、どんどん酷い展開していくのだろうし・・・しんどい展開が待ってるのだろうなぁ。やっぱり。

色々と胸に去来するもののある最終巻でした。
多くは語りますまい。
よかったと。
伊藤先生が描いてくれて。

それにしても、表紙が凄いかっこいいなぁ。
記念に画集でもでないだろうか。


2007年11月21日(水) 『ハゲタカII 下』(小)

【真山仁 講談社文庫】

とにもかくにも、時間がかかったな。
結論から言えば、真山の文章ととにかく相性が悪い。
どうして、こう気の利かない文章を書くんだ、と。
非常にわかりやすいところでいうと、p105のセリフ。

「何とかやってますよ。それより鷲津さんの方が凄いじゃないですか。今や時代の寵児じゃないですか」

一文の中に、同じ語尾で終わる文が続くなんて、ちょっと読み返せばすぐわかることなのに!
細かいかもしれませんが、そういうところでいちいち読んでいるときにひっかかると、一向に読み進まないし、話も頭に入ってこない。
もう少し細かいシーンだと、これは『ハゲタカ』の上巻なのですが、p341の描写。

鷲津は、両膝に手をついて立ち上がると(略)

鷲津は、キャラクター的に、そんな、よっこいしょというような立ち上がり方はしないだろう、と。
どんなに鷲津をかっこよく演出しても、こんな細かい仕種がかっこ悪いなんて、もっと気を使えと言いたくもなる。

そして致命的に鷲津に魅力が薄い。
その他の人たちは魅力的なのに。
自分勝手な奴だなぁというのが、終始感じた印象です。
まぁ、終盤、将軍と会見するあたりからなんとか、持ち直しましたけど。評価が。

それにしても、芝野がなんとも気の毒だった。
サムが素敵だった。
リン姉さんが最強だった。
貴子、がんばれ、と思った。
リンも貴子も、鷲津なんかよりいい男が他にいるよ、と言いたくなる。

とまぁ、そんな感じ。
これ、まだ続くんでしょうか。
続くって書いてあったけど…。


2007年11月19日(月) 『呉清源 極みの棋譜』『バイオハザード3』(映)

年内は映画ばっかり観る予定です。
金がないぞー!

【監督:田壮壮 中国】

呉清源という実在する(まだ生きてらっしゃって映画の冒頭にも出てくる)、天才と謳われた棋士の伝記です。
碁なんて、『ヒカルの碁』しか知らないのですが、問題はないです。
だって、全然、碁打ってない
あのーもっと対局シーン長くても大丈夫ですよ?飽きたりしませんよ…?
碁石と碁盤がすっごい美しいなぁと思っていたら、何千万とか億とかする石や碁盤使ってたらしいです。
こ、こえぇ・・・!
そんならもっと、映してくれればいいのに。対局シーンもっと見たかったなぁ。

私は、呉清源自身のことは何も知らないので、映画のみのことを言いますが、映画だけ見てるとどうにも、碁に人生捧げているようには見えなかったな。
宗教パートが多すぎて、どっちかといえば碁から逃げてるシーンが記憶に残る。
あと、呉さん・・・どんくさい。そんな何もないところで、池に落ちたりしないで!わかりやすくスクーターに轢かれないで!しかも、ちょっと転がっただけだと思ってたら、結構な重傷だったし。
どんくさいよ。

呉さんの友人、川端康成がなんかよくわからない色気を出していて、康成って、康成ってそんなだっけ!?と驚異でした。
『名人』探して読まないと!と思いました。
すすき野原のシーンはきれいです。そして、康成がなんかフェロモン出てました。なんだ、あの康成。ちなみに演じてるのは、野村宏伸。
この映画は日本ロケなので、日本の俳優がほとんどです。
柄本明やら松坂慶子やらでてます。
私は大森南朋を観に行ったわけですが・・・兄弟子としてもっと呉さんに絡んでくれよ、と思いましたよ。
せっかくワダエミの衣装着てるのにあまり全身が見れなかったー。
まぁ、いいんですが・・・。はなから多大な期待はしてなかったので・・・。

何を撮りたかったんだかよくわからない映画でしたよ。

+++++++
【監督:ラッセル・マルケイ アメリカ】

シリーズ三作目なので特に説明もしませんが、呉清源でなんだかもやっとしたので、すかっとしたく思い、観に行きました。
映画は娯楽に限るな、と思いました。

ツッコミどころは死ぬほどあるけど、そんなのどうだっていいじゃないか。
アクションが爽快ならばそれで。
ま、そのアクションもシリーズ中ではそこまで秀逸ってもんでもないんですが。
2のジルとか娘とかどうしちゃったんだ〜と激しく気になりました。

いろんな映画の観た事あるシーンがいっぱい出てきたけど、マニアじゃないから気にしない。
アンデットが凄いスピードで走ってて、そんなの約束が違う!と思いました。
それじゃ、ゾンビドッグの立場がないよ。
ゾンビカラスは・・・『鳥』?(ヒッチコック)
あれ、怖いよな。

みんなアラスカにたどり着けたのか、ほんとに汚染されてないのか、気になるなぁ。
ラストは続く気まんまんだったし。
ま、4楽しみにしてますよ。
次は日本?


2007年11月11日(日) 『I LOVE YOU』(小)

【伊坂幸太郎 他 祥伝社文庫】

タイトル、ちょっと直球すぎやしないか。
そんなことをちょっぴり思う、人気男性作家6人による恋愛小説アンソロジー。
恋愛小説が苦手なのですが、伊坂がいるので読んでみました。
アンソロは思いがけぬ拾い物があるので好きです。

「透明ポーラベア」 伊坂幸太郎

これを読んだ人は、これからの季節、暖房つけるたびに、姉のことを思い出すのかもしれません。
もしくは、寒くなれー寒くなれーとつぶやくかもしれない。
伊坂らしい、かわいくて切なくてあたたかい話し。

「魔法のボタン」 石田衣良

伊坂以外はみんな初めて読む人ばかり。
イメージ通り、上手い。
上手いけど感動は薄い。

「卒業写真」 市川拓司

『いま、会いに行きます』でひねりのきいた展開を用意してうまいこと感動させた市川拓司ですが(褒めてますよ。本は読んでないけど)、これも軽くひねりが入ってました。
そういう話し作りが好きな人なのかな。
主人公の女性の一人称が、ちょっと、歳の割りに若すぎるような気がしましたけど。
可愛い話しではありました。

「百瀬、こっちを向いて」 中田永一

6本の中で、無性に長く感じた。実際、二番目に長いのだけど。
モテない主人公の一人称なのだけど、これを読んで、『太陽の塔』(森見登美彦)は上手かったのだなァと、再評価したくなった。
普通はモテない主人公がネガティブに語ってたら、イラっとくるんだな、とわかりました。
もっと、評価すべきだったんだ。モリミーを。

「突き抜けろ」 中村航

これが一番おもしろかった。
全然知らない作家だったのだけど。
男の子は、だらだらと3、4人で集って酒飲んでるの好きだよな〜、とやっぱり『太陽の塔』を思い出したり、映画の『アイデン&ティティ』(最近DVDで観た)を思い出したりして読みました。
木戸さんがすごーく可愛い。『チルドレン』の陣内思い出した。

「Sidewalk Talk」 本多孝好

恋愛ものとしては、一番正統派だったような。
じみーだけど好きでした。
ま、恋愛もの読み慣れないから、なにをどう評価していいのかはいまいちわからないんですけど。


2007年11月06日(火) 『機動旅団八福神 1〜6』(漫)

【福島聡 エンターブレイン】

変なタイトルで、変な表紙(主に2巻)なので、全く内容がよくわからなかったのですが、平たく言えば戦争物です。
『皇国の守護者』系ですかね。
それとも、『最終兵器彼女』系ですか。
エヴァっぽい気もしますが。

中国に占領されて、アメリカと戦争してる日本が舞台。
福神というのは赤い直立歩行したカエルみたいな兵器。
強いんだか弱いんだかわかりませんが、核攻撃にも耐えうる防御力を持っている、操縦者次第の兵器。

なにぶん、八福神といってるくらいなので、八人の小隊だものだから、皇国のような戦術戦略戦はしてません。
隊長の名取も、天才肌ではありません。
武術にも特に優れているわけでもありません。
この部隊を、人を助ける部隊にしたい、と思っている。
その名取のエゴはどこまで通用するのか。

意外と血なまぐさくない、でも、笑いがあるわけでもない。なんともシュールな印象。
福神の形状がすでにシュールではありますが。


2007年11月05日(月) 『自虐の詩』『ヘアスプレー』(映)

【監督:堤幸彦 日本】

思いがけず泣ける、というレビューを良く見たのですが、思いがけない所で泣けました。
幸江と熊本さんの友情パートは、なんかもう、やたら泣けました。
堤監督が、女の子の友情を撮るなんて初めて見た。
『サイレン』はひどい出来だったけど、堤監督進歩してるのかもー。

少女時代の熊本さん役の子のインパクトが凄くて、半ば唖然として見てました。
キャラクターも凄いんだけど。

いやぁ、なんというか本当に思いがけないいい話しでした。
イサオは駄目男には違いないのだけど、幸江がイサオを、イサオが幸江をそれぞれ思う気持ちはよいものだなぁと。

パンフにも書いてあったのだけど、パンチパーマにした方が、美形が際立つ阿部ちゃんってなんか凄いなぁ。
中谷美紀は本当に上手いし。

++++++++
【監督:アダム・シャンクマン アメリカ】

マイノリティーを扱った、ミュージカル。
割とどこでも褒めてるので言いづらいが、一曲一曲を長く感じてしまった。
ミュージカル自体はけっこう好きなほうだとは思うのだけど。
『シカゴ』好きだし。

黒人差別問題をもっと婉曲に扱ってるのかと思ってたら、どストレートじゃないですか。
それが悪いとかいうわけではないんですが。

あまりに正しすぎてあまりに明るすぎて、こういうのって、楽しめないやつは根性曲がりだと思われてしまいそうだ。

トレーシーの親友のペニーが凄いかわいい。
でもやっぱり、ベルマがいいんだよなぁ。
嫌がらせにしろ、なににしろ、気合が入ってるよ。
ジョン・トラヴォルタの女装というか、特殊メイクは凄かった。



蒼子 |MAILHomePage

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