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JIROの独断的日記
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2003年10月04日(土) 絶対に仕事でミスをしない唯一の方法は「何もしないこと」だ。減点法の弊害

 世の中、せちがらくて、なんでも「減点法」である。どんな仕事でも殆どの人は大抵、致命的なミスを犯さずにちゃんと仕事をこなしている。それがプロというもので当然なのだが、一旦、少し大きなミスが表ざたになると、マスコミは天下の極悪人のように叩きまくり、大衆はそれに乗じる。

 国立弘前病院の放射線過剰照射が、一体どれぐらい深刻な意味を持つのか、我々素人には分からない。一人の専門家の意見を聞いても、比較できないから分からない。こういうときは、新聞はできるだけ多くの放射線科の医師に話を聞いて、紙面に載せてくれなければ、判断しようがない。

 それはともかく、放射線の件が問題ではないとはいわないけれど、国立弘前病院は11年間全ての科でミスばかりしていたわけはないのであって、同時に何万人もの命を救った筈である。しかし、減点法の社会ではそういうことは一切捨象されてしまう。

 石油タンクが火災を起こした出光興産の社長は責任をとって辞意を表明した。火事は大変な騒ぎだったが、出光興産その他の石油会社が、中東から原油を輸入する仕事を無事にこなしていなかったら、日本人はとっくに凍死していたであろう。

 社会人になってから、まだあまり年数も立たないあるとき、私は仕事上のミスをして、上司に叱られたことがあるが、この人が云った事を今でも良く覚えている。
「ミスをする事自体は、ある程度仕方がない。何にもミスをしない奴は何も仕事をしていない奴だ」

 勿論、お説教はそれで終わったわけではないが、この言葉は真理を突いている。あまりにも、世の中全体が、人が失敗したときだけ大騒ぎをする「減点法」に傾くと、どうなるか?やがて人々は最小限のことしかやらなくなる。新しい事に挑戦しなくなる。そうなると社会は進歩しない。そちらの方が怖い。


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