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2005年04月25日(月)
某日(3)









ひとがあつまっているなかで自分だけ
ほんとはもうそこにいなくなっている

キミの笑顔はもう
宇宙船の円い窓から小さくなる

そして世界中が眠っている夜に
こっそり着陸してきて

することもなく
屋上に座りこんでは

思い出したように
立ち上がり

両手をあげて
号令をかける














2005年04月20日(水)
「ブラザー軒」






「 東一番丁 ブラザー軒
  硝子簾がキラキラ波うち、
  あたりいちめん氷を噛む音

  死んだおやじが入って来る
  死んだ妹をつれて
  氷水喰べに、ぼくのわきへ

  色あせたメリンスの着物
  おできいっぱいつけた妹
  ミルクセーキの音に、びっくりしながら

  細い脛だして、細い脛だして
  椅子にずり上る、椅子にずり上る

  外は濃藍色のたなばたの夜
  肥ったおやじは小さい妹をながめ
  満足気に氷を噛みひげを拭く

  妹は匙ですくう 白い氷のかけら
  ぼくも噛む 白い氷のかけら

  ふたりには声がない
  ふたりにはぼくが見えない
  おやじはひげを拭く 妹は氷をこぼす

  簾はキラキラ 風鈴の音
  あたりいちめん氷を噛む音
 
  死者ふたり、つれだって帰る、
  ぼくの前を小さい妹がさきに立ち、
  おやじはゆったりと

  ふたりには声がない、ふたりには声がない
  ふたりにはぼくが見えない、ぼくが見えない

  東一番丁 ブラザー軒
  たなばたの夜 キラキラ波うつ
  硝子廉の向うの闇に 」


              高田渡 「ブラザー軒」
              アルバム「best live」 から




憧れの目を向けられるひと達の多くが
憧れてるほうよりも先に逝ってしまうことだろう

なぜなら憧れてるほうが先に死ぬなんて
なんだか損をした気がするからだ

けれど、
けれども
高田渡が逝ってしまったらしい

うまく言葉なんて見つからないけれども
そんなニュースは夢の中のもののようだ

実際に見たこともない人だから
まだ生きてるってことにしてもいいのだけど

今日は珍しくお酒など飲んで
未来にもちびりと口をつけつつ

「ブラザー軒」など
歌ってみるのだ













2005年04月18日(月)
そのひとをどう呼ぼうか







ちゃんをつけて呼ばれるのは苦手
あのひとがそう呼んでいたので
そんなふうに呼ぶひとのことは

特別なひとにしてしまうか
ホントにどうでもいいことにしてしまうしかない

じゃあもうふたばちゃんって呼ぶのはやめるね
それはフェアじゃないし
あるときそう言ったひとがいて

それがあからさまにひどい冗談だったので
そうしてよ、奥さん、と言い返してやったのだ












2005年04月11日(月)
ソニアホーザの朝









あたたかくなってきた
近頃ははやく寝てるので
ちゃんと朝起きれて頭痛もしない

窓を開けて太陽を迎え
コーヒーを入れてタバコを2本目
ソニアホーザなんか聴いちゃって
ぼんやりだばだば

隣りのお家も窓が開いてるらしくて
ちっちゃな女の子の声が聞こえてくる

…にしてくだちゃい
…静かにしてくだちゃーい
お?まさかね
音量も小さいしやわらかいボサだし

…静かにしてくだちゃーい!
だんだん大きくなってくる
…おにいちゃんなんだから静かにしてくだちゃーい!
あ!うちのことだったのね、ごめんごめんっ

…ちょっとあなた何してるの!やめなさいっ近所迷惑でしょっ!
コンポを止めるより先に
お母さんが飛んできて女の子を制した様子

あぁ、それにしてもいい天気
あたたかくなってきた













2005年04月04日(月)
サイト越しにほおづえ








わたくしのサイトはつたない
笑っちゃうくらいである
文字以外になんにもないし
どこも凝ってねいし

けどいくらつたなくとも
ひとつのサイトを続けていくうえでは
いろんなひとたちが
手をかしてくれているのを日々、実感している

宣伝をするかどこでするか
考えているふったば宣伝部長とか
投稿できるサイトを探して載せる
ばーふた営業部長とか

新しいカテゴリや構成を決める
たばふ企画部長やら
載せるべき作品を吟味する
なれなれ会議の皆様や

ページの制作、総指揮をしてくれている
ふばた先生
(皆の努力の甲斐もなく
 結果つたないサイトになってるのは
 彼の技術が皆無に近いからである)

おかげでわたくしは
書きたいのを書いてしまえば、あとは
サイト越しにほうづえでもついていればいいわけで

来て頂いた方にかるーく挨拶をしては
煙草をくわえてのんびりぼんやり
さぼっている