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JIROの独断的日記
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2003年10月16日(木) 「<パレスチナ>帰還権放棄を言及 神殿の丘領有と引き替えに」 ものすごく大雑把なパレスチナ問題の基礎知識

◆記事:
アラファト・パレスチナ自治政府議長側近のラボ前国務相は13日、イスラエルの左派系国会議員との間で、将来のパレスチナ国家がエルサレム旧市街の「神殿の丘」を領有する代わりに、パレスチナ難民の帰還権を放棄することなどを盛り込んだ和平案に合意したことを明らかにした。イスラエル放送が伝えた。パレスチナ指導部が帰還権放棄に言及したのは画期的で、今後の和平交渉にも影響を与えそうだ。

主な内容は(1)周辺アラブ諸国などに離散しているパレスチナ難民はイスラエル領への帰還権を放棄し、原則として将来のパレスチナ国家に移り住むか現住国にとどまる(2)エルサレムは分割し、東エルサレムをパレスチナ国家の一部とする(3)イスラム教の聖地である「神殿の丘」はパレスチナ領とする。ただしこれに隣接するユダヤ教の聖地「嘆きの壁」はユダヤ人支配下に置く――など。(毎日新聞)

◆用語:難民帰還権
1948年のイスラエル建国やその後の紛争で故郷を追われたパレスチナ難民のイスラエル国内への帰還をめぐる権利。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に登録されているパレスチナ難民はヨルダンなどで約400万人に上る。イスラエル側は、ユダヤ人国家の性格が変質しかねないとして、大量の難民受け入れを拒否。パレスチナ側は、実際の帰還は困難であるとしても、難民は本来、故郷に帰る権利を持つとして、帰還権を認めるように主張している。


◆解説&所感:
パレスチナとは、現在の国で言えばイスラエル、ヨルダン、シリア一帯を指す。「何々地方」というようなもので、明確な線引きがしてあるわけではない。

パレスチナ問題とは要するに領地争いである。もともと、今から3000年ほど前にはパレスチナはユダヤ人の土地であった。

しかし、紀元2世紀ごろに、ユダヤ人の王国はローマ帝国によって滅ぼされて、ユダヤ人はパレスチナから追い出され、それ以降、千数百年にわたって、ヨーロッパをさまよい、どこでも邪魔者扱いされて迫害されてきた。

ところが、19世紀に入り、もう、このような境遇には耐えられないと考えたユダヤ人が中心になって、大昔に祖先が住んでいたヨルダン川西岸のパレスチナの地に、祖国を建設しようという運動が興った。

第2次世界大戦中には、周知のとおり、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺という悲劇があったので、ユダヤ人への同情論が強まり、国連決議を経て、遂に、1945年、ユダヤ人によるイスラエルという国が誕生した。

しかし、千数百年もパレスチナを留守にしている間に、当然、別の民族(アラブ民族)がパレスチナに何百万人も住んでいた。そこに突然、ユダヤ人の国が出来たので、パレスチナに住んでいたアラブ人(パレスチナ人)は追い出されてしまった。かつてのユダヤ人のように、パレスチナに住んでいたアラブ人が流浪の民となってしまったのである。

パレスチナ人はイスラエルと接するように、ヨルダン川西岸、ガザ地区にパレスチナ自治区を作り、そこに住もうとしたのだが、千数百年、世界で屈辱を強いられたユダヤ人は、これに関してきわめて排他的で、何度もの中東戦争で、パレスチナ人の自治区を占領してしまった。

1993年にオスロ合意という、かなり画期的な合意がなされた。これによってパレスチナ人の組織、PLOはイスラエル国家を承認する→イスラエルはガザ地区とヨルダン川西岸から徐々に撤退する→最終的にはパレスチナ人がガザ地区と西岸に自治政府をつくり、ユダヤ人とパレスチナ人は歴史的な和解を実現する、

と、なるはずだったのだが、イスラエルにもパレスチナ人にも過激派が常にいて、「そんな妥協は許されない。イスラエルの過激派はパレスチナ人など、1人残らず追い出せ」というし、パレスチナ人側にもユダヤ人を異常に憎んでいる者がいる。

いまだに毎週のように、パレスチナ人の自爆テロでイスラエル市民が大勢死んだとか、これに対する報復として、イスラエル軍はパレスチナ人居住区の過激派ではない女子供まで殺したりして、もう、手が付けられない、という状態がつづいている。お互いに「相手が悪い」と言いつづけても、何の発展もないのだが。

私はとにかく、イスラエルのシャロンという、軍人上がりで人殺しを何とも思わない人物が首相になったこと。これをアメリカが支援している事。この状況を壊さない限り、虚しい殺し合いは続くと思っている。Y!ニュース - 中東情勢に毎日目を通すと、いかに悲惨な争いなのかということが良く分かる。


2002年10月16日(水) 1.2880年、日本沈没? 2. 「働く女性の六割はうつ状態」

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