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JIROの独断的日記
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2002年12月10日(火) 「田中さんはかわいそう。」スウェーデンの外務省が日本のマスコミを批判。

 かつて、田中さんほどワイドショーのネタにされたノーベル賞受賞者はいない。昨日の日記にも書いたとおり、まず、ノーベル賞を受けるほどの偉大な発見をした、すなわち、人類に貢献した人物なのだという認識がなければならない。日本のマスコミにはこの認識が希薄である。ある報道によると、

「ミスター・タナカはかわいそうだ」。ノーベル賞授賞式に出席するためスウェーデンを訪れている島津製作所フェロー田中耕一さん(43)を追いかける「ワイドショー」を中心とする日本メディアの過熱取材に、スウェーデン外務省などから批判が出ている。大量の取材陣が滞在先のホテルを取り囲み、田中さんを容赦なく質問攻めにする“常識外れ”の取材にノーベル賞関係者も戸惑い、失望している。

 田中、小柴両氏は日本の誇りだが、それを取材する連中はどうやら、彼の地で日本の恥を晒しているようである。まことに恥ずかしい。田中夫妻の随行員であり、日本びいきとして知られるスウェーデン外務省のカイ・ラーニウスさんがついに声を荒げて抗議したそうだ。

「田中さんを人間扱いして欲しい。ノーベル賞は世界最高の栄誉で、芸能人取材とはおのずと違いがあるはずだ」

誠に、誠に、正論である。こんな事でラーニウスさんが日本人を軽蔑するようにならないことを祈る。

スウェーデン王立科学アカデミーのエバ・クルトマイヤー広報担当部長は、記念講演後の記者会見である日本のテレビ局の女性記者が、「賞金を何に使うんですか?」と質問したら、直ちに「科学的な質問を」と釘をさした。穴があったら入りたい(私が入っても仕方がないが・・・)。

要するにノーベル賞は人類に尤も貢献した人に与えられる栄誉であり、その授賞式前後のセレモニーは、厳粛なものなのだ。日本のマスコミはそれを冒涜している、と関係者の目には映っているのだ。

「クルトマイヤーさんは言う。『受賞者は国王や政府、財団のゲストだということを、理解してほしい。授賞式を人生最良の思い出としてもらうために招待しているのだから』」

今日、12月10日は、アルフレッド・ノーベルの命日である。


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