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JIROの独断的日記
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2003年03月22日(土) 「精密誘導兵器」「ピンポイント攻撃」というアメリカの言葉に惑わされてはいけない。市民の死者が出ている。

 ラムズフェルド国防長官は、国際世論の非難を意識して、「攻撃の標的はフセイン政権の中枢や軍事施設であって、一般市民を巻き込まないように、注意を払っている」という意味の事を記者会見で繰り返し述べている。が、それはウソだ。

 バクダッドの大規模な空爆の映像を見ただけでも、あれだけの爆発が起きて、周囲の市民が全く無傷でいられるわけがないことは、容易に想像できる。いくら、「一般市民を狙っていない」といっても、アメリカは「たまたま、巻き添えになる市民がいても、仕方が無い」と考えている。つまり、市民を殺傷する「未必の故意」があるのは明らかだ。

 南部の都市バスラでは、湾岸戦争のときに米軍が大量の「劣化ウラン弾」を使用した。劣化ウランは核燃料(原発でつかう)や核兵器を作るときに生じる核廃棄物で各国ともその処理のしかたに困っているが、アメリカの軍事産業はこれをミサイルや対戦車砲の表面に使うことを考え出した。劣化ウランは質量が大きい金属で、ミサイルなどの弾頭につけると貫通力が増強されるからだ。

 問題なのは、劣化ウラン弾が爆発すると放射能をあたりに撒き散らす事である。湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾から生じた放射能の総量は、広島に投下された原爆の1万倍とも3万倍とも言われるほどだ。

 この放射能は風に乗って、バスラは勿論、500kmも離れたバグダッドまで到達した。そのせいで、湾岸戦争後、イラクでは白血病になる子供がそれ以前の十数倍に増加し、奇形児がうまれることが増えた。湾岸戦争から12年も経っているが、バスラの小児科病院では、いまだに毎日4人から6人の子供が白血病や小児ガンなどで死んでいるというし、バクダッド市内の病院でも、いまだに小児ガンなどで入院する子供がいる。

 アメリカ軍は911テロ直後のアフガニスタン攻略においても、劣化ウラン弾を使ったといわれているし、今回のイラク攻撃ではさらに強力な劣化ウラン弾を使うだろうと言われている。

 12年前の湾岸戦争で傷つき、放射能にさらされたイラクの一般市民は、その傷が癒えないうちに、新たな砲撃に晒されているのだ。

 私が、ブッシュを馬鹿野郎といい、アメリカは野蛮な国だ、と非難するのは、彼らがこのような惨状を百も承知のくせに、今回の戦争を始めたからである。これは、悪魔のような行為としか言いようが無い。


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