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JIROの独断的日記
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2003年12月08日(月) バグダッドからの(イラク人による)メール。日本人は「復興支援」だと云うが、イラク人にとっては「侵略」なのだ。

◆バグダッドから日本のNGOに送られてきたメール

こんにちわ。

私は、Yahoo日本からのあなた方の電子メールアドレスを見つけました。私はイラクのバグダッドで暮らす高校教師です。

私は空手と日本語を学びました。私はいつも、日本および日本の人々を尊敬しています。

米国の侵略を支援するためにイラクに日本の軍隊が来るというのは、私たちにとって恐ろしいニュースでした。

私はサダム・フセインを支援したことはありません。しかし、米国は武装強盗です。彼らは、毎日イラク人を殺しています。そして、普通の市民はだれも彼らを支持していません。今、ますます多くの人々が抵抗運動に参加しています。彼らは旧体制の残党でも、テロリストでもなく、普通の人たちです。

もし、仮にどこかの国が日本を侵略したとしたら、人々がどのように行動するか想像してください。まさしく同じことがここで起こっているのです。イラクを再建するのはイラク人であるべきであり、決して侵略者ではありません。

米国の連合軍としてイラクに来ないでください。イラク人は日本を尊敬していますが、今、日本の軍隊がイラクに来れば、日本はイラク人とイスラム教徒全体の敵になるでしょう。すべてのイラク人が、日本に対して失望するでしょう。それは、偉大な国である日本は過去の歴史においてイスラム教徒と敵対したことがなかったからです。

米国を支援することに、日本人の生命を含めあらゆる損失を被るだけの価値はまったくありません。侵略者が去った後なら、私たちは日本を歓迎します。しかし断じて「今」ではないのです。

日本の人々に私たちの本当の気持ちを伝えてください。日本の軍隊はわが国を侵略してはなりません!

私は日本を愛しています。ですから、私たちの敵にならないでください。私たちは、日本が独立した国として正しい決定をすることを願っています。

モハメド・×××バグダッド、イラク



◆私のコメント:「復興支援」は日本人の主観でしかない。

上のメールはイラク問題のメーリングリストに翻訳されて掲載されていたものである。転載自由だというので、写させてもらった。

イラク人にとっては、まず、アメリカが、家族を殺し、家を焼き払った憎い「異教徒」なのだが、どうも、現地のレポートをいろいろと読んでみると、その他の国の人々も、彼らにとっては「母国に侵入してきた異教徒」なのである。宗教感覚の無い日本人にとっては、特に後半の部分「異教徒」への警戒心、あるいは敵意、ということが分からない。

しかし、とにかく、現在のイラク人の目には「異教徒である外国人が次々にやってきて、母国を踏みにじっている」というのが現実なのだろう。

いくら、日本人が「復興支援」と言っても、それは、飽くまでも日本人の主観であり、イラク人からみれば、憎むべき異教徒・侵略者、アメリカ人を応援する、新たな侵略者、として映ってしまうようだ。

其処のところを理解しないで勝手に出かけていくので、皆、攻撃されるのだろう。日本政府や自衛隊がそのあたりを熟慮したのか、甚だ疑わしい。

その他、イラク関係の物騒なニュースがいろいろと伝わっている。



◆記事1:<イラク>自衛隊派遣に警告 サラハディン州知事

イラク北部のティクリートを州都とするサラハディン州知事は7日、陸上自衛隊の派遣が予定され、比較的治安が安定しているとされる南部サマワでも「誰も安全を保証できない」と警告した。知事はサマワを州都とするムサンナ州は「アルカイダのメンバーが簡単に入り込むことができる」と懸念を表明した。(共同)(毎日新聞)




◆記事2:アルカイダ、イラクへ大挙移動か=ビンラディン氏が指示−米誌

【ニューヨーク7日時事】8日発売の米誌ニューズウィーク最新号は、テロ組織アルカイダがウサマ・ビンラディン氏の指示の下、戦闘員多数をアフガニスタンからイラクに移動させる計画を進めていると報じた。 (時事通信)




◆記事3:「長期駐留危険」現地から報告=サマワでも劣化ウラン放射能

イラクに滞在していたフリージャーナリストのグループの報告会が6日、東京都内で開かれ、放射能被害が指摘されている劣化ウラン弾が自衛隊の派遣が検討されている南部のサマワでも使用されたことが報告された。

現在もイラクに滞在しているフリーカメラマンの森住卓さんが現地からのメッセージとして報告した。「自衛隊がサマワに長期に駐留することになれば被ばくは避けられないだろう」としている。(時事通信)




◆私のコメント:サマワでも劣化ウラン弾が使われていたのならば、派遣はとんでもない暴挙だ。

断っておくが、私は自衛隊のイラク派遣を容認したのではない。嫌というほど繰り返しているが、戦争状態にあるイラクに自衛隊が赴くことは、交戦状態に巻き込まれる可能性が極めて高く、それは違憲行為となる。派遣してはいけないのは法的に明らかなのだが、実際の状況から見ても、自衛隊がイラクへ行ったら危険である、ということを強調したいのである。

とりわけ、記事3は重大な情報である。これを承知で日本政府が自衛隊をサマワに派遣するのならば、殺人行為に等しい。劣化ウラン弾については11月28日に書いた。



◆結論:
自衛隊を派遣することは、法的問題、物理的な危険、イラク国民の感情的反発、いずれの観点からも、認められない。


2002年12月08日(日) 自殺願望サイトで知り合って1カ月の男女が心中 死にたいと思ったら、まず、精神科へ

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